- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566024236
作品紹介・あらすじ
放射能汚染をまぬかれた谷間で、たったひとり生き残ったアン。そこにやってきた見知らぬ男の正体は?-少女の目を通して、核戦争後の恐怖を描く傑作ミステリー。待望の改訳新版!1976年エドガー・アラン・ポー賞受賞作。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
登場人物も舞台の広さも最小限なのに、面白さが最大限。
こんな状況、しかもまだ10代だというのに、主人公がとてつもなく実直で、応援したくなる。
世界に自分1人が生き残るのと、嫌なヤツと2人きりになるのと、どっちがいいかといえば、私は前者です。 -
世界の終末での日常と異常。
面白かった。
余談だけど装丁の「海外ミステリーBOX」のロゴマーク、場所を移動することはできなかったんだろうか。わざとなのかな -
核戦争の後。放射能の影響を受けない谷に暮らす生き残った少女。1970年代の作品だが、現在においても得るべき教訓のある本だと思う。高学年~YA向けの書籍ではあるが、大人にも。
-
クリス・パイン大好きなので出演映画の原作であるところのこちらを購入。試写会に行ったあと、直前に買ってあったこちらを読み始めたんだけど、読むの止まらなくてあっという間に読了してしまった…。
これほんとに児童書?って思うくらい辛くて怖い話だった…。
しかも40年以上前の作品なのにまったく古さを感じさせない。それだけ人間は進歩してないってことかと暗澹たる気持ちにもなる。
昨日試写会の後に解説してくれた松崎さん(だったかしら?)が、「原作者はこの作品を完成させる前に亡くなられたので奥さんと娘さんが完結させた。ネタバレになっちゃうからあんまり言えないけど、それを踏まえて読むと興味深い」的なことを仰っていたんだけど、ほんと興味深い…。
これどこまでが原作者の方が書かれてた所なのかな…。14章より先までは書いてたのかな…。
児童書だけど、これ小学生の時に読んでたらトラウマになるわ…。
読んでよかったとは思うけど心が重いです。 -
決してすっきりする読後感ではない。
読み進める内に色んなものが次々と怖くなる作品だった。 -
核戦争後、放射能汚染を逃れた谷間。主人公のアンはたった一人生き残った15歳の少女。畑を耕し、家畜の世話をして何とか冬を乗り越えたある日、遠くから見知らぬ男がやってくる。彼は敵か味方か…この本が震災の一年前に改訳されたこと、今手にとって読んだことに不思議な縁を感じます。(原書は1974年!)これは物語の世界だと思いながらも、防護服、ガイガーカウンター、ガンマ…など今や聞きなれた用語が出てきて、時々ふと現実と重なる部分がありました。アンのもとにやってきた男がどんな行動をとり、アンの生活、未来はどう変化していくのか。物語はアンが書いた日記によって明らかになっていきます。放射能も怖いけれど一番怖いのは極限状態に追いやられた人間の行動。ひたひたと迫る恐怖にドキドキしながらアンの行く末が気になり一息に読みました。若いのに我慢強く、逞しく、賢く、勇気ある少女アンを応援する気持ちでした。