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- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535553002
作品紹介・あらすじ
「学力低下」や「ゆとり教育」に揺れる日本の教育-本書は、教育のもつ意味や日本の現状を経済学の基本的なツールを使って分析する。教育問題のこれまで見えなかった面に光を当て、改革の方向を示す基本文献。
感想・レビュー・書評
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非常に示唆に富んだ一冊で、大変有益な本だった。
和書で教育経済学の本は限られており、その大半が人的資本論とシグナリング理論をざっくりと説明した物である。しかし本書は、人的資本論とシグナリング理論を定式化し、より具体的に説明しただけではなく、それ以外の教育経済学の研究の範疇を網羅するような解説がそれぞれ詳しく書かれていた。10年前の本にも関わらず、その価値は色あせるどころか、本日の日本の教育問題にも十分応用可能な内容ばかりである。また、本書を読む事によって、教育経済学の様々な研究トピックにおいてベンチマークとなっている論文が分かるのもメリットである。
著者の小塩氏のテキストは、基本的に理論ベースである。そのため、実証面での記述がやや希薄になっている感じもある。教育経済学は、労働経済学と同様、実証面(特に計量分析手法とその結果について)が非常に重要となってくるため、読者はそこを補うために、引用されている論文を読むなりすることが求められる。それ以外にも、further readingとしては、(やはり洋書になるが)Handbook of economics of educationが実証面に関してかなり詳し記述されており、読む価値のある本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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