カモメに飛ぶことを教えた猫

  • 白水社
3.72
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本棚登録 : 353
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560046531

作品紹介・あらすじ

猫のゾルバが誓った三つの約束、でもその約束をまもるには、大いなる知恵とまわりのみんなの協力が必要だった…。ヨーロッパで大ベストセラーとなった愛と感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 少し前にブクログに登録していたので、何でこの本を知ったのかすっかりわからなくなってしまったのですが、手にしてからタイトルを眺めてはいつ読もうかとうずうずしており、ようやく読めました。

    キャラクターたちの行動の動機や気持ちの流れがわかりやすく描かれており、物語文の理解の初歩のレベルかなと思います。ただ漢字はほぼふりがながなく、小学校高学年からしか渡せなさそうなのが残念。語彙も「憤慨」や「荘厳」などやや難しめな熟語も見受けられます。

    猫社会を想像たっぷりに描いた童話はたくさんありますが、その中でも「筋を通す」という気持ちよさ、情の厚さを根っこに据えてストーリーを展開しておられます。
    登場キャラクターはそれなりに出てくるのに意外と混乱しないのはセリフが特徴的だからかな?

    中学生以降には、ややストーリーが子どもっぽく感じられてしまうかも。絵も日本の子どもウケはしにくいかな…勧めるのはちょっとしりごみしてしまいます。でも、自分と違う生活をする生きものに対する慈しみを描いた作品として、湿っぽすぎず、男の子でも読みやすいキャラクターなのは特筆する点です。見極めて勧めていきたい良作でした。

  • 港の猫の名誉と誇りにかけて、交わした約束は守り抜く。
    優しさを胸に秘めたゾルバのハードボイルドなセリフがカッコよい。

    いいかい、きみはカモメだ。そして、カモメとしての運命を、まっとうしなくてはならない。
    だからきみは、飛ばなくてはならない。
    飛ぶことができたときこそ、きみはきっと、本当に幸せになれる。

  • 飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ

    というゾルバのセリフが、
    心にささりますね^ ^

    引用されている、ベルナルド・アチャガという詩人が書いた「カモメ」という詩も、
    カモメが飛ぶためのヒントになり、すてきな詩です!!

  • 何のお勧めだったか、読む頃には忘れている。

    よくある「カモメに飛ぶことを教えた猫」の話し。
    向かい風やら博士やら大佐、さる、秘書やら脇役が騒がしいのは楽しいが、それ以上はない。小学中学年には良いかも。

  • 猫がどうやってカモメに飛ぶことを教えるの??
    って気になったのと、劇団四季がミュージカルで
    上演する物語だと知り、読んでみたくなった。
    
    人間が海に垂れ流した原油にまみれてしまった
    1羽のカモメ。
    
    ひん死の母カモメは命とひきかえに卵を産み、
    黒猫のゾルバに託します。
    
    ゾルバは、母カモメと交わした「3つの約束」を
    果たすために、仲間と力を合わせて奮闘する姿が
    描かれています。
    
    優しい気持ちにさせてくれる物語で感動。
    あとがきもよかった。
    
    ミュージカルを観に行こう!とチケットを買った
    のに、コロナのせいでチケットは払い戻し、、
    観たかったな。
    

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99413242

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00207996

    銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。そこには1匹の黒い猫がいた。名前はゾルバ。瀕死のカモメは、これから産み落とす卵をこの猫に託す。そして、3つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった──。

    「勇気をもって一歩ふみだすこと、全力で挑戦すること、そして、自分とは違っている者を認め、尊重し、愛することを教えてくれるゾルバとフォルトゥナータたちの物語が、これからもたくさんの方々の心に届きますように」(「訳者あとがき」より)
    (出版社HPより)

  • 瀕死のカモメが、猫に三つお願いをした。

    わたしが産む卵を食べないで。
    ヒナが産まれるまで、世話をして。
    ヒナに飛ぶことを教えて。

    そして、カモメは卵を一つ産んだ。

    卵を託された猫ゾルバは、どうやってヒナに飛ぶことを教えるのか。

  • 2019.7月。
    違うからこその強さ・深さ・真実味。できないことはない。かも?

  • 原油漏れの海に入ってしまい飛べなくなったカモメのケンガーが太った黒猫のゾルバに卵を託し死んでしまう。
    ゾルバは孵化させ育てて最後に飛ぶことを教える。猫の仲間たちや人間に助けられて。
    短いお話だったのであっという間に読んでしまいました。

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著者プロフィール

1949年、チリ北部のオバージェに生まれる。アナキストであった祖父
の影響をうけて若くして社会主義運動に参加(祖父の話は『パタゴニ
ア・エクスプレス』に詳しい)73年、アジェンデ社会主義政権を倒し
たピノチェト将軍による軍事クーデタの後逮捕され、南部テムーコの
刑務所に入れられる。二年半の服役の後、アムネスティの努力で釈放
される。80年からドイツのハンブルグに居を定め、そこでジャーナリ
スト・作家活動を始める。89年発表の『ラブ・ストーリーを読む老
人』や96年の『カモメに飛ぶことを教えた猫』がヨーロッパ諸国でベ
ストセラーになり、新しい世代のラテンアメリカの作家として注目を
集めている。

「1999年 『センチメンタルな殺し屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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