徳山村に生きる: 季節の記憶

著者 :
  • 農山漁村文化協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (43ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540083044

感想・レビュー・書評

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  • 徳山ダムの建設によって水に沈んだ集落で自給自足生活を送っていた様子が写真と短い文で生き生きと描かれています。
    日本の原風景がたしかにここにはありました。

  •  大西暢夫「徳山村に生きる」、季節の記憶、2009.5発行、写真集。春は山菜採り、夏はキハダの皮むき(表紙)、恵みの秋は大忙し、冬は塩漬け、そして猪猟。

  • [墨田区図書館]

    同著者の「ぶた にく」で知った大西暢夫さん。その作風に触れて他の本も見てみたいと検索して片っ端から借りてきてみたうちの一冊。

    この本は、この著者の代表作「おばあちゃんは木になった」同様、日本最大のダムを作るために水没した、岐阜県徳山村を、10年以上かけて撮影したドキュメンタリーの一部だ。同様の書籍として、「山里にダムがくる」「水になった村」などがある。そちらの二冊は読んでいないものの、表題となった"はつえさん"以外にも複数の人を紹介した様々な瞬間の静止画のような「おばあちゃん~」よりも、その本の中に出てきた小西夫妻だけに焦点をあて、よりストーリー性を感じさせる本書のほうが、個人的には高く評価できた。

    P.19に掲載されたマムシとのカラー写真は、同じ時に撮影したであろうほぼ同じ構図のモノクロ写真が「おばあちゃん~」にも載っている。けれども本書のほうが、色鮮やかなキハダの皮むきや、「おばあちゃん~」のはつえさんの好物として描かれた栃餅や栃の実についても、より詳細に印象的に紹介してくれているし、何よりも徳山村が水没する瞬間も収録してあることで、より"ダム建設"の現実を間近に実感することができた。

  • 『水になった村』のDVDが登録不可となっていたのでこちらから。
    いよいよ機械がその大きな手を家にかけ、
    そうして燃やすことへと着手した時の
    じょさんの顔が心に沁みついて離れない。

    笑顔と、幸せを奪ったのは、
    行政でもなく、業者でもなく、
    人間の意識なのだと思う。
    笑顔をなくしているのも、
    心壊すのも、いがみ合うのも
    みんな人間が今ここで選んでいること。

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著者プロフィール

おおにし・のぶお
1968年、岐阜県揖斐郡池田町育ち。
東京綜合写真専門学校卒業後、本橋成一氏に師事。
1998年にフリーカメラマンとして独立。
ダムに沈む村、職人、精神科病棟、障がい者など
社会的なテーマに多く取り組む。
2010年より故郷の岐阜県に拠点を移す。
映画監督作品に、
『水になった村』、
『家族の軌跡 3.11の記憶から』、
『オキナワへいこう』などがあり
著書等に、
『僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村山村生活記』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、1998年)、
『分校の子供たち』
(大西暢夫 著、カタログハウス、2000年)、
『山里にダムがくる』
(菅聖子 文、大西暢夫 写真、山と溪谷社、2000年)、
『おばあちゃんは木になった シリーズ自然いのちひと4』
(大西暢夫 写真・文、ポプラ社、2002年、
 第8回日本絵本賞)、
『ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟』
(大西暢夫 写真・文、精神看護出版、2004年)、
『花はどこから 花・花びん・水をめぐる3つのものがたり』
(大西暢夫 写真、一澤ひらり 文、福音館書店、2005.年)、
『水になった村 ダムに沈む村に生き続けたジジババたちの物語』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、2008年)、
『徳山村に生きる 季節の記憶』
(大西暢夫 写真・文、農山漁村文化協会、2009年)、
『ぶた にく』
(大西暢夫 写真・文、幻冬舎エデュケーション、2010年、
 第58回小学館児童出版文化賞、第59回産経児童出版文化賞大賞)、
『糸に染まる季節 ちしきのぽけっと13』
(大西暢夫 写真・文、岩崎書店、2010年)、
『ミツバチとともに 養蜂家角田公次
 農家になろう2』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2012年)、
『津波の夜に ~3.11の記憶~』
(大西暢夫 著、小学館、2013年)、
『ここで土になる』
(大西暢夫 著、アリス館、2015年)、
『シイタケとともに きのこ農家中本清治 
 農家になろう8』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2015年)、
『お蚕さんから糸と綿と』
(大西暢夫 著、アリス館、2020年)他がある。

「2020年 『ホハレ峠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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