- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569600895
感想・レビュー・書評
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図書館で題名に惹かれて手に取ったが、
正直、題名倒れだと思う。
息子も私が枕元に放置していたのを、
読んでいたみたいだが、
『結局、これ、この人の意見ってことだし。』
と冷ややかに言い放った。
そうなのである。
谷川氏には何の悪感情もないのだが、
彼のやり方は、彼がたまたま成功したのであって、
このやり方に素直に従ったものなら、
おそらく生き地獄を味わう事になると思う。苦笑。
ひげをのばして上司に逆らったことも、
ただ単に『学生時代のままのパッションで生きようと決めていたから』という、
浅はかな信念に他ならない、っていっても、
結局能登半島に飛ばされるとあっさりひげを剃ってしまう。
そんなにこだわっていたのなら、
何故に最後まで貫きとおさなかったのかと、
私には理解できない。
ただ単にその組織に服従(と言う風に思っている気がしてならない)したくない、
という手前がってな思想だけなのだとしか思えない。
上司の言う事には必ずと言っていいほど反発。
定時に上がる。
付き合いは断る。
正直、私はこういう部下は遠慮願う。
組織の調和を乱す人間が、
どれだけの社員のこころを踏みにじっていることか。
いろいろなことを述べているが、
結局は自分のことしか考えていないからである。
トップにそう言う自己中な人間が鎮座する組織は、
部下の手腕が優れていてこそすれ成果は何とか保てるが、
影ではどうにもならない職場に、
自身が転出して活路を見出すしかない状況を、
私は目の当たりにしてきている。
もちろん、トップのことを表で悪く言うやつはいない。
(いや、中には1mしか離れていないのに、
私にトップの無能さを切々と訴えたツワモノもいたが。苦笑。)
当人は声がおそらくでかいのだと思う。
会議に多く出席している人は感じていると思うが、
日本の社会は『声のでかいもん勝ち』な部分が多い。
内容ではなく、
発言力のあるものが会議の勝敗を握るケースが多いのだ。
そう言う中で彼はうまく生き延びてきた人種なのかもしれない。
最後まで読もうと頑張ったのだが、
あまりに偏屈な思想に我が脳みそが拒絶反応。
まだ半分残っている段階で表紙を閉じた。
『私はこうやって成功した。』と言うのは大いに認めるが、
万人に向かってのアドバイスにはならない典型例なのかも。
少なくとも、敵を多く作り、
胃潰瘍続出になること間違いなしだと思う。
私は、交渉術は敵対術ではないと思う。
その人の人柄に惚れこむ、尊敬する。
そうありたいと思うような、
そんなコミュニティを紡ぎたい。
人との繋がりは、
『闘って勝敗を決める』ものではないからだ。
ま、最後まで読んでないので彼のことを曲解しているかもしれないが、
少なくともこの書物を最初から読んでいる限りでは、
私と息子は最期まで読む気になれず、
途中で投げちゃったと言うのを見ても、
なんだかなーな内容であった。
※ 谷川須佐雄(たにかわ すさお)
1948年石川県生まれ。武蔵大学経済学部卒業。
1988年戦略発声法研究所を設立。ヴォイス・アナリスト、交渉コンサルタントとして
新しい時代の人間関係論を追及している。
美術コレクター、バリトン歌手の側面を持ち、
講演、コンサルタント、執筆、テレビ、ラジオなど活動範囲は幅広い。
プロメッサ総合研究所代表、日本交渉学会理事、
日本アンダーライター教育認定機構、武蔵野大学、東京都市大学講師
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