オ-ロラの彼方へ (Michio’s Northern Dreams 1)
- PHPエディターズ・グループ (2001年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (89ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569618944
感想・レビュー・書評
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小学生の頃、サンタさんがくれた本です。この本に出てくる言葉には全て魂がこもっていて、ふとした瞬間に思い出し、励ましてくれたり、「そうだよね」と居場所を確認させてくれたりします。星野道夫さんのことをより知りたくなるような一冊です。
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S図書館
シリーズ1作目/5
文庫本サイズ、89ページ程
主にオーロラ時々クマの写真で文章少し
文章は本人作品の抜粋
2001年奥さんのあとがき
《抜粋》
20数え切れないほどのオーロラを見上げた
24オーロラの撮影のためルース氷河に入ったここは宇宙と対話ができる不思議な空間だった
暗黒の空を生き物のように舞う冷たい炎
34まるで瞬きをするような感覚で流れ星が落ちて行きます
《感想》
オーロラが好きな人はこの本
一生かかっても見ることができないオーロラ
普段ではあり得ないことをたくさん体験して、心を捉える鋭い五感をお持ちなのだろう
惹き付けられる文章だ -
「山から下りてきたムースが、パチン、パチンと水気のないヤナギの小枝をついばみながら、家の近くの森の中でじっと寒気に耐えている。」
東京では目にすることも耳にすることもできない動物達の息づかいが感じられる本。ただ生きることだけに集中する世界が広がるアラスカを思いださせてくれる本。 -
2016/09/18。
何度目の再読か…
奥付を見たら、2003年の9月に第一版12刷発行とのこと。随分長いことこの本は我が家にいらっしゃるんだなあ。
星野道夫さんの写真ももちろん、なのだけど、とにかくこの文章が好き過ぎる。
何度読んでもその度にひたひたと心の底の方までその言葉が沁み込んで来て、何だか泣けてくるのです。
ルース氷河の上に降るような星、遠く氷河雪崩や氷河の軋む幽かな音、突然閃き、やがて全天を覆い尽くすオーロラ。
マイナス50度なんて軟弱なわたしに耐えられないだろうと思いながら、いつも心に想い描く風景。憧ればかりの募る極北。
わたしの周りの人たちは、行きたいところばかりのわたしをなんて単純でミーハーな奴だと思っていることだろう。わたし自身だってそう思ってる。簡単に影響ばかり受けて、実行力のない単細胞と。
でもきっと、星野さんならば笑わずに頷いてくれるのではないかと、いつも勝手に思うのだ。
その風景の中に、たとえ一生現実に立つことがなかったとしても、その風景を思い浮かべることは自由なのだと。
むしろそれはその人自身の心を豊かにしてくれる。
わたしは星野さんの言葉に心の底から救われたのです。昔からTVだとか雑誌で出会う風景に素敵だ、行きたいと言うたびに家族から「お前はどこだっていいんだな」なんて笑われてたけど、わたしはその風景を今でも心の中で大事に大事にしまっているんですよ。
いつか本当に見に行けるかもしれない。一生行くことも叶わないかもしれない。
だけど、それを想うことはわたしの心を深く広く豊かにしてくれる。
でもやっぱりアラスカにはいつか実際に行ってみたい。 -
アラスカの写真集。オーロラがメインだけど、オーロラ=とにかく厳しいアラスカの冬、というイメージ。凛とした寒さがオーロラを引き立てている。
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これほど幸せな生はない。それが共有できて本当に嬉しい。
そのままで素直な本物の詩。太古の人々の愚直さを取り戻せた人の言葉。 -
写真もだけど、ことばがすごくいい。
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好きな作家、星野道夫の遺作。
亡くなられた後に遺族によって監修、発刊。
全て素晴らしい写真と文章だが、なかでも刺さった文章。
「フェアバンクスの雪は、空から地上へと、梯子を伝うようにいつもまっすぐ降りてくる。雪の世界の美しさは、地上のあらゆるものを白いベールで包み込む不思議さかもしれない。人の一生の中で、歳月もまた雪のように降り積もり、辛い記憶をうっすらと覆いながら、過ぎ去った昔を懐かしさへと美しく浄化させてゆく。もしそうでなければ、老いてゆくのは何と苦しいことだろう。」
いつか、アラスカに行きたいと思う^^