うつを治す (PHP新書 111)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569610849

作品紹介・あらすじ

誰もが経験する気持ちの落ち込み。でもそれが一週間以上も続いて眠れなくなったり、食欲が落ちてきたりしたら要注意。「うつ」に苦しむ人が増えている。「うつ病」は「心の風邪」ともいわれるが、「気持ちの問題」として軽視すると、自殺などによる死に至る危険も小さくないと著者は警告する。本書では、本人にも周囲にも気づかれにくい症状の解説と併せて、認知療法、SSRIを用いた薬物療法などの治療法を紹介。辛い気持ちを抱えた多くの人たちをやさしくサポートする。

感想・レビュー・書評

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  • 明確に区別はできないけど広いうつとうつ状態の違い、うつのサイン、対策や治療なんかのうつ病の基礎の基礎を学ぶには良い本。うつになった原因を追及し過ぎてもいけない、気分が沈んだ時1つのことにこだわっていないか考えるなど自分でも実践できそうなことが書いてある。

  • 10年前の本なので薬物療法は情報が古い感があったが、基本的なことは今も同じ。

  • うつ病について、その症状や治療法を紹介してあり、そしてわかりやすい。

    自分がうつとはいかないまでも落ち込んだ時に読みかえしてみたい。

  • うつについて,症状から治療方法までを平易に概説.うつ状態からうつ病まで連続的なものであること,原因を追求するよりも目下の問題解決に目を向けるほうが有意,脳内の伝達物質のバランスが変化した状態が要因,環境の変化などで強いストレスを感じた時に精神的な態勢を立て直すための適応的な意味をもつなどの記述に共感.心の「風邪」といってすぐ治ると軽視するのは禁物.寛解状態になってからも1年くらいは薬物治療を継続すべきであるし,かつ再発性が高いと注意を促している.治療に関して,心理的方法として3C(Congnition,Contorol,Comunication)が大事と簡潔にまとめられるとともに,薬物療法の概要がまとめられている.情報が一通り整理されている.

  • 正しく知って、正しく治す。

    やはりこういう分野は研究が進むから、10年経っている今とはちょっと違うなと思いました。

  • 本書の構造として、前半はうつとはどのように診断されるのか、どういった症状が現れるのかを紹介する。後半はその治療として心理的治療、薬事療法、社会的治療の内容が説明される。印象に残った部分は心理的治療と薬事療法の章だ。
    心理的治療はものの捉え方や対処法を見直すことで気持ちを落ち着かせる治療方法だ。その基本的な考え方にある、認知、コントロール感覚、コミュニケーションの見地から参考になる方法が紹介されている。中でも認知の部分は個人で実践でき、過剰に悲観的にならないためのよい方法だと思った。乱暴にまとめれば、自分の認識が現実的であるか見つめる、認識から導かれる結論の意味を多面的に解釈するという内容だ。ものごとを冷静に柔軟に見つめることがうつの予防や緩和に結びつく。
    薬事療法の章では、自分はうつ病を軽く考えすぎていたと感じた。生半可な知識があったせいか、うつは薬で治せると考えていたからだ。確かに薬事療法は有効であるものの、その治療には発症から一年はかかるという。薬の効果が現れるまでにラグがあることと、途中で薬を減量すると慢性化したり再発の恐れがあるからだ。症状が軽くなったからといって薬を減らすとうつが慢性化することがある。そのため症状が軽くなっても発症期と同量を飲み続けることが望ましいとされている。これは良くなっているのに薬を減らせない患者の気持ちや副作用を考えるとバランスが難しいところだと思う。再発しやすいという点も厄介だ。大うつ症状を発症した人は50%以上が再発したという結果が紹介されている。このように治療には長い時間がかかり、辛抱強く対処しなければならない病気であることが分かる。
    うつは究極には自殺に結びつく可能性があるため、慎重に考えなければならないテーマだ。その深刻さを訴えた上でエピローグの「辛抱強いとりくみは必ず効果をあげる」の一文に好感を感じられる。全体に丁寧に書かれている印象を持ち、大変理解しやすい内容だった。2000年の発行とはいえ、基本的な考え方は捉えられると思う。

  • ●うつについて知りたい時

  • うつ病治療について、とてもわかりやすく書かれていて、とても参考になっています。
    主治医とのコミュニケーションで聴きとりづらかったときなど、あらためて読みかえすと、キモチの整理ができたりと、なにかと役だっています。
    あせらずぼちぼち、回復への道、段階的にのぼってゆきたく思うこのごろでした。

  • 文章の所々に読者への配慮と優しさが感じられて好感。前半にはうつ病とはどのようなものか、後半にはうつ病の治療にはどのようなものがあるかが書かれています。「うつ病になりやすい人は几帳面できまじめな人が多く、きちんと最初から読もうとするが、それでは疲れて辛くなったりするので、目次にざっと目を通して自分に役立ちそうなところから読んでみて下さい」といった事を著者は序章で述べています。全体的に文章が平易で、読者が読みやすいように構成されています。うつ病ってよく聞くけどどんなものだろう?と初めて本を手にする人にオススメです。

  • [ 内容 ]
    誰もが経験する気持ちの落ち込み。
    でもそれが一週間以上も続いて眠れなくなったり、食欲が落ちてきたりしたら要注意。
    「うつ」に苦しむ人が増えている。
    「うつ病」は「心の風邪」ともいわれるが、「気持ちの問題」として軽視すると、自殺などによる死に至る危険も小さくないと著者は警告する。
    本書では、本人にも周囲にも気づかれにくい症状の解説と併せて、認知療法、SSRIを用いた薬物療法などの治療法を紹介。
    辛い気持ちを抱えた多くの人たちをやさしくサポートする。

    [ 目次 ]
    プロローグ 身近な“うつ”に要注意
    第1章 うつ病のサイン
    第2章 うつ病はどんな病気か
    第3章 うつ病の心理的治療
    第4章 うつ病の薬物療法
    第5章 うつ病の社会的治療
    エピローグ 社会全体でのサポートを

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著者プロフィール

一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
1950年、愛媛県生まれ。慶應義塾大学教授などを経て現職。日本認知療法・認知行動療法学会理事長。認知療法活用サイト「こころのスキルアップトレーニング」監修。著作に『はじめての認知療法』(講談社、2011)、『こころが晴れるノート』(創元社、2003)、『認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアルガイド』(星和書店、2010)、『不安障害の認知療法』(監訳、明石書店、2013)、『〈正常〉を救え──精神医学を混乱させるDSM-5への警告』(監訳、講談社、2013)、「認知行動療法の新しい潮流シリーズ」(監修、明石書店)ほか多数。

「2016年 『ベックの認知療法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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