ハーブの歴史 (「食」の図書館)

  • 原書房
3.70
  • (1)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562051229

作品紹介・あらすじ

ハーブとは一体なんだろう? 香草? 薬草? 
スパイスとの関係は? それとも毒? 
答えの数だけある人間とハーブの物語の数々を紹介。
人間の食と医、民族の移動、戦争……、
ハーブには驚きのエピソードがいっぱい。レシピ付。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 興味深かった!馴染みのないハーブもよく出てきて、全てが頭に入ったわけではないが、それでもハーブを好きになりたて初心者も、歴史などの「線」についてさらに興味を持つことができるようになる本だと思う。

    P14
    ・何を「ハーブ」と呼び、何を「スパイス」と呼ぶ日は、地理、歴史、その時代の輸送手段の偶然の産物にすぎない場合が多い。私たちが「ハーブ」と呼ぶ食材の多くは、伝統的にヨーロッパの菜園で栽培されてきた植物に含まれる。

    ハウトスパイスを厳密に区別するのは難しいかもしれない。

    現在の台所ところで、ハーブとスパイスの唯一の確かな違いは、この風味化合物の濃度だけだ。スパイスの方が常にの子で、なるべく文を引きを出せるように、料理の最初の段階で超える場合が多い。一方ハーブ、特に生のハーブは、食卓に出す前に揮発性の風味や香りが飛んでしまわないように調理の後輩に帰られる。

    P36
    ・ハーブの薬効ではなく、食材としての特性に注目した最初のハーブの本の1つが、ジョン・イヴリンの「アケーターリア(サラダ論)(1699年)」だ。

    P57
    ・ビールと聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるハーブは言うまでもなく、ホップだ。ホップの苦味成分プリンは防腐剤の役目も果たしている。新バビロニアにとらわれていたユダヤ人たちは、大麦のビールホップで味付けしていた。大プリニュウスは、ポップの若芽は香味野菜として調理できると記している。

    P76
    ・美しいノット、ガーデン(結びめ模様が特徴的な庭)は今も、イギリスでは、アントニーハウス、ハットフィールドハウス、セント・ファーガンス、ノウル、レッドロッチ博物館、アメリカでは、アレクサンドラ・ヒックス・ハーブ・ノット・ガーデン、ブルックリン植物園、クリーブランド植物園、ニュージーランドではダニーディンののアンザック・スクエア等で鑑賞できる。

    P89
    ・キャッサバの原産地はブラジルの熱帯雨林で、ブラジルでは主に根菜として消費されている。キャッサバの根茎はアフリカでも消費されている。

    P92
    ・アフリカさんで最も有名なハーブティーはルイボスティーだ。この葉も湿らせてから乾燥させると、酸化して独特の赤茶色になる。南アフリカでは、とっても濃く入れたものはエスプレッソの1種と考えられている。かつてはアフリカ南部に住むサン人やコイコイ人によって採取されるカフェインが含まれていない、紅茶の代用品として生様に紹介された。


    P100
    ・カレー粉はインドのスパイスではない。これはインド「カレー」の塊、マサラを再現しようとしたイギリス人植民者たちによって作り出されたものだ。

    P109
    ・実に奇妙なことに、海苔が伝統的な食材とされている地域は(日本の)外に1カ所しかない。
    それは、アイリッシュ海を挟んで向かい合うアイルランド沿岸部とウェールズ沿岸部で、ウェールズには海苔を煮込んでペースト状にした「レイバーブレット」と言う珍味がある。

    P121
    ・ユーカリの子は非常に効率よく水分を仕上げるようにできている。そのため、熱病を媒介する蚊の温床になっていた湿地を楽々と干上がらせることができたのだ

    P137
    カモミールは、アゾレス諸島、北アフリカ、西ヨーロッパ原産だが、現在は世界中の温暖な地域に見られる。カモミールとその起源の植物は、主にハーブティー利用されている。

    P150
    ・食用キクの原産地は、多くのキクと同じくヨーロッパ及び西アジアだが、キクを食材とするのは、東アジア(中国、日本、韓国、フィリピン)だけである。

    P151
    ・チャノキは、ヒマラヤ山脈の麗に近いような斜面が原産地だが、古代に中国へ、その後日本へと伝わった。茶が輸出されていたほとんどの地域に届けられたのは乾燥した茶葉だけで、茶の苗木は小さな薮のような木が生息できる日本と南アジアまでしか伝わらなかった。

    P156
    ・異文化同士が初めて遭遇するときには必ず、料理の素材と技術のやりとりが行われる。人が人である限り、住む土地が変わっても、色に関する自分なりの考え方は変わらない。その出会いは本質的に植民地主義的かもしれないが、少なくとも、料理と言う意味では互いがより豊かになれる。

    P157
    ・料理の技術の伝搬は、戦争によって勝者と敗者に分け隔てなくもたらされる唯一の持続的な恩恵だろう。兵士たちは皆、なじみのない土地や文化に配備される必要な栄養を配給で全て満たすのは不可能だ。そこで兵士たちは、自分たちと全く違う食べ物を食べている人に設置し、新たな嗜好を身に付けて故国に帰る。

  • 日本人のイメージするハーブってどんなものだろうか。

    ハーブティー
    バジルやルッコラなどの香味野菜

    この本を読むと、まずハーブの定義から始まるのだが、植物学者と料理人の定義は全く異なり、その論争はとても熱い。

    また、ある国では野菜として扱われているものが、ある国ではハーブと分類されていたりする。
    日本で馴染みの海苔や昆布が紹介され、アフリカやアメリカの全く聞いたことのないハーブがたくさん出てくる。
    そして世界中のいたるところでハーブがいかに身近にあり、普段の料理に取り入られ、生活に欠かせないものであることかが紹介されている。

    古代から現在に至るまでのハーブがどのように広まっていったか、またどのように扱われていたか、その歴史も面白い。

    少しマニアックな内容かもしれないけれど、ハーブや料理がお好きな方には、知的好奇心をくすぐられおすすめ。

  • ふむ

  • 3F閲覧室
    A/617/717712

  • 2015年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 617.6//A41

    【選書理由・おすすめコメント】
    自分が興味のある種の本であったため。また他の人も読んで面白い本だと思ったため
    (化学科、1年)

  •  日本でもすっかりおなじみになったハーブ。そんなハーブの歴史をひも解いたのが今回の本だ。

     ハーブとは何かという問いに対して、著者曰く次のように述べている。何を持って「ハーブ」と呼ぶかは、その時代、場所と言った「偶然の産物」に過ぎない場合が多いと指摘している。起源に関してはっきりしない者だってたくさんあるので、「ハーブ」とはこうだと言いきれなくても不思議ではない。いい香りならいいと思うがそれを言ったらおしまいだな。

     世界各地のハーブが紹介されているが、その中でも驚いたのが「日本の海のハーブ」だ。想像のつく方もいらっしゃるかと思うが、そうです海苔のことです。ハーブ同様、食材になるし、香りもする。ただし、日本以外で海苔を食べるのはアイルランド沿岸部とウェールズ沿岸部のみに限定されるそうだ。昆布に関しては、イギリスとスコットランドにおいて健康に有害な雑草として禁止されている。それではうま味の成分を発見しなかったのは無理もない。

     中世の植物学者で占星術師であったニコラス・カルペパーは、「英国薬局方」というラテン語で書かれた本を英訳して、手ごろな値段で出版した。そうすると医師たちから激しい抵抗があったそうだ。いつの時代も既得権益を持つ者のうま味を侵そうとするとは芸七校が起きるものだ。「原子力ムラ」ならぬ「ハーブムラ」か。

     ハーブティーを飲んですがすがしい気分になりたい今日この頃だ。

全6件中 1 - 6件を表示

ゲイリー・アレンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ローナ・ピアッテ...
ニーナ エドワー...
ハンナ・ヴェルテ...
キャロル ヘルス...
ローナ ピアッテ...
エラ・フランシス...
ウィリアム ルー...
スペンサー ジョ...
ミシェル フィリ...
アンデシュ・ハン...
ミヒャエル・エン...
クラリッサ・ハイ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×