ドキュメント狙われた株式市場: 大証・東証・村上ファンドM&A戦記

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532357207

作品紹介・あらすじ

相次ぐ不祥事、村上ファンドの攻勢、店頭市場統合、そして東証との合併--。金融ビッグバンにより市場間競争の時代の到来が叫ばれたが、まさか日本でも取引所の買収合戦が繰り広げられるとは! 本書は、日銀から大阪証券取引所に常務理事として入り、社長となった米田道生氏を中心に、証券取引所同士の激しいM&A合戦という前代未聞の闘いを活写する経済読み物。
巽悟朗(光世証券社長、大証社長)、村上世彰(村上ファンド代表)、斉藤惇(東証社長)ら一癖も二癖もある攻防戦の主要人物の言動を紹介しながら、日本の証券市場が抱える構造問題も浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪証券取引所(現JPX)の主に米田社長時代の15年史。かつての取引所といえば公的かつ安定の印象があったが、2000年前後を境に新設市場の創出と頓挫、買収攻防戦、株式上場そして合併統廃合と激動の時代に突入した。官からの天下りと民からの横滑り人材で運営していた機関にとっては非常に難しい舵取りだったことが本書から読み取れる。

    激動の経済史を切り取ったという点では読み応えがあるのだが気になった点が2点。1点目は手紙や新聞、ペーパーからの大量引用が目立つ点。流れをぶった切って当事者の主張そのままなので多少の内容咀嚼や論点整理して掲載して欲しかった。2点目には大証が正のように書かれているが、関連会社問題やキャパオーバーの取引遅滞、ヘラクレス市場での相次ぐ不正と撤退など、企業としてはやや怠慢を感じさせる。デリバティブ市場の先鞭は素晴らしい判断だと思うが東証との統合交渉をみると大証の体質も難ありと感じてしまう。著者の論調が提灯チックだが批判的視点も必要だったのではと思う。

  • タイトルから、村上ファンド、外資系ファンドなどが株式市場の未整備や企業のガバナンス不足を突く話かと思いきや、少し当てが外れた。
    大証の株式会社化・上場、村上ファンドとの攻防、東証との合併をテーマに、日銀から大証へ移った米田氏の(僭越な言い方ながら)経営者としての成長を描いたもの。
    現代の取引所の在り方など学べる部分も多かったが、新聞程度の記載に留まった部分もあり、事前の期待が大きかっただけに物足りなさも残った。

  • 株式市場とは株の売買がメインになり、参加者は一般の個人投資家から機関投資家まで、それこそ様々な人が入り交じる市場はご存知の通り。その市場を運営する取引所を軸として書かれている一冊。一般人には程遠い、その裏の内容は、読む毎にハラハラさせてくれます。大役を仰せつかる人の苦悩と決断。読む毎にそんな時間をさせてくれる内容。

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著者プロフィール

前田 裕之 (マエダ ヒロユキ) 学習院大学客員研究員、川村学園女子大学非常勤講師

「2023年 『データにのまれる経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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