異形再生: 付『絶滅動物図録』

  • 原書房
3.82
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562050741

作品紹介・あらすじ

19世紀末、スフィンクス、ケンタウロスにハルピュイアなど
伝説の奇獣の解剖図を『絶滅動物図録』として記し消息を絶った
スペンサー・ブラック博士。
その数奇な人生をたどり、代表作『絶滅動物図録』を付した
ゴシック風味に満ちた奇書。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀アメリカの医師、
    スペンサー・ブラック博士の研究の秘密に迫る評伝と、
    彼の著書を抱き合わせにした書物

    ……という体裁の偽書スタイルのフィクションなのだが、

    作者の真の目的は
    伝説上の架空の生物の骨格標本などを
    描くこと(本書の後半『絶滅動物図録』)であって、
    真っ当な医者だったはずの博士が
    道を踏み外していった過程、
    つまり本書の前半「スペンサー・ブラック博士の生涯」
    は後付けだろうな、という印象。

    図録に心を惹かれて購入したのは確かだが、
    ラヴクラフト的なホラー小説を期待していたので
    ちょっと残念。
    妄想に取り憑かれた男の言動が常軌を逸していく様を
    もっと文章で丹念に表現してほしかった、というか。

    【余談】
     諸星大二郎ファンなので、読んでいて、ついつい
     『私家版鳥類図譜』『未来歳時記バイオの黙示録』を
     連想してしまった。

  • スフィンクス、ケンタウロス、ハルピュイア…神話・伝説の怪物たちを解剖する。19世紀、天下の奇書『絶滅動物図録』を遺して消息を絶ったスペンサー・ブラック博士。名声と絶望、その数奇な人生と奇獣との接点をたどる、ゴシック風味に満ちた一書。(アマゾン紹介文)

    ゴシックホラー小説+イラスト集という少々変わり種の一冊。
    前半の小説は、さほど目新しさのないマッドサイエンティストの栄枯盛衰。そこまで悲惨にせんでも…。
    後半のイラスト集(図説)は、あまり例のない、幻獣の解剖図説。こちらが主眼だと思うし、じっくり見たんだけど、そも解剖図説に詳しくないから十全に楽しめなんだ。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 架空の医師スペンサー・ブラックによる伝説上の生物の解剖
    図とその生涯の伝記の二部構成。おそらくは後半の解剖図が
    メインの描きたかったことで前半の伝記はその派生、もしく
    は箔をつけるための後付けなのではないだろうか。解剖図も
    伝記も何となく中途半端な印象は否めない。特に伝記は焦点
    が多くそのほぼすべてがぼやかされたまま終わるので、狙い
    はわかるものの表面をなぞっただけという感じに終わって
    いる。解剖図も骨格と筋肉が主で他の器官があまり描かれて
    いないのが残念。惜しい。

  • こうだろうなって思ったとおりのかんじ。よくもなく悪くもなく。図録もなんか詳しさが足りなくて、全てが中途半端でした

  • 変わった構成の本だったが、興味深く読めた。解剖図が見られるのは、珍しい。

  •  表紙を見ると、まず何かの生物の骨格が目に入る。
     生物の上半身は人間の骨格のようだが、その腕からは人間の骨格にはない棘のようなものが生えている。下半身には二本の足の代わりに長い背骨と、尾びれがある。
     まるで、人魚の骨格のようだ。
     この本は、スペンサー・ブラック博士が描いた、人魚やケンタウロスといった幻獣の筋肉・骨格図と、スペンサー・ブラック博士の生涯の二部構成となっているフィクションである。
     医師であったブラック博士が、奇形の人々を助けるために奮闘するうちに、幻獣の再生に躍起になる狂気に囚われていく様子が、本物のような記事やパンフレットと共に紹介されているので、まるでブラック博士が実在するかのように錯覚してしまう。
     本物のような骨格図パートも面白いが、伝記パートも十分面白い。

  • スペンサー・ブラック博士の生涯
    子供時代
    医学院
    研究室C
    結婚と変化
    山羊少年
    アメリカン・カーニヴァル
    人間ルネサンス
    有無スフィンクス
    セイレン・オケアノス
    山羊サテュロス
    ミノタウロス・アステリオン
    東洋ガネーシャ
    火吹キマイラ
    冥界イヌ
    ペガサス・ゴルゴネス
    東洋ドラゴン
    馬ケンタウロス
    ハルピュイア・エリニュス

  • 半分以上は図鑑です。
    お話は鋼の錬金術師のアレを思い出す。
    人の道を踏み外した医者。
    名前から黒いしね。
    中途半端に終わる話、妙に詳しい図鑑。
    1時間程度で読めるし話のネタに。

  • 最高にマッドな人物スペンサー・ブラック!
    思想・行動どれを取ってもマッディーで素敵。

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