ピラネージの黒い脳髄 (白水社アートコレクション)

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  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560039328

感想・レビュー・書評

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  • ユルスナールがピラネージの「幻想の牢獄」の復刻版のために書いた評論.図版を除くと40ページほどのもの.
    私がピラネージを知ったのはたぶん河島英昭「ローマ散策」が最初.細部の見方をこの本に教わって,イタリア語版のTaschen から出ている全集も持っている.一時期,かなり熱中したので懐かしい.
    今回は,須賀敦子の「ユルスナールの靴」の中の「黒い廃墟」という章にピラネージとこのユルスナールの評論が取り上げられていたので読んで見た次第.
    ユルスナールの文章はなかなか高尚で意味のとりずらいところも時々あって,何を言いたいのかはっきりわからないこともしばしば.私が彼女の前提としているヨーロッパ文明に関して無知なせいもあるだろうし,ここでとりあげられている「幻想の牢獄」に共感の少ないこともその一因だろう.

  • 著者がユルスナールなどとは知らず、後に大物と知って、へえ〜となった本。
    内容は建築家ピラネージが製作した牢獄の版画集についてです。

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著者プロフィール

1903年ベルギーのブリュッセルで、フランス貴族の末裔である父とベルギー名門出身の母とのあいだに生まれる。本名マルグリット・ド・クレイヤンクール。生後まもなく母を失い、博識な父の指導のもと、もっぱら個人教授によって深い古典の素養を身につける。1939年、第二次世界大戦を機にアメリカに渡る。51年にフランスで発表した『ハドリアヌス帝の回想』で、内外の批評家の絶賛をうけ国際的な名声を得た。68年、『黒の過程』でフェミナ賞受賞。80年、女性初のアカデミー・フランセーズ会員となる。母・父・私をめぐる自伝的三部作〈世界の迷路〉――『追悼のしおり』(1974)、『北の古文書』(1977)、『何が? 永遠が』(1988)――は、著者のライフワークとなった。主な著書は他に『東方綺譚』(1938)、『三島あるいは空虚のビジョン』(1981)など。87年、アメリカ・メイン州のマウント・デザート島にて死去。

「2017年 『アレクシス あるいは空しい戦いについて/とどめの一撃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルグリット・ユルスナールの作品

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