遺伝子社会学の試み 社会学的生物学嫌い(バイオフォビア)を超えて

制作 : 桜井芳生  赤川 学  尾上正人 
  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535587564

作品紹介・あらすじ

個人の遺伝子属性と社会的行動との関連を分析。日本の社会学がバイオフォビアを克服する上でのマイルストーンとなる画期的業績。

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  • 桜井芳生 赤川学 尾上正人
    出版社:日本評論社
    発刊年月 2021.03
    ISBN 978-4-535-58756-4
    判型 A5判
    ページ数 264ページ
    Cコード C3030
    ジャンル 社会学

     個人の遺伝子属性と社会的行動との関連を分析。日本の社会学がバイオフォビアを克服する上でのマイルストーンとなる画期的業績。
    https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8520.html

    【目次】
    まえがき――バイオフォビア・ボーナスを求めて

    ●第一部 遺伝子社会学の試み
    1 ツイッター遺伝子の発見?――SNP(遺伝子一塩基多型)rs53576解析による遺伝子社会学の試み……桜井芳生・西谷 篤・赤川 学・尾上正人・安宅弘司・丸田直子
    目的 
    方法 
    結果
    議論
    展望

    2 現代若者「生きにくさ」に対する、セロトニントランスポーター遺伝子多型5-HTTLPRの効果……桜井芳生・西谷 篤・尾上正人
    はじめに
    方法と対象
    結果
    議論

    3 (補論)セロトニントランスポーター遺伝子多型におけるヘテロ二本鎖解析の検討 ……西谷 篤・桜井芳生
    目的
    方法
    結果
    考察

    4 日本若年層の「スマホゲーム」頻度に対する、遺伝子一塩基多型(SNP)rs4680の看過しがたい効果……桜井芳生・西谷 篤・尾上正人・赤川 学
    はじめに 
    方法と対象
    結果
    議論

    ●第二部 社会学的生物学嫌バイオフォビアいを超えて

    5 「社会学の危機」から、「バイオダーウィニスト」の「理解」社会学へ……桜井芳生
    はじめに:社会学の危機?
    コスミデスとトゥービーによる、「標準的社会科学モデル」批判
    現代バイオダーウィニズム援用による、理解社会学の再位置づけ
    (理解)社会学への懐疑
    セオリーオブセオリーとセオリーオブマインド
    理解社会学「も」。しかし、バイオフォビア「ではなく」
    同時同一対象二種認知の困難性:仮説
    社会学的バイオフォビアからの自覚的脱却

    6 高田少子化論の進化論的基盤 ……赤川 学
    はじめに
    高田保馬の少子化論
    高田少子化論の進化論的意味
    格差婚における進化時間と歴史・文化時間
    おわりに

    7 育ち(Nurture)の社会生物学に向けて――共進化とエピジェネティクスから見た社会構築主義……尾上正人
    はじめに:「生まれ」から「育ち」へ
    社会生物学から共進化説へ
    エピジェネティクスの問題系
    社会構築主義をどう評価すべきか
    おわりに:「育ち」の社会生物学に向けて

    8 進化社会学的想像力――3つの進化社会学ハンドブックの検討と進化社会学的総合……三原武司
    はじめに
    進化社会学のハンドブックとその概要
    進化社会学における論点
    進化社会学的想像力

    9 「女性特有の病気だから」という理由で沈黙せざるを得ない父親たち――ターナー症候群の娘を持つ父親たちの「生きづらさ」とは何か……高口僚太朗
    問題設定及び目的と方法
    ターナー症候群とは
    Aさんの事例
    Bさんの事例
    Cさんの事例
    聞き取りの結果と分析
    結語

    10 バイオダーウィニズムによる〈文化〉理論――なんの腹の足しにもならないのに、、、……桜井芳生
    イントロダクション
    〈文化〉の定義
    イメージメーキングのための、ケーススタディ(計量研究)

    第一・第二成分の検算的解釈と第三成分の解釈修正。
    「方面」とそれへの「3つの対処」
    3つめの手
    枠組み・理論の構図
    一戦線モデルと全戦線モデル
    〈文化的〉満足とは?
    マイナー定義による〈文化〉
    バイオダーウィニズムにおけるミスマッチ論
    現代社会学における「理論」とは
    この理論は、ユニークである

    11 「待ち時間」としてのヒトの長い長い子ども期――社会化説、アリエス、そして生活史不変則へ……尾上正人
    はじめに:「何のために?」という問いの危険性
    社会化説
    アリエス説:子ども期の意味の歴史的相対化
    チャーノフの生活史不変則
    長い長い子ども期の帰結
    おわりに:子どもは育てるよりもまず、育つもの

    12 ある種の両性生殖生物のオス(たとえばヒトの男)は、なぜ母子を扶養するのか――岸田秀を超えて……桜井芳生
    要約
    扶養するオス
    岸田秀のセックス=扶養対価サービス説
    わたしの答案
    タダ乗りの余地
    メスの利害状況はオスとはまったく異なる
    「タカ-ハト」ゲーム的、「野武士とお百姓さん」ゲーム的 
    岸田説再考
    諸帰結
    本稿、第二の結論

    13 高緯度化と農耕を通じた女の隷属――性分業・家父長制への新たな視座……尾上正人
    はじめに:元始、女性は太陽ではなかったとしても…
    母権制・「家母長制」は存在しなかった
    メス独自の階層形成と権力:霊長類学の知見から
    本源的な性分業とその解体
    おわりに:自然主義の誤謬と道徳主義の誤謬

    14 若者の若者文化離れ仮説への、ホルモン時系列推移の状況証拠……桜井芳生
    要約
    サトシ・カナザワの「年齢とともに生産性が低下する理由:犯罪と天才のつながり」
    若年男性の犯罪(率)も、男性の文化的創造性も、
    そのかなりの部分が「性的淘汰への適応物」か
    わたし(ヒトのオス)もあなた(ヒトのオス)も、ムシキング! 仮説
    ○○ッターは、バカッター?!
    「コロナ・チャレンジ」も同断?
    若者の、若者文化離れ・仮説=その1、事実仮説
    若者の、若者文化離れ・仮説:説明仮説その1=環境ホルモン説再考
    若者の、若者文化離れ・仮説:説明仮説その2=恋愛や結婚、コスパ悪すぎる、仮説

    若者の若者文化離れ仮説への、ホルモン時系列推移の状況証拠


    あとがき――われわれはなぜ「実験」にこだわったのか?

  • なかなか内容が難しいが、それでも生物学を教える教師は一度は読んでおいて損はない。

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著者プロフィール

鹿児島大学大学院人文社会科学研究科教授

「2021年 『遺伝子社会学の試み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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