覚醒する大円高

著者 :
  • 日本実業出版社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534053619

感想・レビュー・書評

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  • 大胆な予想。これから楽しみ

  • 栄四、かく語りき、相場は、波動である。よって相場は、自ら動きたいほうへ動く。相場は記号、波が満ちたり、引いたりするように、相場は満ち引きする。それにうまく乗って、うまく降りるのが、唯一の方法。これは、実感でしょうね。 そして、恐怖、欲望、傲岸、謙虚、ありとあらゆるものが湧いてくる世界。ある程度、悪い奴でなければ、生き残れない世界。結局、もうすでに決まっているもの、いかにして発見するのか、に懸かっているいるという。何やら、物理学の授業であります。

  • 若林氏の相変わらず面白くてすごいところは、株が今後∴(いつか、そのうち…)いくらになるでしょう、ではなく、経済本の多くが書けない「いついくらになるか」を計測してみせる事。ファンダメンタルズに重きをおくエコノミストの予想が半々どころか尽く外れてる様を見れば、あながち彼の分析を異端視することもできまい。我国では、利上げに踏み切った米国を好調だとの報道が多いが、イエレン女史と取り巻く環境は、やはり福井総裁の時と同じ轍を踏んでいるように見えてならない自分は、米在住の若林氏の推測に理解を示すものです。

  • 著者の予想が当たるかどうかは別として、
    そのポリシーはとても好感が持てる。

    すなわち、予想である以上、たとえば日経平均であれば、
    「●●年××月に◇◇円になる」
    と値段だけではなく、時期もセットしなければ、
    予想とは云えない、というものだ。

    それは当たり前と云えば、当たり前だけれども、
    ウェブに溢れる予想と云われるものを読むに、
    意外とそうはなっていないものが散見される。

    あと、運命論というか、相場に神がいるというか、
    こういった類の思考方法が個人的には好き。
    人によってはオカルトめいたように思うかもしれないが。

  • 待ってました!という感じの若林氏の最新作(2016.3.12現在)です。社会人数年目の頃に半信半疑で読んだ若林氏の本に書いてある内容(円高になる時期やレベル)が当たっていたので、それ以降、彼の本が出るたびに愛読しています。

    彼は為替や株の将来動向を解説しますが、そのベースになっているのが、経済・社会動向に焦点をあてるのではなく、それらのチャートが持つエネルギー(波動)を解析している点が独自です。彼の本の中には「日柄」や「黄金比」という言葉がよく登場しますが、人間の思いや行動の結果が為替等のチャートに反映されるという考え方は大変興味があります。

    また、多くの本では、円高になると言っても、その時期やそのレベルを明言することを極力避けますが、若林氏はずばり断言しています。円ドル為替レートでは、2022年に65円という今までの記録を塗り替えるようです。また日本株も、好調に上がっていくようです。

    こつこつと積立貯金するのも良いですが、他のことにも興味のある私は、若林氏がこの本で書かれている内容は多いに興味を持ちました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本はすでにデフレを脱却している経済であるため、この株式相場の下げの日柄が終わる2016年末には底を見て、再び日経平均が上昇に転じる。株式相場の大底は2008年10月(まえがきp3)

    ・すでに世界はゼロ金利なので、金利は役目を終えて、為替相場がもっぱら景気の安全弁として使われる時代である。金利の世界で景気が調節できたインフレ時代とは別のデフレ時代の発想が必要だろう(まえがきp5)

    ・ドルは2015年6月5日につっけた125円86銭が天井であり、それ以上円安には進まないだろう。ここから円高トレンドになり、2017年に100円割れとなるのは確実、2022年には65円となる(p16)

    ・相場は、自ら動きたいから動いている。10年、20年といった周期で発生する大きな波動のことを指す。「40年半」が極めて重要な日柄である(p25)

    ・FRBの利上げ判断が愚かな政策だったかといえば、米国はいまデフレの真っ最中であるから。そのデフレの終わりは2022年。1941年から金利上昇40年半のうち最初の27年が緩やか、残りの13年で物価や金利上昇が加速する(p27)

    ・アメリカのデフレの起点は1982年、そこから27年目ば2008年(リーマンショック)、そこからディスインフレの加速局面とすると、2022年まで続く(p28)

    ・相場の転換点となる日柄を考える場合、62日、62週、62か月、162日、162週、とその半分の日柄がカギを握る(p37)

    ・1995年4月(1ドル79円)というのは、1968年3月に採用された金の二重価格制からの27年目に当たる、さらに27年目は2022年となる(p46、47)

    ・太陰暦で月足のチャートを描くといろいろ不具合が生じる。1か月の日数を28日で区切る必要がある。週足・日足は自然界のサイクルに合致している(p51)

    ・以前はファンダメンタルズを見ておけば為替相場を予測できたが、1980年に行われた外為管理法の原則自由化で状況変わった。経常取引以外に資本取引が認められた。貿易収支黒字により円高になりそうだが、資本取引により円が売られたので相場は動かなくなった(p55、56)

    ・2015年6月(125円の円安)は、1998年8月(147円)からの16年10か月。27を10倍して16で割ると、16年と10か月となる。1995年4月からの20年3か月は81四半期で、重要数字40年半のちょうど半分(p88)

    ・2016年半ばまでは大きく下落しないだろう、せいぜい110円程度。後半になると、2016年8月(1971年ニクソンショックから45年目=540か月、ドル75円という大底をつけた2011年10月から19四半期)という重要な日柄がくる(p93)

    ・2017年第三四半期までは、ユーロ安・円高だが、それ以降はユーロ高が始まるドル全面安の前夜となる、1971年8月から続いてきた大円高が2022年で終わることになる(p95)

    ・ユーロの問題は、2017年第3四半期に向けてのユーロ安の後に、ユーロ高となった場合、弱い国(ギリシア、ポルトガル、イタリア等)が生き残れない、離脱せざるを得なくなる(p107)

    ・日経平均が史上最高値をつけたのは、明治維新から81年目の1949年5月に東証再開されてから40年半後にあたる、1989年12月であった(p119)
    ・1989年12月から27年目の2016年12月に向けて、1万4000円を目指して下落するだろう(p124)

    ・ユニコーンとは、IT系ベンチャー企業を中心として、評価額が10億ドル以上あり、かつ非上場のプライベートカンパニーと定義される。米国には2015年8月時点で132社もある。タクシー配車のウーバー、空室賃貸のエアビーアンドビー、莫大な資金調達をしながら、かつ株主に口を出されずに済む方法(p151)

    ・日本株は、2017年から2030年にかけて大きく上昇する。1989年の最高値、3万8957円も超えるだろう(p157)

    ・中国の金融市場が世界の実体経済に大きな影響を及ぼすことは基本的にはあり得ない、中国市場には外国人投資家の自由参加が認められていないので。(p168)

    ・原油は、2008年7月につけた1バレル146ドルから、2017年3Qに、20ドルまで下がることが見える。これはユーロ高に転じる、ドルが下がり始める日柄と一致する(p174)

    ・金はインフレに強いのではなく、デフレに強い。資産デフレが起きているときは、金は実物資産として効果を発揮する。2022年にかけてデフレが進み、株価が大きく下げる中で金の出番となる(p178)

    ・金価格のボトムは2016年6月となる、そこから先は暴騰するだろう(p184)

    2016年3月12日作成

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