「匂いの帝王」が五つ星で評価する 世界香水ガイド☆1437

  • 原書房
3.33
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本棚登録 : 92
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562042326

感想・レビュー・書評

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  • 部分的にしか読んでない(知ってるブランドと香水、あとは流し読み)けど面白かった。
    もっと香水や香水ブランドに詳しくなってからだとより面白いと思う。

    香水のレビューは結構作者の主観より。どんな香りなのかイメージしにくい面白いレビューも割とある。

    ○香水選びのアドバイス
    ・つけて20分後に劇的にかわる
    ・ランチや試飲会にはつけていくべきでない
    ・つけすぎは良くない

    ○好きなレビュー

    「アムアージュ・ゴールド・フォー・メン」(星5)
    この香水を「フォー・メン」などと呼ぶのは、まるでソロモン王を気軽にソルと呼ぶようなものだ。

    「ヨージ・オム」(星5)
    今は廃盤になってしまったがこの本に登場させたのは新しいオーナーが考え直してくれるのを願ってのことだ。

    ・エタリーブルドランジュ
    「セクレシォン マニフィーク」星5
    最高の大量の分泌物、というネーミングが面白い。

    「リヤン」
    甘さを加えていないシベットレザー

    「ジャスミンエシガレット」
    看板に偽りない胸踊る香り。唯難癖をつけるとすれば、ルネ・マグリッドなら「これはパイプだ!」というだろう。

    シガレットはムッシュ ロシャスをおもわせるような冷えたパイプの香り


    ・「レールデュタン」
    シルクのような新鮮な質感のベンジルサリチレートはのちの50年代の香水に大きな影響を与えた。ベンジルサチレートがアレルギーを起こすので禁止されてから、ひどく質が落ちて薄い。

    ・ル・ラボ
    「ルラボはあまりに粋で少し痛いくらいだ」
    「フランス人の傲慢さはほんの少しなら面白いが、多すぎるとそれどころではない」
    「ルラボは香水の批評なんかありえない、とサンプルを送るのを渋った。しかし私が香りのわかる人間だと知って態度を和らげた。『もしプレスにまともな批評家がいれば、そこらのブランドがくだらない香水を出すのを控えるかもしれない』という意見ももっていた。さあ混乱したかな?」

    辛辣ww
    とはいえものによっては星4を出してる(ネロリ36とか)

    ・ディップティック
    「ドソン」と「オレーヌ」がディップティックの二大自然な花の香り、と聞いていたが、作者の評価では
    「ドソン」星1
    清々しいフローラルの始まりはいいが、あとは化学的で空っぽ。予算がなかったのだろう

    「オレーヌ」星4
    実物に限りなく近いジャスミン。

    なの面白い。

    ・ゲラン

    「ナエマ」星5
    爆発の映像を逆回転で見る感じ。並ぶものない神々しいローズ。真似したくてもできるものではない。

    「シャリマー」星5
    近寄ると強いウッディスモーキーな香りと強いアニマリックノート。遠く離れると広範囲でバニラ調のアンバーが香る。

    ((私はこういうの苦手そうな予感の描写))

    「サムサラ」酷評してる割に星4
    とても出来が悪いにもかかわらず、とても人気があり、みんなから慕われる製造元の作品。良い評価を得てきたゲランの歴史がのちの失敗で汚されてしまったという、ゲランの歴史の始まりと終わり

    ・オピウム 星5
    ((私はこの香り苦手なので趣味が合わない…))

    ・ルル「キャシャレル」星5
    ジャスミンオリエンタル。
    絹のような、紙ヤスリのような質感。ボトルが安っぽいからといって間違えてもらっては困る、これは傑作だ。

    ・オーモンドウーマン星5
    夜の闇に身を傾ける背高の松の木が背後から迫ってくるような雰囲気。渋いオークモスの黒色、ヒマラヤスギのひび割れたみき肌、そして低くかぐわしいアンバーは、遠くのお菓子の家から呼びかけられているよう。

    ・ミラーハリス「レールドリャン」星4
    名付けて虚無の香り。1960年代後半をすっかり忘れてしまった往年の若者たちの記憶をくすぐる香り。
    まだテロリストがあつまる以前、都会を捨てて世界一厳しい山岳鉄道に魅せられてカイバル峠にやってきた若者たちの香り。

  • 香水マニアはすごく楽しいし、そうじゃない人は全く面白くない本じゃないかと。...とかくと、当たり前に見えるかもしれないけど、香水本って普通、香水瓶のきれいな写真が乗ってて、こんな香りがして、こんな逸話があって...って感じの情報を普通載せていて、少なくとも楽しい図鑑を読むレベルには楽しめる構成になっているのが普通だけど、この本は、そっけなくて写真も全くなく、香水名とブランド名、星の数と簡潔な文(ただし、香水によって熱量に差がありすぎて、それが文章量に比例する自由すぎる構成)だけ記されてる。
    帯に「これから香水を選ぶ人が、参考にするもよし、自分のお気に入りの香水の評価を見るもよし」って書いてるけど、絶対これから選ぶ人には向かないガイドなことは多分間違いない。そういう人が求めるであろう「みんなからさりげなくて(または無難で)いい匂いって言われる香り」はけちょんけちょんにけなされていて、コアなグルメ向けの内容過ぎる著者の偏向甚だしすぎるミシュラン。帯の通りにこれから買う方が読んじゃったら、お食い初めにフォアグラとくさやをたべさせられることになってしまう。
    ただ、香水マニアにはすっごい楽しいです。私は個人的にエルメスのヴァンキャトルフォーブルってすっごい完成度高いよなー、って最近感動したので、そのページをめくってみたら流石に星4つつけていて、でしょうでしょう、もう、これお見それしましたー、参りました、非の打ち所がありませんって感じだよね、とうなずいたら、その非の打ち所のなさを渋々認めつつ、その格調高すぎる様や、官能的でないことを不満そうにつらつら書いていて、お気に召さないことがとても伝わる。偏向すぎる割に説得力の強い香水レビューを、よくある過剰にポエジーな香水評でなく、かなりシニカルにかいているので、楽しい人にはかなり楽しい。

  • シャネルを褒めたたえ、フェラガモがない。なぜ?

  • ゲラン大好きなんでしょう

  • 「匂いの帝王」で知ったルカ・トゥリンの語り口が面白かったので、もっと読みたいと手に取った一冊。

    香水ってたくさんあるなぁ!私の鼻には強すぎるのだけど、決して嫌いではないので、いくつか嗅いでみたい、つけてみたいものもあった。共著のタニア/サンチェスは善戦しているが私の好みではない文章がたびたびあり、彼一人でフランス語で書いたという旧著を入手してみたいものだと思った。時折手にとってパラパラ読みたい類の本。ビンの写真も見てみたいが、この本にはそこまで求めまい。翻訳は時々粗く、文章に香りが欠けている。

  • まさかこんなに面白いとは思いませんでした!いや笑えます。いますぐ香水売り場に走って行って確かめたくなってきます。

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