- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560070833
感想・レビュー・書評
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やっぱり「仔羊の血」がすごくて。一冊全体がポルノのような感じではある。しかしねーよくわかってらっしゃるのよ、この方。白人と黒人、お嬢様と屠殺人、ほわほわした動物と裸の少女、死、血。どのアイテムをどう動かせば人はエロスとして捉えるのか。でもねーそれだけじゃない重要な物があって、「美」だと思う。そこを描くのが作家としての力量センスであって、並の人間が気軽に扱おうとすると、大火傷、綱渡りの綱からの落下となるんだなあ。
結構世の中は美を持たない人間には厳しいよねー。
昔のロマン・ポランスキーの映画っぼい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二冊目のマンディアルグ。
最初に「ボマルツォの怪物」を読んだので、彼の小説はほぼ初読みに近いが、シュルレアリスム作家とは知っていましたが、とにかく想像力が無限に駆り立てる感じ凄く好きです。
何なんだ、この世界は?
サド好きな私としては全く抵抗が無く、「」のほぼ無いこの本は怪奇、摩訶不思議…とにかく混沌としていて、どんどん読みたくなる内容。
詳しいことはまだ何とも判別がつかないのがもどかしい。
だけど、何だか只者ではない感じはびしびし伝わります。 -
最初の話からして血の臭いに満ちた短篇集。特に人を害し、処女を失った臭いは、読んでいて衝撃的かつ刺激的だった。「仔羊の血」が一番いろんな意味で印象が深かったが、眩惑される「ポムレー路地」もなかなか。
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短編集。個人的には、作品の傾向としてわかりやすく後期マンディアルグ的ともいうべき『ビアズレーの墓』なんかよりも、どちらかというと初期の作品に多くみられる少女の陵辱的テーマのもののほうが印象が鮮烈で、『仔羊の血』とか、気分が悪くなりそうなくらい映像で浮かんでしまいました。いちばん好きだったのは『ポムレー路地』という小品。いかがわしい路地にさまよいこんだ主人公が怪しい館に辿り着くところまでは、マンディアルグの定番ともいうべきシチュエイションなのですが、これはオチがちょっと怪奇趣味で新鮮でした。
※収録作品
「サビーヌ」「満潮」「仔牛の血」「ポムレー路地」「ビアズレーの墓」 -
マンディアルグの短篇集
「サビーヌ」「満潮」「仔羊の血」
「ポムレー路地」「ビアズレーの墓」
『「ポムレー路地』などは「あああああ!そうだったぁぁ」と
最後の瞬間まで思い出せず、再度衝撃を受けました。
とても好き。
しかし一番好きなのは
最後の黒人の動向と少女の応対が「おおお」な
『仔羊の血』だと思いました。
マンディアルグのお話を、絵に
できるような画力があればなぁ -
最後、よくわからない。路地は素晴らしい。
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『サビーヌ』、『満潮』、『仔羊の血』、『ポムレー路地』、『ビアズレーの墓』の5篇収録。どの作品も「明るい紫、エメラルドの緑、トルコ玉の青、サフランの黄、フェニキア風薔薇色」、「黄、緑、真紅、紫、青、灰色」や白に血の赤という様に色遣いが幻惑的。