イノベーション思考法 (PHP新書 512)

著者 :
  • PHP研究所
3.06
  • (4)
  • (10)
  • (26)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 162
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569696812

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昨晩、慶應MCC夕学五十講で、著者の講演を聞いてきました。,金融アナリストの懐古主義的楽観論や極端な悲観論に辟易していたところで、医師出身の切り口を聞いてきました。さすがに、海外ご経験が長いためか、英語のワードが多かったです。,,多くの方が書評でも指摘されていますが、氏の真骨頂は、日本社会・産業の世界史のなかでの現状認識と思いました。,だから、何をすればよいのかという将来展望のところでは、海外先進企業(アップル、グーグル)の事例の紹介にとどまってしまうところもありますが…。,,結論を極端にまとめると,・国際的に人的ネットワークをつくりなさい。,(外国人の友達を作りなさい),・教育の改革が肝要,といったところです。,,「ガラパゴス化」というワードを、悪い意味合いで用いられており、日本の産業を「極端にクチバシが特異な形状で進化したフィンチ(鳥)」に例えられて、島では通用しても島の外では通用しないと、訴えられておりました。,,恐れながら最後に質問させて頂きました。,「低炭素社会のシフトへの日本企業の対応、技術or排出権取引etc.」,黒川氏は、電力会社の分割(ガス会社は日本に何百もあり過ぎる! ドキッ)、地域の独自なエネルギーグリッドの構築(ex.地熱利用)など引き合いに出されて応えて頂きました。,排出権取引へのコメントはなし(少々残念)。

  • 以前読んだ本を再読した。少し古い本だが、内容的にはほとんど古びていない。
    イノベーションという言葉は1990年代以降、日本では特に2000年以降に頻繁に使われるようになった言葉である。
    では、イノベーションとは何か。それは創造的破壊である。破壊を伴う点が、単なる技術革新と異なる。既存のルールを破壊し、新たなルールをもたらすもの。それがイノベーションである。
    日本では、イノベーションを叫ばれながら、現実にはイノベーションは進んでいなかったと言って良い。では、イノベーションを阻むものは何か。それは、日本人の「内向きの思考」である。真のイノベーターは、世界の市場のルールを変えようと考える。しかし、日本企業はどうしても内向きの思考で、世界を視野に入れた戦略は描けていない。さらに、政官業の鉄のトライアングルが、イノベーションを阻む。
    では、真のイノベーターを育成するにはどうすれば良いか。それは、内向きの思考を外に転じる教育である。留学生を受け入れ、若いうちに海外を見て、視野を広げること。海外に友人を作ること。その触発の延長にしか、イノベーションを起こす人財は作れない。会社に属して働く人材ではなく、人財を育成することが最重要である。

  • 3

  • 産業革命からの経営環境を振り返り、現在はイノベーションが求められる時代だと説く。またイノベーションを生み出すためにどのような環境を整えるべきかを論じている。

    「イノベーション思考法」との題名だが「思考法」についてはほとんど触れられておらず、「イノベーションが必要な理由」に終始しているように感じる。イノベーション思考とはどんな思考なのかについて具体的な説明すらない。内容的にも陳腐で特に新しい視点や考え方はない。経営史の基本書でも読んでおいたほうが勉強になる。
    こういう題名詐欺的なものはやめてほしい。

  • イノベーションに必要なこととは?

    →出る杭にチャンスを与え、中から変える必要がある
    そのためには、失敗を活かす文化を醸成しなくてはならない

  • 気になった部分。

    ・地域クラスターとは、異業種の人たちが一つのコミュニティをつくって、みんなで自由にはなしているうちに新しいアイデアが出てくることを可能にする場所。

    ・日本人は事の善し悪しより努力そのものを評価する。やたらにガンばれを連発する。目的より体面や手段のあり方に拘泥し、目的を失いやすい。

  • 言葉にしてしまうと、イノベーションて何と平易なんだろう。本書の内容は、然りであるが、それ以上響いてはこなかった。
    本書より、黒川氏の実物のインパクトは、物凄い。ランチBOXを抱えて余り聞く耳を持たない外国人投資家数十人を、スーッと引き込む英語での話術と、資料無しなのに説得力のあるプレゼンは素晴らしかった!

  • ■イノベーション
    1.イノベーションの本質は、過去の成功体験や既存権益を守ろうとする内部の抵抗をはねのけ、組織や社会の持続のために必要な変革を成し遂げることにある。
    2.-新しいアイデアを見つけるだけでは、イノベーションとは言えない。そのアイデアを社会に広め、経済成長を呼び起こし、社会を変えて初めて、イノベーションと呼べる。

  • 凝り固まった日本人の思考に風穴を開けるための本。

  • 産業革命以降の革新にまつわることを網羅的に少ない紙面で述べており、イノベーションって何?って言うことが簡単に分かる本

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1936年生まれ。東京大学医学部卒業。1969年に渡米、1979年UCLA内科教授。1983年帰国後、東京大学内科教授、東海大学医学部長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術会議議員(2003-06年)、内閣特別顧問(2006-08年)、WHOコミッショナー(2005-08年)などを歴任。国際科学者連合体、国内外の学会および大学の理事、役員など幅広い分野で活躍。国会福島原発事故調査委員会委員長(2011年12月‐2012年7月)で AAAS Award for Scientific Freedom and Responsibility 受賞(2012年)、Foreign Policy 紙の100 Top Global Thinkers of 2012に選出。現在、MITメディアラボ、コロンビア大学客員研究員、GHIT(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)、日本医療政策機構などの代表理事・会長、政策研究大学院大学客員教授、東京大学名誉教授など。

「2016年 『規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒川清の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×