オサムイズム: “小さな巨人”スズキの経営

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320416

作品紹介・あらすじ

VW提携解消の裏側、インドの覇者となった理由。鈴木修会長インタビュー収録!

感想・レビュー・書評

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  • 約40年にわたり、スズキを率いる社長・会長である鈴木修氏の自伝。スズキでどのようなキャリアを送ってきたのか。会社のトップとしてどのような経営方針でやってきたのかがわかる。今では大企業である会社をどのような戦略で導いてきたのか、コストマネジメントに関しても非常に勉強になる。

  • ふむ

  • ゛小さな巨人゛スズキとカリスマ経営者鈴木修氏の歩みを綴った書。2015年執筆。

    世界第10位の自動車メーカー、軽自動車のスズキは、「修を頂点とするサイロ型の組織、そしてワンマン経営による即断即決、素早い命令伝達がスズキの強み」。

    そのスズキは、4代目の修氏まで娘婿経営継承モデルを踏襲してきたが、修氏の娘婿(小野専務)が病死してしまい、長男俊宏氏への継承となった。

    誰もいないところに市場を生み出し、先行者利益で荒稼ぎする「先回り戦略」がスズキの経営スタイル。「アルト」の大ヒット(軽自動車市場の活性化、セカンドカー需要の顕在化)やインド市場へのいち早い進出と一人勝ち。

    それにしても、スズキの経営はこれまで順風満帆だったことはなく、試練の連続で生き残っているのが信じられないくらい。排ガス規制への対応の失敗、インドでの激しい労働争議、後継者(娘婿の小野専務)の病死、トヨタによる軽自動車廃止論やトヨタ・ダイハツとの熾烈な販売競争、米国市場からの撤退、VWとの法廷闘争…。修氏は、その度に逆境をバネに飛躍を遂げているからスゴい!

    スズキの最大の課題は、「ワンマン経営者の下で育ったスズキを、組織力で運営される会社へと成長させること」、すなわち「オサムイズム」のカリスマ経営から「チームスズキ」の集団指導体制へうまく移行できるか。修氏は前任者同様70歳を目安に後継者に道を譲るつもりだったが、「権限委譲を進めようと一歩進むたびに、スズキは危機に直面しつづけ」、修氏がやむなく経営の陣頭指揮を取っているうちに、タイミングがどんどん遅れてしまったのだという(修氏がワンマン独裁に執着したわけではないとのこと)。

    トヨタと組むことにしたスズキがCASE時代にどう生き残っていく(勝ち残っていく)のか、今後目が離せないな。

  • No.926
    1. 目的
     スズキのブランド力を知る
    2. 得たこと
     鈴木修氏のカリスマ性を知った
    3. アイデア
     直感力すげー。

  • スズキの会長鈴木修氏の功績を中心に同社の成功と失敗を書いた一冊。

    自動車業界に精通している著者だからこそ書ける部分が多くあり、舌を巻くとともにスズキの会長である鈴木修氏の名前は知っていましたが、その功績や自動車業界に起こっていたこと、そしてその闇を知ることができ、新しい視点を手に出来たとも感じました。

    GMの倒産、VWとの業務提携に端を発する訴訟問題やスイフトでの奇跡を起こした次期社長候補でもあった小野氏の死やダイハツとの軽自動車のトップシェアを争う戦いハスラーのヒットなど紆余曲折のあった同社の歴史も知ることができました。

    先進国から新興国へのシフトの素早さや二輪車との比較で四輪車事業を中心に展開していくなどトップとしての判断の凄さとそこに潜む後継者の問題など表から決して見えない同社のことを深く知ることができましたが、若干時系列がわからなくなるところがあったのは残念でした。

    巻末には鈴木修会長と著者の対談も掲載されており、本文のフィードバックもできる一冊でした。

  • 最近何となく自動車メーカーのスズキと会長の鈴木修が気になっていた。そんな時にたまたま本書が本屋さんで平積みになっていたので、目次も見ずに買ってしまった。読み始めたら、とても面白かった。小さな自動車メーカーが生き残るためにしてきた戦いが記してある。

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著者プロフィール

株式会社ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト
1994年以来、一貫して自動車産業調査に従事し、米国Institutional Investor(II)誌自動車セクターランキング、日経ヴェリタス人気アナリストランキング自動車・自動車部品部門ともに2004年から2009年まで6年連続第1位と不動の地位を保った。バイサイド移籍を挟んで、2011年にセルサイド復帰後、II、日経ランキングともに自動車部門で2012年第2位、2013年第1位。2013年に独立し、ナカニシ自動車産業リサーチを設立。

「2020年 『自動車 新常態(ニューノーマル)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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