バリュー消費: 「欲ばりな消費集団」の行動原理

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532351977

作品紹介・あらすじ

低価格指向、納得できるだけの価値があるかを重視する価額指向に続いて目立ち始めたのは、高品質・機能と低価格の両立を追求、生活の質と合理化を目指す欲ばりなバリュー消費だ。マーケティング研究の第一人者が大規模な調査に基づき、消費の新潮流と対応策を解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 神戸大学名誉教授による消費者論。著者が前書きで述べているように、本来は学術書として世に出す予定だったものが、出版社の提案によりビジネス書として出版されたもの。当然アカデミックな視点からの日本の消費者市場を分析しており、巷に出回るノウハウ本などとは一線を画する。2003年に神戸で行った消費者調査を分析の元に使用しており、さまざまな仮説提起において説得力のある裏づけとして機能している。

    心理学的、社会学的、ミクロ経済的な側面から研究されてきたこれまでの消費者購買行動では、現代日本の消費者行動がうまく説明できない部分が多かったと感じている中、価値ハンターという消費者層が全体の大多数を占めるという仮説は興味深い。生活の質の向上と合理性の追求というこれまでの学説では相反する行動が、デフレ経済や情報探索コストの低下を契機として価値ハンターによって同時に追求されているという。インターネットなどを通じた情報探索が一般化した現在、消費者関与の度合いによって説明されていたフレームワークが変化している可能性は大きいと思われる。これが世界の市場においても普遍的な理論として成り立つにには、ミクロ経済的な一般化が必要であると思うが、すくなくとも実務においては感覚的に著者の指摘は遠からずという印象を受ける。新たな切り口として注目に値する。

  • 何となくわかる気がするが…
    深く理解するには至らず。
    もっと勉強せなあかんかな?

  • 現在の消費者動向は、ポーターでは語れないとし、
    新たに価値ハンターという概念を提示し、
    その価値ハンターの攻略法をビジネス的に記述している本。

    価値ハンターとは、安価な価格を求め、且つ高品質を求めるという
    サブタイトルにある通りの欲張りな消費者達。

    圧倒的なn数のアンケート調査結果を基にした記述は、大変納得感も高い。

    後半にある製品別傾斜率という考え方は、
    今後成長の見込めるビジネス分野に示唆を与えるものであり、
    個人的には医療サービスが最も高いスコアを出していたのは良かった。

    全てが連関している内容は、
    突っ込もうと思えば突っ込める内容なのかもしれないが、
    素直に読むと色々な気づきがある良書。

  • 神戸大学名誉教授による消費者論。著者が前書きで述べているように、本来は学術書として世に出す予定だったものが、出版社の提案によりビジネス書として出版されたもの。当然アカデミックな視点からの日本の消費者市場を分析しており、巷に出回るノウハウ本などとは一線を画する。2003年に神戸で行った消費者調査を分析の元に使用しており、さまざまな仮説提起において説得力のある裏づけとして機能している。<br /><br />心理学的、社会学的、ミクロ経済的な側面から研究されてきたこれまでの消費者購買行動では、現代日本の消費者行動がうまく説明できない部分が多かったと感じている中、価値ハンターという消費者層が全体の大多数を占めるという仮説は興味深い。生活の質の向上と合理性の追求というこれまでの学説では相反する行動が、デフレ経済や情報探索コストの低下を契機として価値ハンターによって同時に追求されているという。インターネットなどを通じた情報探索が一般化した現在、消費者関与の度合いによって説明されていたフレームワークが変化している可能性は大きいと思われる。これが世界の市場においても普遍的な理論として成り立つにには、ミクロ経済的な一般化が必要であると思うが、すくなくとも実務においては感覚的に著者の指摘は遠からずという印象を受ける。新たな切り口として注目に値する。

  • 高品質・機能と低価格の両立を追求、生活の質と合理化を目指す欲ばりなバリュー消費者の出現について。

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著者プロフィール

田村正紀(たむら・まさのり)
1940年大阪市生まれ。1962年大阪市立大学商学部卒、1966年神戸大学大学院経営学研究科博士課程中退後、神戸大学経営学部助手、専任講師、助教授、教授、2006年定年退官、名誉教授。

「2019年 『流通モード進化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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