印象派のミューズ:ルロル姉妹と芸術家たちの光と影

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560084502

作品紹介・あらすじ

美術、音楽、文学 交差する人間模様

 ルノワールの《ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》(オランジュリー美術館蔵)は、おそらく誰もが一度は目にしたことのある絵画であろう。絵のモデルは、パリの資産家アンリ・ルロルの二人の娘。姉妹の父ルロルは、同時代の芸術家たちに理解を示しながら、財を活かして作品の収集に力を入れていた。ルロル家のサロンは新進気鋭の芸術家や作家が集う社交場で、美しい姉妹は彼らのミューズだった。ドガ、ルノワール、ドニは二人をモデルに絵を描き、ドビュッシーは曲を捧げた。音楽家ショーソンは母方の義理叔父、ジッドやヴァレリーなど小説家たちもやってきた。それは、ルノワールの作品そのもの、「幸福」を絵に描いたかのような日々だった。
 強い絆で結ばれていた姉妹は、ドガの紹介で、実業家でコレクターのルアール家の兄弟にそろって嫁ぐ。その結婚生活は幸せであるはずだった。しかし、そこで待っていた運命は……。
 美術、音楽、文学のジャンルを超え、そうそうたる人物が次々に登場。人間味にあふれ、ときにスキャンダラスな展開は、読み手を一気に十九世紀末パリに誘うに違いない。

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著者プロフィール

小説家、評伝作家。1953年、ペルピニャン生まれ。パリで学び、1975年、ソルボンヌにて現代文学教授資格取得。『コティディアン・ド・パリ』『フィガロ・リテレール』などのジャーナリストとして活躍する一方、1998年に小説 Le Manuscrit de Port-Ébène でルノドー賞を受賞。文学者、芸術家の評伝を多く著し、翻訳に『黒い瞳のエロス ベルエポックの三姉妹』(川瀬武夫・北村喜久子訳、筑摩書房)、『ガラ 炎のエロス』(岩切正一郎訳、筑摩書房)、『黒衣の女ベルト・モリゾ 1841-95』(持田明子訳、藤原書店)。本書『印象派のミューズ』は2012年にシモーヌ・ヴェイユ特別賞を受賞した。2013年からアカデミー・フランセーズ会員。

「2015年 『印象派のミューズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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