増補新装[カラー版]日本やきもの史

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784568400861

感想・レビュー・書評

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  • ここ数年、縄文土器とか茶器とか茶器とか明治時代の超絶技巧とかに触れる機会が多々あって、個別に楽しんでいたものの、流れをつかみたくなった時に、都合良く増補新装されていたので購入。

    まあ、背景なんてわからなくても縄文土器と茶器は大好きなんだけど、それでも背景がわかるとなお楽しめるからね。

    縄文土器いいよ!縄文土器!!

  • (感想)
    縄文→弥生の断絶、西日本でのやきものや暮らしの痕跡がぷっつり消える。
    弥生土器は、縄文とはまるで異なる文化の人たちが作ったようにみえる。
    大陸からやってきた弥生人に追い払われた、というよりは、
    破局噴火によって、西日本では縄文人が絶滅してしまったのだろうか。
    縄文の文様は、アイヌの文様に通じるように思う。

    また、戦国時代に入る混乱期にもクオリティがぐたっと下がったりする。
    伊万里焼のルーツは、朝鮮出兵時に日本に連れてこられた人であったり、
    明→清の混乱期に明の職人が流入したことにより、クオリティが上がり、流れる文化のベースもまったく変わる。
    明から欧米へ陶磁器の交易が東インド会社などにより確立されていたことから、
    生産ベースを長崎近辺に、オランダ人が明の職人を連れてきてうつしたのだろうか。

    江戸時代あたりから、美術史的な意味があるのは欧米への輸出向けであったり、蒐集品、という色合いが濃くなる。

    ここに取り上げられているのは、縄文土器にしても祭祀に用いられたものであったり、近現代の美術価値的な蒐集品にしても社会構成におけるポジションのサインとなるもの(呪術的道具)が主で豪華なものが多い。

    すぐれた作品が生みだされ、後世へと残されるためには、安定・平和・豊かさによる文化の積み重ねが必要である。
    歴史に名を残すことのなかった累々と積み重ね連なってきた市井の人々の暮らしを想像するために、飾り気のないやきものの欠片をもっとみてみたくなった。

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