図解でわかる多変量解析: データの山から本質を見抜く科学的分析ツール
- 日本実業出版社 (2001年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534031853
作品紹介・あらすじ
数ある統計解析手法のなかで最もパワフルな多変量解析のしくみを図表を使ってわかりやすく紹介。面倒な計算を代行してくれる表計算ソフトの使用方法も表示画面を使って親切に解説。
感想・レビュー・書評
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多変量解析の入門として使えるよい本。エクセルやRのコマンドを紹介するのではなく、その数学的内容について平易に書かれている。扱われているのは重回帰分析、主成分分析、因子分析、正準相関分析、判別分析。これらがどういう発想の数学に拠っているのかが、高校数学で分かる範囲で書かれている。だいたい2、3変数を例にして書かれており、ベクトルや行列が出てくるのは補助的。
数学的アイデアを平易に解説している本なので、ある程度の数学センスは必要だろう。「図解でわかる」というフレーズが題名についているが、図は大した役割を果たしていない。ざっとであれ数式を追っていかないと理解にはならない。共分散と相関係数が至る所で登場しており、分散という概念がいかに重要な役割を果たしているかが分かる。とても面白い。
主成分分析がデータ間の分散を最大化して分離するというアイデアであること(p.77)や、正準相関分析が重回帰分析の目的変量を複数にした分析法で、相関係数の最大化に主成分分析のアイデアが見られる(p.168f)といったところが見通しがよい。また、因子分析と主成分分析は方法が違っても数学的アプローチやゴールは同じ(p.155-158)であるところは、端的に指摘した本を読んでいなかったので霧が晴れた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名著。わかりやすい。