組織の盛衰: 何が企業の命運を決めるのか (PHP文庫 サ 7-11)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569568515

感想・レビュー・書評

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  • 日本軍や炭鉱など過去の事例を分析し組織のあり方について言及している本。事例考察はとても面白く参考になる。組織が崩壊していく様は昨今同じ形である。
    では何が大切なのかと問題解決に関して話が繋がるのだが、最終的にはヒューマンウェアが大切だ!とあっさり終わってしまうところが少し物足りない。恐らく96年の著書なので当時としては新しかったのだろう。
    文庫にもかかわらずかなり読み応えのある作品だった。

  • ・組織には共同体と機能体がある
    ・共同体は、一人一人の満足を目的とした家族のような組織。理想は、終身、安住
    ・機能体は、外的目的達成が目的。理想は、最少労力での達成。

    ・強い機能組織を作った例、織田信長。しかし、機能としては生きにくいのが人間。だから明智光秀が謀反した。目的追求のためには組織の機能体化が必要だが、徹底すればたいていの人は耐えられなくなる。機能体もある程度の共同体的要素を許容しなければならない。だから組織は難しい。

    ・劉邦が天下を取った漢政権は、前漢後漢合わせて400年も中国を統一国家とできたのか。「部門長」(現場の指揮官)と「参謀」(企画部や開発部)と「補佐役」(隠れた小さな問題を発見・解消する役)があったからと劉邦は述べている。

    ・組織気質の点検は5項目。構成員のやる気。組織間の協調度。命令実行度。倫理、何が良いことなのか。

  • 最初は難しく感じたが、後半に入って内容が現実に即したものに変わってくると、一気に読めた。<br />1996年ごろ、バブル崩壊後の執筆だが、現在の世界同時不況時の日本の状況とぴったりと附合するところがあり怖いくらいだ。<br />本書を読んで、日本企業は冷戦後の新しい体制を作るべきなのかもしれない。<br />戦後冷戦期の高度成長期という、たった一度の成功体験におごることなく、拡大成長路線だけでない、新しい企業体制を作るべきではないかと思った。<br />今回は図書館で借りたが、手元に置いて何度も読み返し自分の知識としたい内容であった。

  • 内容としては、戦国時代や帝国陸海軍などを組織論で分析し、解説してある。また、良い組織とは何なのか。今後はどういう組織が理想なのかが語られている。あとは、「利益質(クオリティオブベネフィット)の向上」を追及せよ、と。すなわち外延性(新規顧客)、継続性(一時的なものか、継続的なものか)、高感度(顧客、従業員、世間)だと。かなり刺激になります。

  • 大学のときに読んで影響をうけました。
    なぜ、豊臣政権が短命なのか・・・。

    成功体験への埋没 がテーマです

    この本から実は石田三成が好きになりました。

    ちなみに僕にとって堺屋太一の本は、この本が
    最高傑作で 「日本を創った10人」以外に
    出版されている本は読むまでもない・・・ということ
    を教えてもらった著者です。(あくまで私見)

  • ※ 未読です。

  • いわゆる教科書には分類されないが、組織論の理論と実践の自分的バイブル。複雑系マネジメントにも通じるものがある。

  • 自分の組織は、その組織に所属している人の満足のためにあるのか?それとも、対外的な目的を果たすためにあるのか?多くの気づきが得られる1冊。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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