- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560056653
感想・レビュー・書評
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征服事業と同時にキリスト教側の思想背景や聖職者による軍事征服への反対や理想的な統治論への言及など概説書として良。
古い本なので、これの上位互換的な本があると良いのだけれど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思うが、征服者たちは凶暴であったと言うよりも、凶暴であることでしか、自分たちを慰められなかったのではないか。放浪記でも言った「くだらない、ろくでなし」どもなのだが、というのもママンの顔も見えなきゃ、声も届かぬ海の果て、異教の文明と対峙して彼らのコンキスタの正当性を支えるものはまず武力だったのだろう。
レコンキンスタの流れからのコンキスタの捉え直しと、銃、鉄、病原菌にも取り上げられてた要素からの再評価(こっちが先行と思われる)が特に光るところかな。
それにしてもインカの都は見てみたかった。その橋とはいったいどのような橋だったのか、祭壇とはいったい。 -
スペインによるインディアス(カリブ・南米)の征服の歴史。
征服活動の概要や特徴、メソアメリカ及びラテンアメリカへの征服、その後のスペイン人の定着および先住民の衰退、布教活動や精神的征服あるいは文化変容など、広範囲にわたって概説する。
西洋側の肯定的見方からにとどまらず、同じ西洋人でもラス・カサスなどの批判者からの意見、さらに被征服者であるインカ・アステカなどの先住民からの視点も加えている。とはいえ被征服者側の視点は、実際には被征服者側の視点に立った西洋人あるいは西洋人と先住民の間に生まれたメスティソによる物が多いことは考慮するべきであろう。
簡潔にポイントがまとめられており、内容も難しくなく読みやすい。