葬式組曲 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 161
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562047628

感想・レビュー・書評

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  • 葬儀をせずにそのまま火葬する「直葬」が一般的となった日本。その中でS県だけは県が葬式に助成金を出すため唯一葬式が行われているという設定で、S県にある葬儀社が執り行う様々な葬式の物語の連作短編集。
    葬儀で起こる謎解きを楽しみつつも、葬儀とは何か、その意義について色々と考えさせられた。日本在住の外国人が亡くなったときの葬式の手配に右往左往するエピソードなど笑える面もあり。葬儀は文化である。
    最終章は賛否両論ありそうだが、個人的にはなくてもよかったような気がする。

  • 葬儀会社を主役に展開されるユニークな短編集です。
    【妻の葬式】までの4篇は風変わりな題材を巧みに扱い、オリジナリティーのある作品に仕上がっています。ミステリーの出来は勿論、ドラマ性もあり秀逸です。
    最後の【葬儀屋の葬式】で連作短編集ならではの仕掛けが炸裂します。冒頭から意表を突いた展開に引き込まれ、あれよあれよという間に展開される謎解きに翻弄されます。大胆かつ巧妙なミスディレクションで読み応えがありますが、それまでの雰囲気をぶち壊してしまった感があり、なくても良かった気がしました。

  • 最終章は必要?と思った。それぞれの章が十分面白かったので。

  • ―――葬式とは?少し考えさせられたミステリーだった。表紙の主要人物たちの絵はよかったなぁ。探偵役は意外だったけど(笑)めちゃくちゃいいキャラだね(^O^)格言が出るたびに笑いが込み上げてきた。結末はいい意味で裏切られたかな。えっ?と思って序盤から読み直しでもやもやしてきたけどこれはこれで面白かったからアリです(`ー´ゞキリッ。切ないラストだけどきっと立ち直ってくれるはず。

  • 葬式がなくなりつつある架空の世界。S県のみで実施されている葬式を取り仕切る葬儀屋。そこで起こる様々なミステリが描かれた短編連作。
    コメディミステリと思ってたら、ちゃんとオチが用意されていた。伏線もキチンと散りばめられておりロジカル。面白かった。

  • 馴染みの書店に平積みされてて読。

    雑誌か何かの『本格ミステリー好きならこれは読んどけベスト20!』的なランキングにも入っていたし。ミステリー!と意気込んで読みました。

    はじめのうちは「面白いけど、ミステリーというよりヒューマンドラマ?」と思っていたけど、最後まで読んだら、なるほどミステリー!!!

    あまり伏線がどうとか深読みしないで読み進めていけば、最終章で絶対びっくりすると思います。

    葬式が無くなった日本っていう設定も面白いし感慨深い。

    個人的には葬式は『けじめ』だと思うし、気持ちがある人が集まって故人を悼むものであればそれでいいと思います。

    仕事の付き合いとかで仕方なく参列する人ばかりの式より、少人数でも皆が故人を送り出そうという気持ちがたくさん感じられる式の方が素晴らしいと思うし、本来そうあるべきだと思う。

  • 葬式とミステリーの融合

  •  「父の葬式」が日本推理作家協会賞の短編部門にノミネートされていたので読んでみました。
     ユニークな設定で、葬式が大きく関わってくるので華やかさや愉快さはありませんが、他の小説ではあまり味わったことのない空気が絶えず漂っています。それは、誰でも一度は経験したことがある火葬場やら葬式やら、あの空気ですね。
     「父」「祖母」「息子」「妻」の葬式に続いて、「葬儀屋の葬式」でそれまでの話が伏線になっているという展開が意外でしたね。最初は「○○君、何言ってんだこいつ」といった感じでしたが……こわいこわい。

  • 葬式をあげることがほぼなくなった世界。唯一葬式の風習が残る地方の葬儀屋さん連作ミステリー。

    なかなか面白い結末だった!
    うーん、そっちかー!です。

    葬式は遺族のためのものであって、故人のものではない、というのは本当にその通りだと思います。
    でもでも、わたしが死んだときには未読の本を一冊でいいから棺桶に入れといてください。

  • 葬式の風習も地方によって違うことだし、葬式をあげない時代がきてもおかしくないと思った。最後のばたばたにはびっくりしたけど面白かった。

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著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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