- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569677873
作品紹介・あらすじ
「『源氏物語』は怨霊鎮魂の書である」「足利義満は病死ではなく、暗殺された」「徳川吉宗は経済オンチだった」-日本史の通説を、頭の固い学者たちの盲論と喝破。表面的な知識を学ぶだけでは物事の本質に迫れないばかりか、大きな誤解をしかねないと警鐘を鳴らす。在野の立場から説く、人間の本質を突いた日本史論。
感想・レビュー・書評
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歴史学者達が作ってきた「正当な歴史」の考え方を疑ってかかり、「常識で考えれば」として見方を変えて数々の人物や出来事を検証している。
かなり面白いと思った反面、筆者が「歴史学者が囚われている常識」に対し「人として常識的に考えれば」と持ち出す手法には矛盾というか違和感はある。しかし幾度も本書で語られるように、歴史は後の人達の都合や利害によって是非や善悪が語られるものであり、鵜呑みにすることなく見る角度を変えて物事を見る姿勢は大切だ。
「信仰が過ぎると他者に不寛容になりテロに繋がる」とか際どい言説もあるが、「生類憐みの令」はそれまでの生命軽視の倫理観を日本人の中で大きく変えさせた という見方はなかなか興味深いものがあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の歴史本はこれで2冊目ですが、この本が導入としては面白かったかも。現代の私たちの生活に合った例え方をしているので分かりやすかった。歴史については学校で習った暗記科目というだけであったけれども、人間の常識に当てはめて考えたときには習ったことが実は違うんじゃないかと思えるくらい説得力がありました。
こういう風な歴史の見方もあるんだよ、と学生時代に歴史を学んでいればもっと興味を持って歴史を楽しく学べたんじゃないかとも思ったり。
他の作品も読んでみたいと思う。 -
一般的な歴史的見解も、別な見方をすると一転するのだなぁと思った。この方の本は、いつも面白いと思う。
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この方の本も出ると買ってしまうナ。
小学校の頃、夢中になったムーの大人版のような感覚です。
おかげで、日本史の復習が出来ます。 -
久しぶりに井沢さんの日本史の本を読みました。井沢さんの「逆説の日本史」に初めて出会ったのは高校生の頃、浪人中に読みふけって、やっぱり文学部に行くべきかと悩んだこともありました。今思うと学者の権威を真っ向から否定する歴史観を持っていたら、学者として花開くことは難しいかったんだろうなとも思います。それでも依然として彼の歴史観を支持しています。権威がある人が言っていることが正しいって思っていることは必ずしも正しいことではなく、知識は知恵がないと使い物にならないということは、今も変わらず思い続けています。
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・井沢元彦の本を読むというだけでワクワクする。
*扶桑略記の、天智天皇の最期を書いた部分が見てみたい。行方不明になったとされる記述の後に、数十字抜けている、あるいは脱落させられていて正確には読めないが -
2009.07 PHPエディターズ・グループ刊行『「常識」の日本史』を改題。加筆・修正したもの。
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当時の「常識」を加味せず狭い視野でしか物を見ていなかったり、人がどう動くかの原理がスッポリ抜け落ちてたり、専門バカが陥りがちな部分を、専門外の著者が鋭く通説をひっくり返す。