- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562051229
作品紹介・あらすじ
ハーブとは一体なんだろう? 香草? 薬草?
スパイスとの関係は? それとも毒?
答えの数だけある人間とハーブの物語の数々を紹介。
人間の食と医、民族の移動、戦争……、
ハーブには驚きのエピソードがいっぱい。レシピ付。
感想・レビュー・書評
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日本人のイメージするハーブってどんなものだろうか。
ハーブティー
バジルやルッコラなどの香味野菜
この本を読むと、まずハーブの定義から始まるのだが、植物学者と料理人の定義は全く異なり、その論争はとても熱い。
また、ある国では野菜として扱われているものが、ある国ではハーブと分類されていたりする。
日本で馴染みの海苔や昆布が紹介され、アフリカやアメリカの全く聞いたことのないハーブがたくさん出てくる。
そして世界中のいたるところでハーブがいかに身近にあり、普段の料理に取り入られ、生活に欠かせないものであることかが紹介されている。
古代から現在に至るまでのハーブがどのように広まっていったか、またどのように扱われていたか、その歴史も面白い。
少しマニアックな内容かもしれないけれど、ハーブや料理がお好きな方には、知的好奇心をくすぐられおすすめ。 -
3F閲覧室
A/617/717712 -
2015年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
通常の配架場所: 開架図書(3階)
請求記号: 617.6//A41
【選書理由・おすすめコメント】
自分が興味のある種の本であったため。また他の人も読んで面白い本だと思ったため
(化学科、1年) -
日本でもすっかりおなじみになったハーブ。そんなハーブの歴史をひも解いたのが今回の本だ。
ハーブとは何かという問いに対して、著者曰く次のように述べている。何を持って「ハーブ」と呼ぶかは、その時代、場所と言った「偶然の産物」に過ぎない場合が多いと指摘している。起源に関してはっきりしない者だってたくさんあるので、「ハーブ」とはこうだと言いきれなくても不思議ではない。いい香りならいいと思うがそれを言ったらおしまいだな。
世界各地のハーブが紹介されているが、その中でも驚いたのが「日本の海のハーブ」だ。想像のつく方もいらっしゃるかと思うが、そうです海苔のことです。ハーブ同様、食材になるし、香りもする。ただし、日本以外で海苔を食べるのはアイルランド沿岸部とウェールズ沿岸部のみに限定されるそうだ。昆布に関しては、イギリスとスコットランドにおいて健康に有害な雑草として禁止されている。それではうま味の成分を発見しなかったのは無理もない。
中世の植物学者で占星術師であったニコラス・カルペパーは、「英国薬局方」というラテン語で書かれた本を英訳して、手ごろな値段で出版した。そうすると医師たちから激しい抵抗があったそうだ。いつの時代も既得権益を持つ者のうま味を侵そうとするとは芸七校が起きるものだ。「原子力ムラ」ならぬ「ハーブムラ」か。
ハーブティーを飲んですがすがしい気分になりたい今日この頃だ。