市場は間違える、だからチャンスがある: 渾沌を生き抜く投資論

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532353865

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  • ブーム&バストの流れ
    1 トレンドが認識されていない初期の段階
    2 トレンドが認識され、広く行き渡っているバイアスによって補強される加速期間。価格は均衡水準からかけ離れたところまで上昇する
    3一時的に価格が下落する試練の期間
    4バイアスとトレンドの関係が維持された場合、お互いに強化する期間。均衡価格からかけ離れた価格が確立
    5現実が誇大化された期待を維持できなくなる決定的瞬間。正念場。
    6人々はゲームを続けるが、自分たちのやっていることの危うさに気づき始める黄昏(たそがれ)の期間。
    7トレンドが一気に下向きとなり、バイアスが逆転する転換点へ到達する時点
    8暴落。トレンドとバイアスが逆方向へ向かって破局的に加速する期間

    ベンジャミン・グレアム
    投資とは、徹底した分析を行ったうえで、元本の安全性と満足できるリターンを約束するものであり、これらの条件を満たさないものは投機である。

    投資の2つのルール
    1 損をするな 2 第一のルールを忘れるな

    フィッシャー
    素晴らしい経営者のもとで伸び続ける企業の利益は、マーケットの幅を読んだ利益よりも遥かに大きい。

    バフェット
    株式市場をミスター・マーケットとよび、ミスター・マーケットが悲観的なときに買い、楽観的なときに売る。
    バフェットはフィッシャー15%:グレアム85%

    ・アクティブ運用のフリーライターともよばれるパッシブ運用が増加している今日こそ、アクティブ運用の旨味が拡大しているともいえる。

    ・資本主義における利潤の源泉は「差異」にある。
    by 岩井克人

    企業成長に必要な3つの柱
    ・経営力 ・ビジネスモデル ・成長力

  • 著者は、スパークス創業者の阿部氏である。
    決して完璧と言える経歴を持たない氏が、アメリカで企業し、紆余曲折を得て
    スパークスを立ち上げ、現在の企業まで成長させた事に対して、個人的には尊敬に
    値すると感じている。そんな氏が執筆した本は読まないわけにはいかない。

    内容は、氏の人生の過程と氏の投資哲学とその基本的モデルだ。
    彼の変化は主に、ソロスとの出会いから始まる。ソロスと出会い、鍛えられ、
    投資を学んだ。それは再帰理論である。それを元に独自に情報を付加し、
    彼のモデルを作った。というのが大まかな流れ。

    まぁ、客観的に評価すると半分はスパークスの宣伝だ。(笑)
    けど、それなりに彼の主張を整理してみると、

    1.市場はファンダメンタルから大きく乖離する場合が往々にしてある。
    それは、投資の長グレアム、フィッシャー、バフェットそしてソロスも認める事実だ。
    2.アクティブ運用はなくならない。パッシブはただ乗りに過ぎない。
    3.今後はデフレ傾向からインフレ傾向になる。

    以上の3点くらいか。まぁ付け加えるなら、
    メガトレンドとして中国を含むアジア成長とエネルギー需かな。

    これらの考えは、投資家の中でも投資のプロには多いな助言となり得るが、
    個人投資家には無理な理論である。それは情報量とその分析量が絶対的に足りないってのが
    大きなポイントだ。

    簡単に言えば、彼の主張は”さやぬき”である。それは一つの方法として明らかに正しい。
    が、上記4投資賢人が認めるように、ファンダメンタルに再帰するのも正しい。

    要は、投資哲学をどのように設定し、その上でどのような戦略を決めるのか。
    それだけの話である。戦略はどれが間違いでも、どれが正しいとも言えない。
    どの戦略にするのか。そして戦略を決めたら徹底的に守る。それだけだ。

    しかし、久しぶりの投資系の本はやはり面白いし、氏の人生の一部を知れた事は
    かなり自分の人生を省みる良い刺激になったと思う。

    お薦め出来る。

    以上

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著者プロフィール

スパークス・グループ株式会社代表取締役社長。1954年札幌生まれ。78年上智大学経済学部卒業。80年に米ボストンのバブソンカレッジでMBA取得。帰国後、81年に野村総合研究所の企業調査アナリストとしてキャリアをスタート。82年ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル(ニューヨーク)に出向し、米国機関投資家向けの日本株のセールス業務に従事。85年、ニューヨークでアベ・キャピタル・リサーチを設立。日本株分析のレポートが世界的投資家ジョージ・ソロスの心を動かし、1億ドルの運用を任される。89年に帰国後、スパークス投資顧問を設立、2001年に上場。05年ハーバード大学ビジネススクールでAMP取得。著書に『株しかない』(幻冬舎)、『市場は間違える、だからチャンスがある』(日本経済新聞出版社)など。

「2017年 『株式投資の王道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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