- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532321833
作品紹介・あらすじ
○農業にマーケティングの必要性が叫ばれて久しい。しかし、関連書は少なく、大半は、単に既存のマーケティング理論を農業に当てはめたものや成功した農業者の事例を紹介したもので、定番書はない。
○著者の岩崎氏は中小企業のマーケティング・経営戦略論で有名だが、東京農大で農業経済学の博士号をとった農業経営の専門家でもある。本書は静岡県立大学岩崎研究室による全国規模の消費者調査、生産者調査のデータベースと、著者自身が携わってきた農の地域ブランド開発や六次産業化の事例を盛り込んだ、農業マーケティングのテキストである。
○消費者は何を求めて「食」を購入するのか、そもそも「品質」とは何か、「おいしさ」を消費者にどう伝えるか。いかにして「強い食のブランド」をつくるかなど、生産者や食ビジネス関係者に関心の高い論点を盛り込む。
○著者は農業高校の学習指導要領にマーケティング科目を入れるためのアドバイスをする一方、全国の農業者のマーケティングや地域ブランド開発の支援も長年行っている。
感想・レビュー・書評
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週末農業の手伝いでいろんな疑問が出てきて、儲かる農業はなかなか難しいようです。
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ブランディング大切
消費者の声を聞く
主軸商品を決めて派生させる
ブームになれば逆に気をつけろ
産地に来てもらう
何でもある=何もない
マーケティングは奥が深いね! -
ワイナリーツアーを企画したくて手に取った本。同じ著者の『観光ブランドの教科書』に続いて2冊目。
こちらの方が出版年は早いみたいだが、基本的な内容はほぼ同じ。食に関連する「農業」がメインテーマだったので、より現実感を持って読み進めることができた。
「進化」「深化」「新化」を自問することは、農業従事者だけでなく、食関連の小さなお店を経営している人にも有効な内容だと思う。 -
マーケティングの基本は、つくる、売る側の視線ではなく、買い、消費する側の視線で組み立てるということを実践した良い本。「山の幸、海の幸」というように、美味しいは幸せに繋がっている。農と食は繋がっていることで、初めて幸福をもたらすのである。農の先には幸がある。農業とは、幸せ創造企業である。
つくる、売る側の言葉と消費者の言葉が全く違うことを調べて説明すると説得力がある。
写真を用いて、そのキャッチコピーでどう消費者が受け取り、価格を決めるかというデータは、実に明快に答えを出してくれている。ブランド化とは、頭の中でどんな言葉がイメージできるのか?にある。北海道、京都は確かにそれだけでブランド化される。埼玉や栃木では、あまり浮かばないのが現状である。
どうすれば、引力のある農産物になるか?
トマトは、美味しさ、健康。茶葉は、リラックス、やすらぎ。うなぎはごちそう、元気。花は感謝の気持ち、癒し、を提供する。つまり価値を示しているのだ。
品質や価値を決めるのは、消費者である。
イチゴは、ツヤと鮮やかさ、イチゴらしい形状の粒、真っ赤であることが求められている。
顧客は、価値を買っているのであり、想像力、共感力、提案力を買っている。
強いブランドは、心で感じるアートと頭で考えるサイエンスを拠り所としている。つまり独自の個性を持っているのである。それが、情報発生力を持っている。伝えやすく、伝えたくなるもの。
モノから、コトへの発展こそが、農業の新しい顧客を作ることになる。
農業の持つライブ感を大切にして、強みをもっと伸ばそう。 -
価格の歪み、情緒的価値(人がどう感じるか)にフォーカスすると実際の価値(モノの値段)を大きく上回ることはどの分野にも通づる大切なことだと思う。
マーケティングは売り手ではなく、買い手にいかにフォーカスするかが大切。
キャッチコピーにも売るものではなく、買い手の感情にフォーカスすると表現が全く変わる。
顧客を主語にして考える。
何ではなく、なぜ買うのかを考える。
視覚は味を変えてしまう。
美味しそうで美味しく食べる。
高級感に影響を与えるのは艶と輝き。
美味しさの見える化ってのは面白いね。
美味しさを聞きたいし、言いたい。
顧客が求めるものは、安い価格ではなく高い価値。
品質の良さがブランドを作る。 -
類書にある表面的な一般論としか思えず
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農業に携わる者として読んでみたが、マーケティングのやり方は農業に関係なくためになる内容だった。
農家さんが、どうやれば儲かるビジネスに繋がるのかを、具体例や実データをもとに書かれている。生産した作物をどうやって広め、消費者に届けるか。これは営業マンである自分が、どうやって自社の商品を広め、農家さんに買ってもらうかと同じこと。
供給者目線ではなく、消費者目線でマーケティングしていくとこの大切さを再度確認することが出来た。
農業に携わる自分としては、「美味しいは幸せ」の手助けが出来るよう、仕事に活かしていきたい。 -
農業以外の方もためになるマーケティングの本。一読をおすすめします。
消費者は食べるものではなく食べることを買う
おいしいの先には幸せがある
ものを買うのではなく価値を買っている
おいしさ、健康、おしゃれ、リラックス、やすらぎ、元気、栄養価、
癒やし、快適空間、
母の日、バレンタインデー、土用の丑→ものではなく価値を訴求
是非食べてくださいではなく是非食べたい
トマト+おいしさ(生産者)
トマト+チーズ(消費者)
五感で味わう ホテルの食事と病院の食事
味の見える化(書体、見た目、言語化、ストーリー)
掛け算(お茶の横にしいたけか和菓子か)
陳列の仕方 -
6章
違いが価値になる
・普通の農産物はブランドにならない
現在消費者ニーズの多様化になり
選ばれるためには個性・独自性が欠かせない
・個性化は特殊化ではない
既製品と100%違うものをつくるわけではない
・2番煎じはブランドにならない
・ブランド作りに大切なのはいかに
ヨコ展開されないか
ヨコ展開されないためには
手間がかかる
苦労する
面倒だ
効率が悪い
実はこういった言葉がブランド作りと相性がいい
・いかに個性を出すか
①味、香り食感で個性
②形状で個性 例デコポン
③サイズで個性 例小さいバナナ
ジャンボマッシュルーム
④色で個性
買い手に見えやすく個性化の大きな武器になる
⑤パッケージで個性
かわいい・高級
⑥生産・栽培方法で個性
例雪の下のニンジン 手ぼりのじゃがいも
⑦肥料・飼料で個性
オリーブハマチ
TEA豚
⑧品質基準で個性
⑨生産場所で個性
潮トマトや京野菜
⑩時期をずらして個性
⑪ストーリーで個性
独自のストーリー
⑫利用シーンで個性
山椒『スイーツ専用』
しらたき『パスタ専用』
消費者に提案していく
⑬限定で個性
用途をあえて限定
卵掛け専用
お好み焼き専用
⑭売る場所で個性
雑貨や
香りがいいものを花屋で販売
⑮逆張りで個性
温かいから冷たい
和から洋へ
辛くないラー油
熟成肉
小さいから競争力がないという誤解
○○離れだから厳しいという誤解
後継者がいないという誤解
経営改善すれば強くなれるという誤解
弱みを改善しようではなく
強みをもっと伸ばそう