トランプ大統領とアメリカの真実

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  • 日本文芸社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784537261530

感想・レビュー・書評

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  • なぜトランプが次の大統領か。トランプがキッシンジャーに頭を下げて会いに行ったからだ。
    ヒラリーが大統領になったら、大きな戦争を起こしそうになる危険があるとか。
    大統領選の結果はいかに・・

    2016.10.9

  • 本日(2016.7.10)は、参議院議員選挙の投票日で、それなりに大事な日だと認識していますが、それ以上に注目されるイベントとして、今年11月に行われる4年に一度の米国大統領選挙があります。

    数年前までは、オバマ氏が2期務めた後は、それまでずっと待っていた、元ヒラリー大統領夫人が大統領になるものとばかり思っていましたが、果たしてどうなるのでしょうか。

    今度の米国大統領は、いわゆる「貧乏くじ」を引くようなもので、米国経済が最悪の状態で就任しなければならないので、その次を狙う人が多かったと聞きます。その中で、共和党で正式に大統領候補にまで選ばれることになった、トランプ氏は凄いです。

    政治家ではなく、企業経営者としての経歴があり、若いときから企業経営を成功させるための苦労をずっとされてきています。最初の頃に物議を醸しだした、いわゆる「どぎつい発言」も、最近は大人しくなってきたようで、いよいよ大統領らしく振舞い始めたようですね。それらが全て計算されて行われている様で、トランプ氏の凄さを感じました。

    この本は、私がこの30年間、読みつづけてきた「副島隆彦氏」の最新本です。彼も、さんざん悩んだあげく、次期米国大統領はトランプ氏であるとの結論に至ったようです。日本としては、どちらが大統領になっても試練が続くと思いますが、以前、ノストラダムスの大予言の本を読んだ時に、いずれ「日米安保条約」が事実上無効になるときがくる、と書いてあったのを記憶していますが、それに向けて日米関係も新たな時代を迎えることになるのかもしれませんね。

    以下は気になったポイントです。

    ・トランプが逆転勝利するとは、急激に、ヒラリーの目がなくなったということ。ヒラリーの周りには戦争好きがいて、これではアメリカも世界も保たないと、アメリカの最高権力者達が判断した(p20)

    ・トランプが勝つとすれば、民主党系の高官は失職、本省の局長級、部長級までの3000人くらいが総取り替えとなる(p27)

    ・低学歴でいいじゃないか、それなりに自分の力で生きていけば、というのが、リバータリアニズムという新しい政治思想の原理である(p39)

    ・自分の選挙の費用は自分で出す、といってきたトランプも、そろそろ選挙費用が足りなくなったと正直に言いだした、2月までの8か月で、2500万ドル(30億円)の費用が公表分のみでかかっている(p57)

    ・草の根(grass routes)とは、アメリカの地方に住む保守的な白人中間層や農場主たちのことを指す(p60)

    ・2016.5.16に、メイガン・ケリーと、トランプは9か月ぶりに和解し、これでトランプは、女性達全てを味方につけた。これが、トランプの凄さである(p65)

    ・トランプ躍進の理由は、窮屈な言葉文化に対する反発である。自分達の本音を誰にも遠慮することなく言えるトランプに拍手喝采をしている(p66)

    ・アメリカの人種構成、ユダヤ教徒:800万人だが、隠れユダヤ人が2000万人いる、アジア系:1000万人、黒人:4000万人、ヒスパニック:4500万人、白人:2億人、ワスプは6000万人で激減中(p76)

    ・1980年には80%が白人であったが、現在は68%(2億人)、白人比率は、2020年以降は60%を切るとされている(p77)

    ・民主党はヒラリーが勝つ理由として、民主党は、一般代議員のほかに、特別代議員と言う制度があり、712人もいる。彼らは投票で選ばれない、初めから決まっている特権的な人々。なので、ヒラリーの対抗馬のサンダースは、トランプ陣営を話し合いもしている(p92)

    ・アメリカの財務省が、日本の警察に命令して、山口組を始めとする広域組織暴力団を壊滅させようとしている。90兆円のうち、年間5兆円くらいの現金を動かしている。金融恐慌の前に、現金取引を消してしまいたいと思っている(p148)

    ・労働者から見れば、経営者個人の人格などよりも、ちゃんと給料を払ってくれる人が重要である(p152)

    ・アメリカの国防予算は、6000億ドル(70兆円)で、年間国家予算の17%もある、トランプ氏は国防予算を削減すると主張している(p175)

    ・グアムのアンダーセン基地は、アメリカ空軍の基地、アメリカ空軍は海兵隊をものすごく嫌う。海兵隊は、被差別民軍隊だから(p183)

    ・海兵隊は、陸・海・空軍につぐ、第四番目の軍隊、だが弱小兵団で元々が敵前上陸部隊として作られた。独立で一個の戦争を戦えない。アメリカ海兵隊は、沿岸警備隊の一部に再編するか、アメリカ海軍の中に吸収してしまう、という大方針でアメリカ政府は動いている(p185)

    ・日本が負担している米軍の駐留経費は、たったの6000億円ではなく、毎年購入している、米国債:30兆円である、日本国内の大赤字が対外的な大黒字と合っている(p189)

    ・アメリカ・ファーストとは、アメリカ1番ではなく、アメリカの国内問題が優先、外国のことは二の次、ということ(p195)

    ・現在、共和党候補者である、トランプ氏を応援しているのは、1)アイソレーショニスト、2)宗教右派、3)リバータリアン(p229)

    ・中絶反対派(プロウ・ライフ)は、銃を持つ権利と共に、共和党を支える大勢力である(p230)

    ・ネオコンとは、ソビエト打倒を唱えたニューヨークの過激な左翼活動家(トロツキー主義)であったが、1980年代に共和党員になって、レーガン政権に潜り込んだ、それをロックフェラー財閥が後押しした(p240)

    ・サンダースは、ヒラリーとは違って、ネオコンには行かなかった左翼である、トロツキー主義に近いが、党派が異なる(p247)
    ・トランプは、残り4か月を戦い抜くには、新たに10億ドル(1100億円)の選挙資金がかかる、だから共和党本部に頼らざるを得ない(p255)

    ・ベトナム戦争和平協定時(1973)に、徴兵令は廃止されたことになっているが、停止しているだけ。今のアメリカには、セレクティブ・サービス、という徴兵令一歩手前の制度(徴兵検査)があり、18歳で全てのアメリカ国民男子が受けさせられる。自分の住む市に、リクルーティング・ステーションがあって、検査を受ける。1F,2Fは、身体障害として兵役免除となる。1A,2Aの場合は、学力があるとして、大学進学等で、兵役延期が認められる。B,Cを受けたものは、軍隊に行かざるを得ないシステムになっている(p265)

    ・連邦政府の負債(米国国債発行残高)は、20兆ドル(2200兆円)、毎年90兆円ずつ増えている。50州と社会保障費の赤字を合計すると、60兆ドル(6600兆円)、これ以外に隠しこんでいる借金残高が同等あり、合計120兆ドル(1京2000兆円)ある(p278)

    2016年7月10日作成

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著者プロフィール

副島隆彦(そえじま たかひこ)
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任。主著『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『決定版 属国 日本論』(PHP研究所)ほか著書多数。

「2023年 『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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