地元学からの出発: この土地を生きた人びとの声に耳を傾ける (シリーズ地域の再生 1)

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  • 農山漁村文化協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540092145

感想・レビュー・書評

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  • 結城氏が提唱してきた「地元学」の本です。自分の目でみた農山漁村の実態を報告しており、厳しい現状と、いろいろと手段をつくした中からでてくる希望を指摘しています。農政や開発重視の行政、また商業主義の企業や、軽薄な消費者について、鋭い批判がされています。地元学とは地域の「あるもの探し」であり、「何もない」のではなく「大量にないだけ」であるとして、地域資源の一覧表かカレンダーをつくり、「地域から持ち出せない資源」と「もちだせる資源」にわけ、農商工一体となって、経済至上主義に流されず、地域の資源を生かしていく手法や、「食の文化祭」などの試みはとても参考になります。「鳴子の米」プロジェクトでは、地域農業を荒廃から救うために、一俵24000円での「買い支え」を行っているそうです。また、地域から消えた商店を再興するために、「共同店」をつくった沖縄や宮城県の例なども大変参考になるものです。農業をはじめる若者には非常に期待をかけており、三澤勝衛の風土学を学ぶようにすすめています。全体として、批判も鋭いが、具体的手法も提案しており、すぐれた地域政策の本だと思います。

  • 今の日本にないのは自然との共生感。
    遺伝子の中に日本的なものを希求するそれは必ずあると思う。
    自分自身が自然を育てる、自然に語りかけるということをしてきていないだけに一概には言えないが、
    食料自給率40%、しかも農業専従者の大半が70歳を超えた方々で占められている日本の現在は異常としか言いようがない。
    自然と共に生きる知恵はその現場でしか継承することができない。
    今後の日本の指針を、民衆からのそれを垣間見ることができた。
    食とは快楽ではない、生きることそのものである。

  • 地域づくりの仕事をやり始めて読んでみました。とても参考になりました。自分が暮らしている地域で、地域づくりを実践していく上での先行事例集として、それに理屈ではなく実際の事例が紹介されているのがすぐれてます。

  • 20110514 今、読むべき本。東北地方は必ず再生します。

    20140621 無い物ねだりから有る物探しへ。時代はどんどん変わって行くがそもそもはどうやって生きて行くかの問題だと思う。みんなが真面目に働いて幸せを感じられないのは何故か。考えさせられる。

  • 著者が関わっている事例を紹介している。その根っこや背景にあるところを読みこんでいきたいと思う。
    商業主義だけでない、わびさびの世界がそこに広がっているのではないかと思っている。

  • 結城さんの考え方に賛成。
    お金だけで考えたら、農村はいいところないけど、いろいろな意味で豊かで、本当にいいところ。

  • 1月31日、立教大学SEDフォーラム地元学から考える講演会にて購入 サインしてもらったw
    2月中には読了したい

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