- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784537261653
作品紹介・あらすじ
「週刊漫画ゴラク」の同名連載を単行本化し大好評を博した、現代屈指のインタビュアーによる、相手からいかに面白い話を引き出すかのテクニックや、これまで接した著名人とのエピソード集第二弾。前作以上にパワーアップした爆笑&おどろきエピソード!
感想・レビュー・書評
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20170123
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続き…吉田さんのアレ…
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プロインタビュアーの吉田豪さんの書籍。
ラジオやYouTubeでのお話も聞いているので、読んでいると豪さんの声で脳内再生される…。
普段は一癖ある方々をインタビューされている方なので、聞き出す力というより、コミュニケーション術かな。
書籍の中でも書かれている、某聞く力の阿川さんとのエピソードはほのぼの(?)
世界が違う人は好きでも話があわない人…話さない人、優等生な人から、どう聞き出すのか、などはちょっと場面を想像するにヒリヒリ。
あと豪さんが、すごく読者に真摯に向き合っているのが伝わってきた。 -
相手から面白いものを引き出した時のインタビュアーはホームランをかっ飛ばすくらい気持ちの良いことでしょうね。
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プロ書評家・インタビュアー・ライターによる、インタビュー時の面白裏話
インタビューをプロレスに例えての説明や、
インタビューした人の人となりの書き方など、
著者独自の捉え方や書き方がとても楽しい -
話を聞き出すHowTo本だと思って読み始めました。しかし、どちらかと言うと作者のインタビューに対する姿勢はどうしてそのようなスタンスになったのか、ありきたりな質問よりもこうあるべきだ!という信念を覗かせて貰っているという感覚です。
そのため実際に自分に落とし込むのとは若干違うかなと思いました。
ですが、自分の感覚には無かった捉え方があり、読んでいて面白かったです。 -
【概要】
「プロインタビュアー」という肩書きの著者による「聞き出す力」の続編。今回も基本的には著名人に対するインタビューを中心にそのサイドストーリー、そして、インタビュアーとして必要な事柄を各インタビューに平行して述べる。前作と比較して、より「インタビュアー観」に踏み込んだ作品。
2019年10月18日 読了
【書評】
勢いづいて前作から続いての読了。
流れは前作と変わらないのだけど、凄く面白い発言をしてる。
1つ目は「結局、受け手をバカにしちゃってない?それをしたら面白くなくなるよね」というもの。「面白い」って、凄く幅が広い感情を含めた言葉なのだけどその「面白さ」は、お客さんのことを考え過ぎるとスポイルされてしまうのでは?という考え。
作品内では著者による芸能人インタビューエピソードをピックアップするにあたりTVスタッフからの「(ピックアップは)メジャーな人にして欲しい。この女の子(その場に居合わせた女性スタッフ)が知ってるレベルにして欲しい。下ネタもNGで」というリクエストがあったそうで。そのリクエストをそのまま受けると、下ネタ沢山の福山雅治さんや三國連太郎さんは掲載できない、北方謙三さんは(若い女性には)知名度があるかわからない・・・なんてことに。著者は作品で「最近のテレビがつまらないのは、こうやって『知識のない層』をターゲットにしているからだ」としてる。これは、間違った「お客様は神様です」の究極の結果ではないかと思ったね。
「お客さんに育ててもらった」のと同時に「お客さんを育てる」という意識、持っていたいなぁと思ったなぁ。自分の英語落語については、やっぱり「英語力」なんだよねぇ。英語力を上げ過ぎるとついてこれないお客さん、増えるんじゃ?とか言われたり、「英語、わからないから日本語、入れて」とか言うお客さん、いるけど、それをやったら喜餅の英語落語じゃなくなるからねぇ。
2つ目は、(これは前作でもあったかな?)「インタビューはプロレスだ」というもの。とりわけUWFのプロレスになぞらえてる。UWFというのは、かつて存在していたプロレス団体で、それまでのプロレス(新日本・全日本)が持つ特性(ブックやアングルといった「仕立て」の部分)を嫌い、「格闘技」として昇華させたいという理念でできた団体・・・なのだけど、結局はその特性から脱却できず解散したという団体で。ただこのUWFの存在が、後のPRIDEやK1といった格闘団体への発展に大きく影響を与えたという。だからUWFの試合は、ブック(どちらが勝つか?どう勝つか?といった約束)が存在しつつも、それを破ることがあったそうで。たとえば外国人の格闘技出身の選手などは、「プロレス」を知らない状態だと、そもそも事前に勝ち負けを前提とする流れなんて理解が難しいから、ガチの技をかけてきたりする。また、蹴り技を多く出す試合内容のUWFでは、その蹴りが本当に致命的になって相手をダウンさせてしまうこともある。だから(他のプロレスでもそうだろうけど特に)UWFでの試合は、予定調和がある中でも真剣が含まれてる緊張感があった・・・とされてるのだよね。プロレスが好きな吉田豪さんならではの言い回し。確かに踏み込まないと、軋轢や衝突を恐れていては得られないものがある。懐に飛び込まないと縮まらない距離がある。オトナ同士のインタビューというコミュニケーションは、色んな思惑と予定調和があるけれど、それを壊す緊張感も必要じゃないかなと思ったね。
面白かったのは、この書評を書こうとして、参考に Amazon レビューを少し読んだのね。そしたらこの「インタビューはプロレスだ」というくだりに「わかりにくい」としていた方がいて、そこに「プロレスと聞いて思い浮かべるのは人によってかなり違うだろうからこのメタファーは余計わかりにくくさせてる」って書いてたのだよね。これこそ、1つ目に言及した「知識のない層」の部分とつながるなぁと。もともと吉田豪さんのこの2冊を読もうと思ったキッカケとなったのがとある YouTube 動画で。そこでは「UWFの歴史」を特集しててね。第一次第二次UWF、並びにその後のU三派の歴史が紹介されてるのよ。そこでUWFを少しでも知ってたから「面白い」って反応になったのだよね。でもこのレビュアーさんは、ひょっとしたらプロレスとの接点が少ないかも・・・。別に「知ってる=偉い」と言いたい訳ではないから、そこは誤解なく。ただこのレビュアーさんが「いっそのこと『プロレスはインタビューだ』といったほうがわかりやすい」ってのは・・・この本が何を中心軸に置いて書かれているかを忘れてしまっているなと思ったなぁ。プロレスの本じゃないものね。
前作・今作と併せて著者に通じる「事前調査」に対する重要性、自分の仕事の仕方に対して本当に影響を与えてるなぁ。「喜餅の働き方改革」は「仕込み」という要素をしっかり入れて、変革やね。 -
前作の好評に気をよくして2匹目のどじょうを狙った本作です。
さらに、まるでたけしの著作本と錯覚させるようなでかい顔写真まで載せるあざとさ・・
内容は、芸能人の暴露本ですが、相手にそれを話させるという点で告白本という体裁になっている点が大きな差です。
吉田氏のインタビューの仕方の差を、本書では風波を立てず穏便に済ませる局アナ方式と、先にいる読者や視聴者のために面白いと思えば躊躇しない特攻隊方式というような分類をしていたが、私には表面上は権力に屈しないバンカラポウズを見せながらも、実質は権力に媚を売ってしまう、または賢く忖度する人なのかなと映ってしまいましたが、それはこのたけしの1件やNGT事件で秋元擁護発言でもよくわかります。
まあ、インタビュアーとして嫌われてしまえばおしまいだからある意味仕方ないんだけど・・でもそれなら、そんなフィクションを自分のスタイルの売りにするのはやめたほうがいいのでは? -
かなり癖のある内容だった。
読み取り方や本質理解を見誤ると間違えた使い方になりそう。
限られた時間で成果を出すには調べてわかるようなことは調べて置き、その時間でなければ知りえないことにフォーカスする。 -
『週刊漫画ゴラク』連載コラムの書籍化第2弾。
第1弾同様、いちおう「聞き出す力」を高めるための実用書の体裁になっているが、たんにインタビューの舞台裏エピソード集として読んだほうが面白い。
「べつに……」事件直前の沢尻エリカや、岡本夏生にインタビューしたときの話などは、抜群に面白いと同時に、同業者としては背筋も凍る恐怖エピソードである。
《大幅に遅刻してきた彼女は、「すいません」も「おはようございます」もなく無言でスタジオに登場。
そこで彼女がまずやったのはスタジオのBGMを大音量のブラックミュージックにしたことであり、その後はひたすら不機嫌そうな顔でポーズを変えることもなく写真を撮られ続けることだった。その結果「沢尻さんは前に撮影してるからなんとかなりますよ」と言っていたカメラマンも緊張でガチガチになる始末》
ううむ……。その場の張り詰めた空気を想像するだけでコワイ。
また、「インタビューにおけるアクシデントで困るのが、取材が終わってから何も録れてないことに気付くパターンである」などという話も身につまされる。
私は過去30年のライター経験で3回ほど、そういう経験がある。そのつど真っ青になったが、記憶だけでなんとか原稿を書いた。なので、いまは取材時にボイスレコーダーを必ず2台同時に回すし、取材前日には電池残量などをチェックする。
吉田豪の場合、北斗晶、鉄アレイ(ハードコア・パンクバンド)、佐藤秀峰(マンガ家)のインタビューに際して録音失敗トラブルに遭遇したという。
「身につまされ」度が高いのは私がライターであるからで、前著を面白いと感じた人なら、今回も楽しく読めるだろう。