- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569677811
作品紹介・あらすじ
キャラクタービジネスを手掛ける小さな会社に転職した紺野真穂。26歳。大手企業の下請け業務が中心で、プロジェクトの主役にはなれず、いわば「エキストラ」ですけど、それが何か?社会の隅っこにいたって会社の下っ端だって、意地とプライドでいい仕事、目指しますから!憧れの先輩、面倒くさい同僚、困った後輩と共に、さあ今日もお仕事ですっ。共感度ピカ・イチのワーキング・ガール小説。
感想・レビュー・書評
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面白かったです♪
主人公・紺野真穂。
就職氷河期で、滑り込み就職した会社が三年後に倒産。
再就職先のキャラクタービジネス会社で初めての営業に配属されて…。
基本、お仕事小説なんですが、紺ちゃんの片思いがくすぐったくてね。
天然で立ち直りは早いが、大事な場面で緊張すると「へっ?」と気の抜けた返事をしてしまう紺ちゃん。
同じプロジェクトチームの大賀センパイに恋い焦がれ、
思いを詠った短歌がこれまた愉快で。
「いつまでもひとところに留まってちゃいけない。
毎日頑張ってるんだから、今の君はあの頃の君とは違う」
凹んでいるとき、こんな言葉をさりげなくかけてくれる大賀センパイ。
あ~、素敵です。
「紺ちゃん」と初めて呼んでもらえたときは、
自分のことのように、ときめいちゃいました♪
俺たちは所詮、世の中という舞台の中ではエキストラ。
でも、だからこそできることもある。
舞台の隅っこで自由にそれなりの自我を持って踏ん張り続け、
そしていつかはステージの中央にいるスターを食ってやる。
「!」マークのついたエキストラ。
うん、いいですね!
「仕事」ってなんだろう。「働く」ことにはどんな意味があるんだろう。
で始まる大好きな荻原浩さんの「解説」も良かったです。
肩の力がふっと抜けて、元気をもらえた一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題のインパクト。
そして最初の数行が生々しくってそれが面白い。
技術者と営業の立場がその通りだなと共感してしまいました。
よくあるトラブルや1つのものを作り上げていく達成感など、楽しく読ませて頂きました。 -
楽しすぎて休みの日1日で読んでしまった。
主人公の紺ちゃんがイキイキと仕事をしていて、
私も休み明けの仕事頑張ろっかなと思わせてくれる。
大賀センパイが最高にいい男です。職場に欲しい。 -
キャラクターデザイン会社に転職した紺野真穂(26)のお仕事小説。
「エキストラ!」を改題。
能天気なのでクヨクヨ悩まず明るい主人公。
憧れの大賀先輩の言動で一喜一憂、モチベーションにして仕事を頑張る姿勢は好感がもてます。
ライトな感じ。 -
あー、キュンキュンした。
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軽いテイストながら文章はしっかりしてるし、仕事しているところもたくさん描かれているので息抜きとして楽しめました。裁量労働制で終電間近まで残業の日々なんて、私だったら嫌すぎるけど、太陽のように思い憧れている男性社員と同じプロジェクトチームにいるなら張り切っちゃうかな。
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誰だってあると思う疑問「仕事とは?」そんなギモンを解決してくれるのがこの本だ!
これから就活に入る時期の私からしたら、共感はできないものの、いい時期にこの本と出会えたなと感じた。
「人のために仕事をする」「会社のために仕事をする」そんなのきっと人それぞれなんだろうけど、自分なりのしっくりストンとくる答えを見つけてあげるだけで、きっと各人の仕事をする意味が分かってくるのではないかなと思った。
実は初めて読む吉野万理子さん。彼女はもともと脚本家だったそうで、それも伺えるようなテンポの良さ。ただ、一つひとつのシーンの切り替えがちょっと早いような気がして、もっと読みたかった…と思わされた部分が多かったのが残念。スラスラ読める文章なので、ぜひ一度手にとって頂きたい! -
頑張る女性のお仕事小説。キャラクタービジネスの会社に勤める女性が、憧れのチームリーダーと一緒にプロジェクトに奮闘する。自分の会社が世間の標準からけっこう外れているので、20代半ばでプロジェクトにどのくらい深くかく関わるのかとか現実味がよくわからないけど、彼女の「働くってどういうこと」というテーマに、彼女なりに気が付いたり、その先輩が重ねてもっといいこと言ってくれたりしてなるほど。続編はないのかしら。憧れがどんな風に変化していくのかも知りたいのに。