縄文農耕の世界: DNA分析で何がわかったか (PHP新書 125)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569612577

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  • 遺伝子のばらつきが少ないのが栽培種

  • 稲作農耕の以前は 農業は何を作っていたのか?
    5500年前の 三内丸山遺跡から クリが大量に見つかった。
    クリが見つかった地層の花粉から 
    その地域の木はクリが80%ちかく覆っていたと推定される。

    クリのDNA分析をして 野生のクリのDNAは バラつきがあるが
    三内丸山遺跡のクリのDNAは そろっていた・・・。
    それは 栽培することによって DNAがそろったのでないか?
    と仮説を立てる・・・

    仮説からさまざまな問題が生まれる。
    1本の木ではないか?
    ほかのDNAが混じっていないか?
    など・・・それをクリアーしながら 
    クリが栽培されていたことを 確認する。

    DNA分析ができたとしても 栽培されている ということを
    証明することは難しい・・・・。
    クリはイネのように DNA解析のデータベースがない。
    そして 一体栽培とは何か? という問題に突き当たる。

    クリは 自家不和合なので 
    さまざまなクリができるはずなのであるが・・。
    そして 栽培植物が 付随して 登場する。
    ヒエ ニワトコ マメ エゴマ ヒョウタン・・・
    そして イネはあったのか?

    縄文農耕は どのような農業なのか?
    仮説と推定の中で その農業像をうき彫りにする。

  • [ 内容 ]
    農耕文化は従来弥生時代の水田稲作の渡来が起源とされてきた。
    だが三内丸山をはじめ縄文遺跡で発掘されるクリは栽培されたものではないか?
    縄文人は農耕を行っていたのではないか?
    著者によれば、「ヒトの手が加えられるにつれ植物のDNAのパターンは揃ってくる」という。
    その特性を生かしたDNA分析によって、不可能とされていた栽培実在の証明に挑む。
    本書では、定説を実証的に覆した上で、農耕のプロセスからそれがヒトと自然に与えた影響にまで言及する。
    生物学から問う新・縄文農耕論。

    [ 目次 ]
    プロローグ 縄文農耕をどう捉えるか
    第1章 縄文時代を読み解くクリの存在
    第2章 縄文農耕の実像にせまる
    第3章 農耕は何をもたらしたか
    第4章 縄文農耕と現代

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著者プロフィール

1952年生まれ
京都大学大学院農学研究科修士課程修了
総合地球環境学研究所副所長・教授 農学博士
序章執筆
主 著 塩の文明誌(共著,NHKブックス,2009),イネの歴史(学術選書,2008),よみがえる緑のシルクロード(岩波ジュニア新書,2006),稲の日本史(角川選書,2002)など


「2010年 『麦の自然史 人と自然が育んだムギ農耕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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