いちばんちいさいトナカイ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

  • 評論社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784566006683

感想・レビュー・書評

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  • 青の濃淡をベースにした、マイケル・フォアマンの美しい水彩画に先ず目が奪われる。
    これは、月並みなクリスマスのお話とはひと味もふた味も違う。
    エンパイアステートビルが描かれたページが五ヶ所もあり、舞台は高層ビルの林立するマンハッタン。
    クリスマスのプレゼントの中に紛れてしまった迷子のトナカイは、ここで偶然ひとりの少年に出会う。
    「すごいプレゼントだ!」と喜ぶ少年は、誰にも知られないように大事に大事にトナカイを育てていく。
    めぐる都会の季節と、そこではぐくまれる友情と、そして別れと希望と。

    そりの鈴の音が今にも聞こえそうな描写。
    遠くの空を見つめるトナカイの、淋しさをたたえた眼差し。
    それに寄り添う少年も、いずれ訪れる別れの淋しさを予感している。
    そしてトナカイの望みを叶えてあげようとした少年の気持ちも、実にうまく捉えている。
    でも、ただのお別れではない。
    ちゃんと続きもあるので最後までしっかり読みきって、絵もよーく見せてやってね。
    美しい挿絵とともに、少年とトナカイのあたたかい交流が、いつまでもこちらの心に残る名作。
    愛するものというのは、所有物ではなくて天からの預かりものなのだと、そんな哲学まで味わうことの出来る、深い内容がある。
    約9分。5,6歳から、大人まで。
    今年はもう機会がないけど、来年はぜひお話会でこれを読みたい!

    ところで、そりをひくトナカイには一頭ずつちゃんと名前があるのね。
    皆さんはご存知でしたか?

    • vilureefさん
      こんにちは。

      ルドルフしか思いつきません(笑)
      名前決まってるんですか!??
      気になります。
      こんにちは。

      ルドルフしか思いつきません(笑)
      名前決まってるんですか!??
      気になります。
      2013/12/26
    • nejidonさん
      vilureefさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      おお~!「ルドルフ」という名前のトナカイさんがいるのですね!
      一...
      vilureefさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      おお~!「ルドルフ」という名前のトナカイさんがいるのですね!
      一頭だけでもご存知ならすごいです。
      私なんて、名前があるということすら知りませんでした。

      ところで、本の中ではこう書かれています。
      『たった六、七とうの とくべつなトナカイだけが
      あのそりをひけるのを 少年はしっていました。
      一とう一とうのなまえを そらでいえるほどです』

      ・・・・つまり、それぞれの名前は紹介されていないのです。
      でも、まさに衝撃の事実でして・・(笑)
      まだまだ自分がクリスマスのビギナーだと思い知らされました。
      今度調べてみますね!
      2013/12/27
  • クリスマスプレゼントを運ぶソリから一番小さなトナカイがプレゼントと一緒に少年の所に届きます。1年かけて一人前に育ったトナカイがソリを引いて飛び去って行きます〜

  • 娘が図書館で選んだ。速攻で買いたくなった。
    絵は水彩でとても素敵。細部までいくらでも眺めていられる。
    ストーリーは、最初から、え?このあとどうなるの?ハラハラドキドキできてしまう展開で、とても引き込まれます。
    いちばんちいさいトナカイが、プレゼントに紛れ込んでしまって、ソリに積まれて運ばれてしまう。雪の中に落ちて、おそらくニューヨーク?のビルの屋上に到着。そこで男の子と出会い、次のクリスマスまでの一年間を過ごす。トナカイが空を飛んでいるときとかに、「大人に見つかってトラブルおこる?」とか、ドキドキしますが、春夏秋…と順調に過ぎることがわかり安心する。・・・と思ったら、あ、また冬が来るな、というあたりで「もしかしお別れがくる?どうやってお別れするの?」とそこはかとなく悲しくなる。でもでもでも、男の子が実は、1年後にはお別れすることがちゃんと分かっていたようだ、と気づき、少し安心する。
    ・・・という具合で、心にぐいぐい刺さってくるストーリーでした。少し切なく、でも心が温かくなる、とても良い絵本だと思います。

  • 図書館

  • 30年度 2-3
    29年度 2-1  4-1 4-3
    27年度(3-3)
    8分

  • 【11/23】近図。季節の本(=トナカイ)&12月の「これ読もっ!!」で紹介

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著者プロフィール

1938年生まれ。イギリスの絵本作家、イラストレーター。『ネコが見た”きせき”』などの絵本のほか、『走れ、風のように』『世界で一番の贈りもの」『負けるな、ロビー!』『弱小FCのきせき』などのマイケル・モーパーゴ作品に挿絵を描いている。

「2021年 『ヒナゲシの野原で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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