- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535584273
作品紹介・あらすじ
長い教員生活に別れを告げ、人生の大きな岐路に立つ"夜回り先生"、いま熱き想いのすべてをあなたに語る、「子どもたちの深い哀しみを知ってください、優しさと愛をもって側にいてあげてください」。
感想・レビュー・書評
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著者、水谷修さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
水谷 修(みずたに おさむ、1956年(昭和31年)5月8日 - )は、日本の教育者、元高等学校教諭であり、児童福祉運動家、ならびに教育評論家。水谷青少年問題研究所所長、花園大学社会福祉学部臨床心理学科客員教授。
神奈川県横浜市出身。幼少期を山形県南陽市で過ごす。神奈川県立横浜翠嵐高等学校、上智大学文学部哲学科卒業
高校教諭時代に夜の繁華街をパトロールする活動を始め、繁華街をさまよう少年少女たちと向き合い「夜回り先生」と呼ばれる。
なかなかの方です。
今回手にした、『夜回り先生の卒業証書』の内容は、次のとおり。(コピペです)
長い教員生活に別れを告げ、人生の大きな岐路に立つ"夜回り先生"、いま熱き想いのすべてをあなたに語る、「子どもたちの深い哀しみを知ってください、優しさと愛をもって側にいてあげてください」。
で、27ページまで読んで、終了としました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夜の世界、そして家に閉じこもって苦しむ子供たちに寄りそう著者。その姿にイエス・キリストを見る思いがした。子供を愛するがあまりに大人(の構築した世界)に対して厳しい目を向けるが、イエスも貧しい者や小さな者に「肩入れ」をしていた。
著者はカトリックの背景があるとのこと。カトリックには、理屈を振りかざすことなく、素朴にイエスの香りを放つ人たちがいる。現代の「聖人」と言えるだろうか。 -
夜回り先生こと水谷修先生の本です。
自ら癌を患いながらも、年間300本以上の講演を行い、その合間にメールや電話で子どもたちから相談を受け続ける水谷先生。
暴力を否定して子どもたちに無償の愛を与え続ける水谷先生はまさにキリスト教ヒューマニズムを受け継ぐ人だと思う。尊敬する。
高校で講演が聞けたことは本当に貴重な経験だったと改めて思います。 -
水谷氏が教員生活を辞めるまでに、毎日新聞社のWEBサイトに連載していた「夜回り日記」をまとめたものと、講演を収録したもの。
講演では、薬物の専門家として、また、明日の日本の教育を考える学者的な幅広い専門知識と、広い視点を持たれているということがひしひしと分かりました。
18歳未満の男女が性的な関係を持つことは犯罪、って知っていましたか?
薬は医師の言われたとおりに摂取しなければ、自殺行為に等しいことであること、他人に渡せば、薬事法違反であること、知っていましたか?
現在では、水谷氏は神奈川県で青少年問題研究所を持っているが、先日先生の大学の同期の教授から、水谷氏は学生時代から「実際に行動の人」であったということを聞いて、それは、現在に至るまで氏を貫いてきた姿勢であるということを強く感じました。
「ただし、嫌われる人には嫌われるだろうタイプの人だったかもしれないね。」
常に子供の側に立ってきた水谷氏は、横浜市から嫌われ講演を禁止されたそうです。 -
367.6
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水谷先生の本を読むと毎回自分の在り方を考えさせられる。
教育者として今から何を学ぶべきで、そして教育者になるまで
にどのようなことを経験して、それを子どもたちに共有するのかを。
教育者は生徒に教えるっていう上下関係の概念にすごく疑問を持っていたんだけど、この本を読んでやはりそうある必要はないのかなと。
どんな人であれ、例えそれが自分よりも年齢が下の人だとしても
その人から学ぶべきことはたくさんある。
その「いいね!」アンテナを張り巡らして今から尚更それをフル活用して人のいいとこ見つけてこっ。 -
「夜回り先生」に引き続き、昼の世界と夜の世界の話は心にざわめきを呼びました。
あと「自分病」って言葉。若者だけではく中年の私にもあてはまる気がします。
答えのでないことを悩むより、明日できることがあるのでは、周りに優しさをふりまく、他の人の役にたつことを考える。。。まさしくそうだと思いました。 -
日記をまとめた本のようで、教員を辞める直前の筆者の心情や活動について書かれている。
今の日本社会を「攻撃型社会」と呼び、そのあり方に疑問を呈しているが
筆者自身が子どもの立場に立ちすぎている感じも否めず、矛盾を感じる。
大人への怒りが活動の原動力であるかのような表現が随所に見られるため
まるで筆者が子どもに代わって悪い大人に復讐しているかのように見えてしまう。
わたしからすると、そういう大人たちも「腐らされたかつての子どもたち」に見えるから
救われないまま大人になってしまったというだけで、それは自己責任だと
「今の子どもたち」のためにその人の「悪」を押しつけられているように思えて、かなしい。
ここでは、いわゆる非行に走る「夜の街の子どもたち」と
ひとり自傷行為などをくり返す「夜眠れない子どもたち」が取り上げられているが
筆者の専門が薬物依存ということもあってか、前者に比重が置かれている。
筆者の子どもの置かれる過酷な状況の悲惨さや、環境を選べない子どもの悲しみ、
その社会のあり方にはわたしたち全員が責任を負っているという考え方は
忘れてはならない視点だと思うが、もう少し感情的でない文章でないと
本書の対象である「大人」の反発を招くだけではないかとも思った。