- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569660639
作品紹介・あらすじ
『孫子』が長く読み継がれる理由、それは『孫子』が単なる兵法書にとどまらず、人々の心と行動を見すえ、勝負の哲学にまで高めていることにある。人の世は常に競争であり、勝負の連続だ。また勝負である以上、勝たねばならない。本書は、『孫子』に影響を受けた二人が、『孫子』の戦術をもとに、戦いに勝つための原理原則について熱く語りあった本である。競争社会で生き残る智恵が身につく一冊。
感想・レビュー・書評
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渡部昇一、谷沢永一、知という知の巨人たちが「孫氏」を語る。知識があるだけでなく、それをどう活かすべきかについて、太平洋戦争に例を取りながら解説している。それが会社の経営にも通じるところが多分にあってとても勉強になる。参考にしたいと思うところが多すぎるので自分にとって戒めになる3つだけ。
■兵は詭道なり…正直なだけでは生き抜けない
■主は怒りを以って師を興すべからず…一時の感情で行動を
興すな
■半ば済らしめて之を撃たば利なり…宋襄の仁(ええかっこ
しい)では勝てない。
年初に読んだ高橋是清の本に出てきた、日露戦争時に日本に金を貸してくれたユダヤ人投資会社クーン・レーブが1940年に日本に使者を送ってきたことが書かれていた。ユダヤ人を苛めるドイツと手を組むのは何事か、という趣旨だと思われる。これを取り上げる機運も当時はあったらしいが、日独伊三国同盟を締結して帰国したばかりの松岡洋右の一喝で話が立ち消えたらしい。翌年から石油が止まってしまった。色々なウラ話もあって面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
谷沢永一(1929-2011)、渡部昇一(1930-2017)による孫子の解釈。2003年の初版。孫子を紐解きながら、大東亜戦争、太平洋戦争の振り返る点で、他の孫子本と趣を異なるものとしている。大東亜戦争を昭和の世代、特に昭和の賢人がどのように振り返ったのか、を知ることができる。
地政学的に日本とアメリカの関係は先の大戦から変わっておらず、世代が変わっても、同じことが起こりうる。残すべき良書である。 -
経営戦略という面で参考になりました。
ビジネスにつながりにくい部分もありましたが
(勝つ)という本質を捉えているなと思います。
ただ少し例など上がっていますが個人的に今いる自分の立場によりこの考えの捉え方変わってくるものなのでいらないかなととも思いました。 -
vol.110
神頼みは危ない!?なぜ、迷信を封印しなければならないのか?
http://www.shirayu.com/letter/2011/000217.html -
2018/01/19 19:07:49
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孫子の書籍は最近はビジネス書として用いられることが多いが、この本は孫子の入門書ではなく、孫子の兵法から太平洋戦争を総括した本でした。
おそらく、入門書から入り、次の応用本としてこの本を読んだ方が孫子の兵法が理解できたはず。
・算多きは勝ち、算少なきは勝たず
・城攻めをしてはならない
・敵を知り、己を知れば負けることはない
・始めは処女のごとく、後は脱兎のごとく -
宋襄の仁への戒め。
情に流されることなく、数字・算盤で我が身を守る。
君主論、韓非子に通じる冷徹さを備えてこそ、成し遂げられる仁がある。
勝敗には運もあるが運を引き寄せるのは、げん担ぎで勝負は変わらない。 -
保守論客巨人の二人(失礼?)の共著。
右寄りというイメージが強いが、戦前の軍部に対してかなりの批判をしている。ちょっと意外。どちらかと言うと戦前の軍部批判本に近い。
孫子が知りたいのなら、他の方を読んだほうがいいと思います。 -
2011.8.4読了
敵を知り、己を知る
勝負はスピード
変化に対応する柔軟性 -
これは一昨年(おととし)に読んだ。私の知らないうちに谷沢永一が保守派の論客となっていた。しかしながら、プラグマティズムの要素が色濃く、実際的な発想となっている。
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