- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560071519
作品紹介・あらすじ
銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。そこには一匹の黒い猫がいた。名前はゾルバ。瀕死のカメモは、これから産み落とす卵をこの猫に託すことになる。が、その前に三つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった。
感想・レビュー・書評
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登場人物の個性もあり、話の展開も早くて楽しい。気軽に楽しめるお話。中学生に勧めたい。
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泣かずに読めない。冒頭から泣き始め、最後のページでまた泣いた。ゾルバが野良猫二匹を脅す時のセリフが良かった。。挿絵もかわいい。あっという間に読み終えた。
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とっても面白かった!
タイトル通り、「カモメに飛ぶことを教えた猫」の話。
原油に呑まれて死んでいったカモメとの約束を守り、卵を食べずにヒナをかえし、そして飛ぶことを教える。どうやって?と思った方は、ぜひ読んでみて。
猫たちが、百科事典を使っていたり、とても真面目だったり、環境問題を訴える場面もあり、切り口によつていろんな紹介ができそう、と思った。
個人的にはラストがすごくよかった。
最後までぜひ読んで欲しい。 -
柚月裕子さんのエッセイで紹介されていた本。
人間による原油の海への垂れ流しの被害に遭って,傷つき力尽きて落下してしまったかもめが,落下地点に偶然いた猫に3つの約束を守ってくれるようにお願いするというもの。1つ目がこれから産み落とす卵を食べないこと,2つ目は雛が生まれるまで卵の面倒を見ること,3つ目は生まれてきた雛に飛ぶことを教えること。猫のゾルバは仲間たちの力を借りながら律儀に3つの約束を果たす。
種族の違うものの間の愛情をテーマにした作品らしい。
登場する動物たちの心理や会話が描かれるが特に擬人化しているわけではないようで人間のいるところでは人間の言葉を喋らないだけで動物たちは人間の言葉を扱えるというファンタジーっぽい設定のようだ。しかし一方で書物を読む猫がいたりやはり現実の猫ではないようでもある。
すべて動物たちの知恵で解決するのかと思いきや,最後に人間の力を借りてしまうあたりが残念というか示唆的と感じた。
あと,最初のかもめの要求する約束が若干理不尽というか,縁もゆかりもない猫にいきなり見返りもない約束をさせるのが無理があるようにも感じた。ゾルバが良い猫だったから良かったというだけなのではと。 -
2023.07.02
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朝日新聞で説明されていた本である。ドイツの港町でカモメがタンカーの石油にまみれて飛べなくなり、卵の世話とひなが飛べるようになるまでを猫に託す。1匹の猫だけでなく、何匹もの猫がカモメのひなを見守り、最後はカモメの飛行を見守る。最後がもうひとつ何かあってもいいような書き方であった。
大人でも十分に読むに足る本である。 -
なんか久しぶりに読んだ。こんなだったっけ。でもよかった。
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瀕死のカモメから卵を託され、卵をふ化させ、育てて、巣立ちまで世話をした猫のおはなし。短いが読みやすくかわいい話。
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端々に作者の信念が溢れ、心が震えた。読み終えた途端に涙が出た。感動より、人間自身の問題なのに、人間ではない動物の口を使って語るしかない悔しさだ。どうしようもない戦争を目の当たりにしたせいなのか。猫の肉球でそっと背中を押されたいと思う。
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銀色のつばさのカモメ、ケンガーは死を前にしてこれから産み落とそうとする卵を黒猫のゾルバに託す事になるが、その前に三つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった。ヨーロッパで大ベストセラーとなった愛と感動の物語。
黒猫のゾルバが、油まみれで死にかけたカモメから卵をあずかり、ひなを育てることを誓った。ゾルバは友だちの猫たちの協力でひなを育てるが、飛ぶことは教えられない。そこで、猫のおきてを破り、人間の力を借りることにした。
原題:Historia de una gaviota y del gato que le enseño a volar
(1996年)