- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562060900
作品紹介・あらすじ
ロンドンで美術教師をしているミス・シートンは名付け親が遺してくれた田舎のコテージへ行くのを楽しみにしていた、。しかしその前の晩、暴漢が女性を襲うのを見かけ、持っていた傘で撃退、犯人の似顔絵も描いて警察の捜査に協力した。この事件に新聞記者は新たなヒロイン誕生と大喜び!「闘うこうもり傘」と名づけて大々的に記事にした。おかげでミス・シートンは初めて訪れた村でも有名人に。あれこれと噂が飛び交ったり、助けてほしいという少年が訪れたり、さらには逃げた暴漢がミス・シートンを狙っている・・・・!?
感想・レビュー・書評
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美術教師のシートンおばさま……というよりは、彼女の周辺のひとびとのあたふたを楽しむシリーズなのかも。絵で推理というのは面白い。
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タイプライターとか所々古いと思ったら、本国で1巻目が出たのが60年代なのか。
さらっと読める文章と、読みにくい文章がある。
美術教師の主人公が絵を描いて警察に協力するスタイルが面白い。
警視さんも彼女の絵に敬意を払っていて、頼りにしてるのもいい。
絵の解読シーンが一番楽しかった。
真面目で正直な主人公だけど、やることはド派手。
あれだけ巻き込まれているのに本人に危機感がなさすぎて、読んでて緊張する。
著者が亡くなってからも別の人が書き継いでいるのも気になります。雰囲気が変わるんだろうか。 -
変わったキャラクターをヒロインに持ってこられましたね。シリーズは全てこんな終わり方をするのかしら?
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ヘロン・カーヴィックの【こうもり傘探偵】シリーズ第1弾!
物語の主人公はロンドンで美術教師をしているミス・シートン。
引退も考える年齢ということですが、具体的な年齢や容姿に関する情報は物語中に一切出てきません。
そんなミス・シートンは、名付け親から相続した田舎のコテージに数週間滞在することにします。
しかし、出発の前日に巻き込まれた事件をきっかけに、田舎での生活も予想外の展開に。。。
こちらの作品は1960年代の終わりごろに発表され、半世紀近くを経てようやく翻訳されたもの。
著者についての秘密が訳者あとがきに書かれていますが、長く愛されてきている作品のようです。
ミステリでありながら、ファンタジー的な要素もあり、幅広い読者を獲得できそうなシリーズだと思います。
ミス・シートンは日本語で言うところの「天然キャラ」で、本人が真摯な気持ちで起こす行動がのちに大きな騒動につながっていきます。
その主人公のキャラクターを補完するということではないですが、いわゆる相棒役になる警視が「キレものキャラ」。
コージーミステリでは、「警察があてにならず、主人公が事件の解決までがんばる」という設定が多いですが、この作品はミス・シートンと警視のダブル主演感が強かったです。
警視が本当に理解があって頼りになる存在として描かれています。
この二人のコンビネーションが今後どう発展していくのかが楽しみです。
ミステリとしては、倒叙ミステリ的な感じで、悪い奴をどう追い詰めていくのかというのがポイントになるのですが、そのあたりは割と淡々としていた印象です。
全体的にはテンポが良く、次々にいろいろなことが起こるので、慌ただしいお話かと思いきや、不思議な心地良さがあり、落ち着いた気持ちで読める作品だと思います。
さまざまな登場人物の視点で描かれていくスタイルで、村が舞台ということもあり、アガサ・クリスティーのマープルシリーズの雰囲気に似ているなと感じる面もありました。
個人的にはもう少し、生活を感じられる描写が多いとうれしいです。
◇おすすめポイント
・美術教師の主人公の独特の感性
・キレもの警視とガタイのいい部長刑事の活躍
・頼りになる個性的な村の女性たち
◇こんな方におすすめ!
・引退したら田舎のコテージで暮らしたい
・傘が好き
・天然キャラが好き