- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532352899
作品紹介・あらすじ
古典は現代を生きる知的パートナー。福沢諭吉、ブローデル、ハイエク、スミス、ドラッカーなどによる不朽の名著を当代一流の識者が明快に解説!日経新聞好評連載「やさしい経済学」の単行本化。
感想・レビュー・書評
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現代経済学の基本をおさらいしようと軽く手に取るのは、やめた方がいい。
解説書でありながら難解です。
福沢諭吉、ブローデル、ヒックス、ガルブレイス、ハイエク、トクヴィル、ヴェーバー、ヒューム、マルサス、ミル、スミス、マーシャル、ケインズ、シュンペーター、ブキャナン、ベッカ−、ドラッカー、サイモンについて、私でも知っている先生たち(北岡伸一、佐和隆光、土井丈朗、野中郁次郎など)が、日経新聞に連載した「やさしい経済学」の単行本。
寝つきの悪い人は、寝ながら本書を読めば、寝落ちする可能性大です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日経新聞の「やさしい経済学-名著と現代」に連載されていたものを本にして出版したもの。アダムスミス、ケインズ、ハイエクなどの巨匠の名著を簡潔にまとめており、概要を知るにはよい。ただし、その著書を理解するには、原著に当たる必要があることは言うまでもない。
「平和的な文明は、同じくらい好戦的である(ブローデル)」p26
「なぜ地中海から大戦争がなくなったのか。スペインもオスマン帝国も財政破綻に陥り、戦費に耐えられなくなったからである」p29
「新古典派経済学が想定してきたような完全競争市場均衡モデルが決して普遍的、絶対的なものではなく、「歴史性」をもつと考えられるようになってきた」p35
「適者生存」p53
「モノが満たされた社会では発展の方向は、芸術、科学、教育などにしかない(ガルブレイス)」p59
「自生的秩序が「合目的」なのは、一人の頭脳が計画したためではなく、「自然淘汰」を経ているからである。ひとたび環境が変わると、その環境に適応でき、社会の繁栄につながる秩序は残り、そうでない秩序は滅びる(ハイエク)」p72
「自由は最先端の社会にとって必須のものだ。そのような社会が次にどの方向に「進歩」するかを政府は判断できない。それゆえ、民間主体の試行錯誤によって社会の動向を決めるしかない」p74
「社会保障制度、累進課税などで「結果の平等」を目指した政策が導入された結果、自由への脅威が生まれたとハイエクは考えるのである」p76
「(公共投資)同額のカネを集めて払い戻すだけだから、金額がどうであれ相乗効果は相殺され、何の効果も残らない」p193 -
経済学と哲学って関係が深いんですね。
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内容としては、過去の経済学、経営学における名著のあらすじを記載している書籍である。
この一冊にかなりの解説が入っているため、一冊当たりのページ数は限られてしまう。一冊だいたい20ページくらいであろうか。
この手の本の対象はおそらく初学者だと思われるが、それにしても一冊を20ページで説明するのは無理があるのではないかと思う。
各書籍で解説する著者は異なってはいるが、おおよそ導入のところでその書籍の歴史的な意義および時代背景を説明し、その後に本書の内容に入る。最後に結びとして現代の日本(や世界)にその理論を当てはめても未だ色あせない理論でしょ、という構成になっている。
が、やはり一つの書籍20ページでは消化不良どころではない。。。
むしろ初学者向けであるならば、もっと紙面を割いて丁寧に解説しないと理解が追いつかない。特に名著と呼ばれる書籍では、新しい用語、概念が登場するためそれをいきなり使用されると意味がわからなくなる。
本書もそれを重々承知しているのか、各名著の解説の最後には「さらに読みたい人のために」という名目で参考文献が記載されてはいるのだが。
いずれにせよ、ハードカバーで格調高いタイトルと結構いい値がするのにもかかわらず、それに見合った内容ではないと思われる。
これならば、ちくま新書の○○の名著シリーズの方が読み応えがある。
例えば、
経済学の名著30 (ちくま新書) 、松原隆一郎
経済学者の栄光と敗北 ケインズからクルーグマンまで14人の物語 (朝日新書)、東谷暁 -
基本的にブックガイドなので、ここで紹介されている著作に興味を持ったら即個別の著作やより詳しい解説本に当たるのが筋。
自分にとって意外だったのは、社会の発展形態の理想像を説明する際、進化論その他の生物学的なタームを織り込む思想家なり学者なりが多いということ。経済学と生物学って似てるのかも。 -
経済思想や経済学理論等の入門としてはかなり分かりやすく、それぞれの古典に興味を持ちやすい内容。
福沢諭吉、トクヴィル、ミル、ベッカーに魅かれた。 -
政治経済学部出身だが、福沢諭吉やアダムスミスなど、古典中の古典は、題名はしていても読んだことがなかったが、古今東西の名書についてあらすじや当時の時代背景等を含め、わかりやすく解説したもの。
いきなり原本を読むより、わかりやすく書かれているので、概略を学ぶ上では良い本だと思す。 -
名著を文明論、思想、経済理論、経営学の視点から現代の課題も踏まえてやさしく解説してくれてます。
ぼくにとって最高のガイドブックです。 -
古今東西の俗に名著と言われる様々な経済学の本を、現代の学者達が寄ってたかってそれらの「さわり」を解説する、非常に便利なつまみ食い本。門外漢な自分にとっては手軽に多くの巨人達の主張を知ることができる良書だった。
紹介本という性質上1冊の中に多種多様な主張が詰め込まれていて、たまにEvernoteへメモしながらじゃないとこんがらがってしまうのが情けなかったw主張は様々だけど、共通して重要視されていたのはリアルでの主体である人間をどう学問の中へ落とし込むか、ということだと思う。
その辺を考慮すると、自分が学生時代に習っていた生物化学や遺伝学なんか以上に経済学というのは本質的には血の通った学問なのかもしれない、と門外漢は思うのであった。これで明日からは僕も「自分、ニューケインジアンなんで(キリッ」とか言えるな! -
名著の解説本。ガルブレイスの『ゆたかな社会』読みたくなった。働いて何年か経ったとき再読しようと思う。