コンサルタントの「現場力」 どんな仕事にも役立つ! プロのマインド&スキル (PHPビジネス新書 11)
- PHP研究所 (2006年8月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569654089
感想・レビュー・書評
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「質問力」のほうを先に読んでいて、こちらの本の中にも「質問力」が出てくることからも、彼が本当に押したいのはそこなんだろうな、と改めて感じました。まぁ、現場が大事なのはコンサルタントに限ったことではない、という点は非常に納得はできますけどね。目新しさが無かったこともあり、全体を通して、いまひとつ言いたいことが伝わってこなかった感じがしてしまいました。残念。
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プロセスコンサルティングでは、コンサルタントが自分で答えを出すのではなく、クライアントに考えさせ、そのクライアントなりの答えを自ら出してもらうことを重視する。クライアントが調査レポートを書いて、クライアントがビジョンノートを、戦略シナリオ、事業計画などのアウトプットを出すのだ。(p.15)
コンサルタントはとことん現場に執着する必要がある。たとえば私は、企業の顧問という名前をつくっていただいて、一緒に営業現場に行ったり、一緒になってITの提案書をつくって、一緒にクライアントのそのまたクライアントの工場に行って在庫管理の分析をしたりしたことがある。(p.45)
このプロジェクトの本当のテーマは一体何なのか、一体何を答えとして一番重要なことなのかということを、最初から突き詰めて考える人と、これを最後のレポート作成のさいになってからする人間とでは、最後に大きな違いが出る。(p.54)
閾値脳という考え方がある。左脳と右脳の話で言えば、まず徹底的に左脳に詰め込む。そうすると、左脳のバケツがあふれる。それが閾値がいっぱいになったということなのだが、その瞬間ピーンとくる、ある考えが浮かぶ、ということだ。(p.63)
コンサルタントが自分からこうしろああしろとするよりも、場を盛り上げて場をつくって相手をその気にさせる、あるいは包み込むことのほうがよっぽど物事がうまくいくことが多い。(p.83)
組織は人の集まりだ。個がパワーアップすれば組織も大きくなる。かつ、組織がパワーアップされていると、個もその勢いに巻き込まれ、さらなるパワーアップが図れる。こういう相乗作用を起こすことができれば、プロジェクトは俄然勢いを増す。(p.91)
迷った時には、「どっちを選んだ方が自分をもっと好きになれるか。もっと頼りに思えるか。」を基準に選択する。(p.107)
どうも日本人にはネガティブ思考が強いらしく、1つだけのたたき台は徹底的に否定の嵐にさらされる。尖った部分を徹底的にたたかれる。だから、複数のオプションを提示して、それを選ばせる。(p.141)
「ゼロベース思考」というものはそんなに簡単なものではない。その理由は、一番大きいのが自分の自己存在ということに固執しすぎる、というところにある。つまり、自分の価値観やポジションや経験というものに、どうしてもとらわれてしまうのだ。だから経験があればあるほど、できにくいとも言える。(p.150) -
HRインスティテュート代表野口氏のPHPシリーズの一冊。比較的容易に読めるが、理論書というよりは実務的コラム的ビジネス書。著者の性格や考え方が随所に刻まれているので、野口氏のファンは喜びそうな内容だと思った。
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コンサルタントの必読書。
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初版は2006年。
当時はあまりピンとこなかったが、
5年経って再度読み直すと得ること多し。
「蝶ネクタイチャート」をこれから活用しよっと。
本は時間をおいて読み直すに限る。 -
コンサルタントの仕事と聞けば、経営陣の前でプレゼンしてたり、現場とは離れて仕事をしているイメージがありますが、この本を読めば違うことが分かります。
メーカーでも販売の仕事とだけではなく、どの仕事でも現場が大事なことが伝わってきます。
ただ、「現場」をテーマにした本を読むのであれば遠藤功さんの「現場力を鍛える」のがお薦めです。
この野口さんはたくさんコンサルについての本も書いてて、すごく読みやすいのだけど、堀紘一さんとか遠藤功さんとか小宮さんと比べると後に残るものがいつも少ないのが残念。 -
■現場力
=「仕組む力」(既存のモノを強くする)と
「仕掛ける力」(新たな開拓)に大別
■思考力
・仮説思考(常に仮説、一歩踏み込んで原因を掴みにいく感覚)
・フレームワーク思考(ロジックツリーとマトリックス、軸取りが重要)
・オプション思考(オプションマトリックス、それぞれ色のある案を複数)
・ゼロベース思考(全体を客観視、女性に倣う)
・本質凝縮思考(抽象化し、整理し、捨て、抽出する)
・シナリオ思考 -
そんなに独特のことが書いてあるわけじゃないけど、かゆいとこにも手が届いた丁寧な書きぶりなので、読みやすくてわかりやすい。
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以前にコンサルタントの「質問力」を読んでいたので期待して読み始めました。
不思議な本。
傲慢な感じのする文章で、どこそこの会社のだれだれはどうだとかこうだとかが書き出しから延々続き、「コンサルタントはこうでなきゃいけない」風で読みにくく判りづらい変な本というのが最初の印象でした。
著者の業界がそうなのか著者自身の性格なのか、著者が対象としている読者層が良くわからず、説教と自慢しかない感じがして、読むのを頓挫しかけたのですが文量が多くない事に助けられそのまま継続・読了しました。
前段の反撥感から一転、なるほどと思える箇所が重なり最後は大いに共感できるというなんとも不思議な読後感があります。
論理・仮説・表現
「そもそもモレがなくダブリがない戦略なんて存在しない。」「過剰なフレームワークは必要ない。本質はロジックツリーとマトリックスだけ」「叩き台は叩かせない」「丸くなっていない尖った案を生き残らせる」など、コンサルタントと思えないぶっとんだ主張が読むにつれて見えてきました。
反芻が必要な本です。