空海と密教: 情報と癒しの扉をひらく (PHP新書 218)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569623634

感想・レビュー・書評

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  • 空海の生涯と思想について解説している評伝です。

    サブタイトルが「「情報」と「癒し」の扉をひらく」となっており、空海の思想を「情報」と「癒し」という二つのキーワードで読み解くという、奇をてらったコンセプトをもつ本ですが、内容は比較的手堅く書かれた空海の入門書です。たとえば著者は、高野山を生命との一体性を実感するための「癒し」の空間とし、東寺を密教思想の「情報」を発信するための場とするなど、いくつかの箇所で上の二つのキーワードを用いていますが、とくに目をひくような空海の思想の現代的解釈が提出されているわけではありません。

    ただし、「著作と思想」をあつかった第十章は、本書のなかでもとくにページ数がすくなく、十分な解説がなされているとはいえません。著者は空海の思想を、「教理」と「教判」、「縦の軸」と「横の軸」という二つの異なる分類によって整理し、「即身成仏」「密厳国土」「十住心」「顕密対比」のそれぞれを割りあてるという見通しを示していますが、その具体的な中身については本書を読んだだけでは理解することができませんでした。

    空海の生涯とその人物像について知るためには、有益な内容だったように思います。

  • 37542

  •  「空海」と「密教」という興味あるテーマにひかれて本書を手にとって見たが、あまりに違った文化体系の専門的な内容に、思わず白旗をあげる思いで読み終わった。
     「空海」の生涯の概略は、わかったようにも思えたが、当時の社会制度を理解した上で「空海」を知ることはできなかったようにも思えた。ようは、本書のみでは「空海」は理解できないのだろう。「空海」のキャラのイメージも、本書ではわいてこない。
     「密教」については、本書を読んでもまったくわからなかった。もっと基礎的な知識がないと「密教」については理解できないのだろうか。
     「宗教学」の本は、あまり読んだことはないのだが、「空海と密教」を知るには、もっと基礎的な本からチャレンジする必要があると思った。
     本書は、読んでも空海の経歴以外はよく理解できなかった。

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著者プロフィール

1945年 香川県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。種智院大学講師、同教授、国際日本文化研究センター教授を経て現在、種智院大学学長。文学博士(京都大学)。密教学専攻。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「1994年 『密教大系』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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