- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560092446
作品紹介・あらすじ
ロレンスはいかにして「アラビアのロレンス」になったのか?
死後70年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは20世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の1人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した4人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。
ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす3人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。
戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作!
感想・レビュー・書評
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2017.1.7
ようやく読了。英軍は日本軍と同じような、戦略のない戦いと所謂下剋上が頻繁に行われ、それが中東の歴史を作ってしまったとよく分かった。
まず、オスマン帝国の広大な支配領域に驚く。そして、アラブ人と一括りにはできない民族がいる。アラブ独立国は可能だったのか?今は、石油が取れるが、当時、何故そこまでして中東を手に入れたかった理由はなんだったのか?
フサインマクマホン協定、サイクスピコ協定、バルフォア宣言。
ドイツは敗戦国となるが、ユダヤが連合国についたことが、その理由と考え、反ユダヤとなり、ナチのホロコーストに繋がっていく。
その後、イスラエルが建国されるが、中東は混乱を極めている。
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アラブ世界を舞台に暗躍した4人の諜報員の動きを追い、ロレンスを欧州とアラブの同時代人たちの中に位置づけた歴史大作!