イエレンのFRB: 世界同時緩和の次を読む

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532355876

作品紹介・あらすじ

緩和継続と雇用最大化を貫く真意は?景気と副作用の舵取りは可能か?グローバルマネーの実相を知る必読書。

感想・レビュー・書評

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  • ・さすがのグリーンスパンもイエレンのしつこさに負けて、「インフレ率が適切に計測されるのであれば、ゼロだと思う」と告白した。
    物価が上がりもしなければ下がりもしない状況。それが最適な状態とグリーンスパンは考えていたのである。これはインフレとの戦いを最重視していた1970年代以降のセントラル・バンカーに多い考え方だ。だからプラスのインフレ目標設定にも慎重なのだ。
    だが、経済学者の間では、インフレ目標はインフレ抑制だけでなくデフレ阻止のためにも有効で、統計上のインフレ率が物価の実勢よりも高めに出る傾向があることを考慮すると、その適正水準はゼロではなく、2%程度の緩やかなプラスという見方が多かった。

    ・FOMC(連邦公開市場委員会)の「お笑い指数(Laughter Index)」というのがある。FRBはFOMCの議事録を5年後に公開しているが、その中には討議中に起こる笑い(Laughter)も記録されている。この笑いの回数を米調査会社ビアンコ・リサーチが集計したところ、議長がグリーンスパンからバーナンキに交代した2006年以降に笑いの数が急増、サブプライム危機が表面化する直前の07年6月27~28日に笑いの数は81回とピークに達した。独裁者グリーンスパンから解放されて、和やかになったバーナンキ体制の初期。だがその時に、住宅・信用バブルは膨らみ続けていたのだ。

  • FRB新議長の横顔と金融政策の新潮流が学べます

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/detail?rgtn=082792

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著者プロフィール

日本経済新聞社論説委員長
1985年 早稲田大学政治経済学部卒、同年日本経済新聞社入社。経済企画庁、日銀、大蔵省などを担当し、マクロ経済・金融・財政を取材。87-91年 ニューヨーク米州総局、98-01年 ワシントン支局駐在。経済部デスク、経済部編集委員兼論説委員、欧州総局編集委員、ワシントン支局長、Nikkei Asian Review編集長、上級論説委員などを経て、現職。

「2021年 『シン・日本経済入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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