- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562050741
作品紹介・あらすじ
19世紀末、スフィンクス、ケンタウロスにハルピュイアなど
伝説の奇獣の解剖図を『絶滅動物図録』として記し消息を絶った
スペンサー・ブラック博士。
その数奇な人生をたどり、代表作『絶滅動物図録』を付した
ゴシック風味に満ちた奇書。
感想・レビュー・書評
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19世紀アメリカの医師、
スペンサー・ブラック博士の研究の秘密に迫る評伝と、
彼の著書を抱き合わせにした書物
……という体裁の偽書スタイルのフィクションなのだが、
作者の真の目的は
伝説上の架空の生物の骨格標本などを
描くこと(本書の後半『絶滅動物図録』)であって、
真っ当な医者だったはずの博士が
道を踏み外していった過程、
つまり本書の前半「スペンサー・ブラック博士の生涯」
は後付けだろうな、という印象。
図録に心を惹かれて購入したのは確かだが、
ラヴクラフト的なホラー小説を期待していたので
ちょっと残念。
妄想に取り憑かれた男の言動が常軌を逸していく様を
もっと文章で丹念に表現してほしかった、というか。
【余談】
諸星大二郎ファンなので、読んでいて、ついつい
『私家版鳥類図譜』『未来歳時記バイオの黙示録』を
連想してしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スフィンクス、ケンタウロス、ハルピュイア…神話・伝説の怪物たちを解剖する。19世紀、天下の奇書『絶滅動物図録』を遺して消息を絶ったスペンサー・ブラック博士。名声と絶望、その数奇な人生と奇獣との接点をたどる、ゴシック風味に満ちた一書。(アマゾン紹介文)
ゴシックホラー小説+イラスト集という少々変わり種の一冊。
前半の小説は、さほど目新しさのないマッドサイエンティストの栄枯盛衰。そこまで悲惨にせんでも…。
後半のイラスト集(図説)は、あまり例のない、幻獣の解剖図説。こちらが主眼だと思うし、じっくり見たんだけど、そも解剖図説に詳しくないから十全に楽しめなんだ。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
架空の医師スペンサー・ブラックによる伝説上の生物の解剖
図とその生涯の伝記の二部構成。おそらくは後半の解剖図が
メインの描きたかったことで前半の伝記はその派生、もしく
は箔をつけるための後付けなのではないだろうか。解剖図も
伝記も何となく中途半端な印象は否めない。特に伝記は焦点
が多くそのほぼすべてがぼやかされたまま終わるので、狙い
はわかるものの表面をなぞっただけという感じに終わって
いる。解剖図も骨格と筋肉が主で他の器官があまり描かれて
いないのが残念。惜しい。 -
こうだろうなって思ったとおりのかんじ。よくもなく悪くもなく。図録もなんか詳しさが足りなくて、全てが中途半端でした
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変わった構成の本だったが、興味深く読めた。解剖図が見られるのは、珍しい。
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スペンサー・ブラック博士の生涯
子供時代
医学院
研究室C
結婚と変化
山羊少年
アメリカン・カーニヴァル
人間ルネサンス
有無スフィンクス
セイレン・オケアノス
山羊サテュロス
ミノタウロス・アステリオン
東洋ガネーシャ
火吹キマイラ
冥界イヌ
ペガサス・ゴルゴネス
東洋ドラゴン
馬ケンタウロス
ハルピュイア・エリニュス -
半分以上は図鑑です。
お話は鋼の錬金術師のアレを思い出す。
人の道を踏み外した医者。
名前から黒いしね。
中途半端に終わる話、妙に詳しい図鑑。
1時間程度で読めるし話のネタに。 -
最高にマッドな人物スペンサー・ブラック!
思想・行動どれを取ってもマッディーで素敵。