小数と対数の発見

著者 :
  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535798137

作品紹介・あらすじ

15世紀後半からの《天文学の革新》は同時に《数学の転換》の時代でもあった。その壮大な歴史ドラマをいきいきと描き出す労作。

感想・レビュー・書評

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  • [目次]

    序章 物語の背景——物理学の誕生

    第1章 60進小数をめぐって
     1.算術の始まり
     2.天文学と60進小数
     3.60進小数のアルゴリズム
     4.10進小数への接近

    第2章 10進法と10進小数
     1.10進法と10進位取り表記
     2.度量衡と10進法
     3.商業数学の発展
     4.イスラム社会での発展
     5.小数概念への接近
     6.ステヴィンの『十分の一法』

    第3章 数概念の転換
     1.1の数的身分をめぐって
     2.離散的数と連続的量の分離
     3.数の連続体への展望
     4.方程式論をめぐって
     5.10進小数提唱の意義

    第4章 クラヴィウスとネイピア
     1.小数点の導入
     2.ネイピアのロッド
     3.積和と積差の公式
     4.秘伝としての加減法
     5.スッコトランドへの伝播

    第5章 ネイピアによる対数の提唱
     1.対数についてのネイピアの著書
     2.『記述』におけるネイピア対数の定義
     3.ネイピア対数のふるまい
     4.ネイピア対数についてのいくつかの命題
     5.ネイピア対数表とその使用法
     6.ネイピア対数の有用な使用法

    第6章 ネイピアによる対数表の構成
     1.連続関数としての対数認識
     2.逆対数表の構成
     3.対数計算のための不等式
     4.精密な対数表の形成

    第7章 ケプラーと対数
     1.ケプラーと対数の出会い
     2.ケプラー対数の定義
     3.ケプラーの対数表
     4.対数による計算の例
     5.ケプラーの功績

    第8章 先行者そしてヨースト・ビュルギ
     1.アルキメデスからオレームへ
     2.ニコラ・シュケー
     3.シュティーフェル
     4.ステヴィンの利子表
     5.ヨースト・ビュルギ
     6.ビュルギの対数表とその使用法

    第9章 常用対数の誕生
     1.ヘンリー・ブリッグス
     2.ネイピア自身による改良の試み
     3.ブリッグスの対数理論
     4.ブリッグスによる対数計算の基本
     5.ブリッグスによる素数の対数計算

    文献
    あとがき
    索引

  • ・発見なのか発明なのか。
    磁力と重力の発見、一六世紀文化革命、世界の見方の転換 三部作

  • 磁力と重力の発見、16世紀文化革命、世界の見方の転換に連なる本。
    数(整数比)と量(少数とか)の概念の発生と、それに伴う対数の発見と対数表についての話。
    ケプラーの発見においての対数表の影響というのは認識してませんでしたが、たしかに対数表あると大きいですね。後半部からちょいちょいと高校レベルの数学が出てきますが、そういったところは読み飛ばしても理解できると思います。

    それにしてもこれを読むと幾何学と違って解析的なものは、やはり16世紀文化革命以降にぐぐっと進んだんだな、と思わされますね。

  • 対数はネイピアが発見した。数直線上が等比で伸びる。
    ネイピアの対数表、ケプラーの対数表があった。
    ステヴィンの利子表が低10の対数のもと。これがブリックスの常用対数理論につながる。
    オイラーが指数関数の逆関数として定義した。

  • (図書館員のつぶやき)
    うーん、難しそうなと思っているあなたも(私も!)ガリレオやニュートンは知っていますよね。そうなんです、少数も対数も歴史なんです!15世紀後半からの天文学の革新は同時に数学の転換の時代とのことです。どうでしょう、歴史ドラマとして読めそうですよ、開いてみらんですか。

  • 請求記号 411.1/Y 31

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著者プロフィール

山本義隆(やまもと・よしたか)
1941年、大阪府生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。科学史家、駿台予備学校物理科講師。元東大闘争全学共闘会議代表。

「2022年 『演習詳解 力学 [第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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