- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535553491
感想・レビュー・書評
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バブル以降続く日本の不景気の真の原因(といっても、単に日銀が政策を失敗し続けているだけなのだが。。)とその対策について、理論的に支える本。この本に書いてある内容を理解した後では、今の不景気の原因が、日銀の政策失敗であるということを覆すのは難しいだろう。日銀の法学部でのエリートたちはこれを読んで少し勉強し直したほうが良いのではないだろうか?
もしくは、日銀の次世代のエリートが自分の上を追い落とす理論的背景として使うというのも手かも?(要は失敗したのだから、いったん退けと。。)
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上念氏の目を開かせた本。
トンデモ本を見分けたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デフレ不況の原因の解説の的確性がある。竹中平蔵の政策的活動を認めながら、サプライサイド経済学の正当性を認めながら、その適応の誤謬を説得力をもって的確に指摘している、その点が、政治主義的な「批判」と一線を画しており、格調の高さを維持してもいる、とも思う。国際競争力の低下、日米経済摩擦というマクロ経済学とは、全く異なった謬見の丁寧な指摘は、国際経済学を専門とする野口の独壇場ともなっている。ひとつの例を示すと、経常収支は、投資と貯蓄のバランスと全く一致し、米国の経常赤字は、景気気がいいから起こる事象であり、逆に日本の経常収支が黒字なのは、投資が貯蓄に比べて異常に少ないから不景気になることを表している。巷にあふれる、日本破綻を扇情する「トンでも経済本」とは遠くへだった経済学本である。為替の安定、資本の移動の自由、金融政策の自由のトリレンマから、90年代のアジア通貨危機の起こり方、そしてその終息は、通貨危機国の変動相場制への移行に依存したその説明は、ゾクゾクとする読書体験さえ持たせてくれるだろう。ある程度マクロ経済と国際経済の知識があるものにとって、得心のいく展開があって、面白い読み物である。ということで、☆4つです。