随感録 新装

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560024126

作品紹介・あらすじ

著名な「女について」「博識と学者」など12編の小品の他に、本邦初訳の詩を含んだ天才思想家の毒舌と皮肉に富んだエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • ニーチェはどうしてショーペンハウアーにハマったのか。

    どうして抜け出していったのか?

    デカンショ節というのがありますね。

    ♪デカンショデカンショで半年暮らす
     あとの半年寝て暮らす

    言うまでもなくデカルト、カント、ショーペンハウアーをもじった寮歌ですが、
    哲学の系譜でならデカルト、カント、ヘーゲルと続くべきところ。
    しかし「デカンへー」では空気漏れでしまりがありません。

    ショーペンハウアーは草葉の陰で日本のこの寮歌の存在にさぞ喜んでいるでしょう。おそらくヘーゲルのまえに呼ばれる唯一の国でしょうから。

    この「随感録」においてもあいもかわらぬヘーゲル批判は止まない、やれやれ、疲れを知らないショーペンハウアー先生。
    いわく「ドイツ人がいま少し鋭敏であったなら、ヘーゲルの名声にただちにこの売女の厚化粧を見てとることができたはずなのだ」

    おわりに先生の詩がいくつか載っている。
    「なにぶんこれは文学的価値など要求できるものではありません。詩人と哲学者をかねることはできないからです」

    ショーペンハウアー先生、あなたは詩人なのです、不本意ではありましょうが。

  •  以前、浜口雄幸著の同名の本を読んだのですが、今回は久しぶりのショウペンハウエルです。本書は氏の12の小文を採録したもの、それぞれのタイトルをみても「判断、批評、喝采ならびに名声について」「博識と学者について」「自分で考えること」「読書と書物について」「女について」等々、いかにも氏らしいテーマが並びます。
     ショウペンハウエルの言葉は辛辣でシニカルなものいう印象がありますが、必ずしもそういったものばかりではありません。特定の思想・人物には厳しい口調も、当然の示唆を語るときのくだりはとても論理的で分かり易いものとなります。

  •  大事なのは取り込むことでなく取り込みそれを思考し拡げること。読書とは文字を追うことでなく、その文章の意味を思考し自分のものにすること

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