脇役スタンド・バイ・ミー (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569679655

作品紹介・あらすじ

日々の暮らしの中で、ふと関わった誰かの悩み。あなたは見てみぬふりをしますか、それとも?アパートの上の階の女性が殺人容疑をかけられたら。尊敬していた先輩が定年後の再雇用を認められなかったら…。一つひとつの事件に隠された意外な真相。そしてすべての謎が解かれた時、いつもそばにいた「あの人」に浮かび上がる、切なくも優しい真実とは!?思わずもう一度読み返したくなる、連作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編、といっても共通するのはおぼろげに示されている場所と、庶民の相談を受ける脇田という警官で、あとは独立したお話。
    殺人やら事件が起こったり空騒ぎがあったりするが、登場人物はみなそれを見つける側、つまり脇役(事件側から見れば)。脇役なりに、警察へ届けた方がいいか悩んだり、自分で何とかしようとしたりと右往左往する様子は不謹慎ながら微笑ましい。人物が彩り豊かな印象。働く人、引きこもりの人、恋する人、心配する人。他人がどんなことを考え動いているんだろうと、ふと思わされる。
    脇田さんについてのラストは結局謎のまま?あまりみない終わり方。

  • 二人の男の間で揺れるOLの物語から始まる、六話+最終話からなる連作ミステリーです。
    ご近所トラブルから殺人事件の容疑者探しと、バラエティ豊かな内容に感じられました。
    多くの人物が登場しますが、誰もが生きいきしています。明るい人ばかりではないけど
    苦悩する姿もリアルで、人物描写全般に好感が持てました。なかなか面白かったです。

  • 謎が人生を狂わせていく
    謎は思考を混乱させていく
    謎の深淵を覗き込んでいく
    謎を解決へと導いていく

    全てに寄り添う脇役は最終的に不在となる
    落ちが綺麗に纏まっているけれどすべてを明らかにしない手法、たまらないです。

  • 「瞳の中の大河」「黄金の王 白銀の王」と、重厚感たっぷりの異世界ファンタジーで魅せてくれた作者の、意外なほど軽快な連作ミステリ。全6作がどれも小粒ながら佳作揃いで、以前読んだ2作にはおよばずとも良い作品だなーと思います。

    しかし…たぶん賛否ある最終話で印象がガラリと変わりました。まさかの展開にどう受け止めてよいか混乱気味ですが、良し悪しを別にして驚かされ、しばらく記憶に残り続ける作品になったことは間違いないと思います。

  • 「日々の暮らしの中で、ふと関わった誰かの悩み。あなたは見てみぬふりをしますか、それとも?アパートの上の階の女性が殺人容疑をかけられたら。尊敬していた先輩が定年後の再雇用を認められなかったら…。一つひとつの事件に隠された意外な真相。そしてすべての謎が解かれた時、いつもそばにいた「あの人」に浮かび上がる、切なくも優しい真実とは!?思わずもう一度読み返したくなる、連作ミステリー。」

  • 起承転結がはっきりしてる短編ミステリー集。
    特に最初のお話「迷ったときは」は
    優柔不断な私にもすごく当てはまったし
    「迷ったときはこうしようと」思えたお話だった。

    最終話はまさかそんなオチ!?と思える話で
    今まであまり見たことない終わり方で新鮮で面白かった。

  • 2015.1.18

  • 小さな事件にも殺人事件にも、いつもあの人がそばにいた。脇役としてキラリと光る連作小説の登場人物と思いきや、予想外の真実が!
    最後にもう一工夫あると、歴史に残る作品になったかも。そう思うと実に勿体ない。沢村さんの「あやまち」も「カタブツ」もそうなんだよなあ。

  • (収録作品)迷ったときは/鳥類憧憬/聴覚の逆襲/裏土間/人事マン/前世の因縁/脇役の不在

  • 短編連作6編+最終話。
    不思議な感覚の話だった。
    沢村凛さんの多様な技があるんだなあ。
    第1話「迷ったときは」簡単に決められなくても、これからの人生を行く上でプラスになるような話になった。

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常生活のひだを的

「2013年 『ヤンのいた島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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