- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569705453
感想・レビュー・書評
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今の世界恐慌の一部を分かりやすく解説している。
インベストバンカー、ヘッジファンドを思いっきり叩いてる。
まあ、わからんでもないけど。
でも、ちょっと全面的に賛成とはいえないな。
騙されるほうが悪いのよ、とも思うんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勉強になった
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「朝まで生テレビ」でおなじみの堀鉱一氏の最新刊です。
昨年後半から始まった恐慌について、その原因からこれからどうすべきかまでを書いている本です。
とても分かり易く書かれているので、経済や金融に疎い人でも、2時間位でサクっと読めると思います。
今、何が起こっているのか、何故こんなことになったのか良く分からない、でも難しい本を読むのは苦手という方にお勧めです。 -
サブプライムローン問題を解決するために米国は必死になっていると思います、つい最近も70兆円程度の緊急融資を決めて金融不安が広がるのを食い止めようとしていると私の目には映っていました。
しかし堀氏によればこれは序の口であって、本当の地獄はこれから始まるとこの本では解説されています。堀氏の予測が当たらなければ良いと思ってはいるのですが、残念ながらかなりの部分は当たってしまうのでしょうね。
金融資産というものがこの10年以内に価値が変わってしまっているかもしれないので、おカネでは置き換えのできないものにも自分の時間を投資しておきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・日本の広域暴力団が多くの弁護士を抱えているのは、法律違反ギリギリのところをするためである(p23)
・サブプライムローンは、アメリカの不動産が値上がりし続けることを前提にしていたので、その前提が崩れれば破綻する可能性がおきる単純なこと(p28)
・世界中のGDP合計が5000兆円において、CDS(企業版の生命保険)の市場は6000兆円ある(p33)
・経営破綻したベア・スターンズは、残存資産が足りていたのでCDSすべての保証支払いがただちにされた、リーマンは足りないと予測されているが、AIGよりもCDSの保有量は少ないとされている(p34)
・アメリカにある5大プロフェッショナルは、医師・弁護士・公認会計士・経営コンサルタント・インベストメントバンカーである、後者2つが資格試験のないもの(p43)
・経営コンサルタントのギャラは時間で決まるが、バンカーのギャラはコミッション商売(扱い金額の一部)である(p46)
・インベストメントバンクの暴走は、第三の業務に過ぎなかった「ディーリング部門の巨大化に始まる、業務内容は、商品間・時間差・地域差の裁定である(p48)
・サブプライムローン、CDSよりも大変な問題になるのは、CDO(資産担保証券)である、CDOは社債、公債、証券類(サブプライム関係、CDS含む)を数多く集めてきて、独立したデリバティブにしたもの、これにより商品リスクが低減されていることが巧み(怖い)ところ(p78)
・A社がB社発行のCDSを100億円購入し、B社がA社発行のCDSを100億円購入すると、お互いの保険が相殺され、引当金(100億円)が不要(簿外取引)となる、引当金なしで高利回りの社債保有が可能となる(p95)
・ヘッジファンドが集めている表向きは40兆円だが、レバレッジ10倍として400兆円、さらに証拠金取引をすることで4000兆円の金を動かしていることになる(p103)
・AIGの顧客にはアマチュアが多く、リーマンの顧客はプロフェッショナルが中心だったので、AIGが救済された(p107)
・アメリカには大きな恐慌が3回起きている、1837年、1873年、1929年である、過去との決定的な違いは、インベストベンクの巨大化とヘッジファンドの存在である(p157)
・日本において年金には「30%ルール」がある、株が大きく下がると買いを入れる必要がある、現在はそれ以上に外国人投資家が売っているので日本市場は暴落している(p167)
・不動産会社の三菱地所、三井不動産の株は絶好の買い時である(p176) -
9784569705453 2009・1・7 1版1刷
◎サブプライム、リーマンショックについて著者の視点で書いた内容。
非常に分かりやすく教科書として採用してもいい。
▲後半には著者の個人見解があるので意見は別れそう。 -
サブプライム不況の影響を
自分はモロに受けているわけではないけれど、
仕事柄やっぱりちょっとは知っておいた方が
良いだろうということで読んでみた。
コンパクトにまとまっていて、とてもわかりやすい。
そして、著者の意見には共感。
(どこまで正しいのかはわからないが…。)
この本を読んで、2年前の自分の就活時代を思い出した。
そのころは景気がよく、投資銀行は超人気企業の一つだった。
新卒一年目から、年収がボーナス込みで一千万円超。
お給料でも仕事のハードさでも超一流、
とてもやりがいのある仕事に見えた。
けれど、自分が投資銀行を選ばなかったのは、
「投資銀行は、本当に世界全体を幸せにしているか?」
最後の最後までこの問いに
納得のある回答を示してくれる人がいなかったからだ。
「金が全て!」、決してそんな人ばかりではなかった。
「お前のその疑問を解決させるために、
まずは徹底的に資本主義の世界に
飛び込んでみるのも一つの手だぞ」、
そう言ってくれたドイチェの人もいる。
親身になって相談に乗って下さった日興シティの人もいる。
投資銀行が生まれ変わった姿で復活してくれるのを期待したい。 -
◆今回の金融恐慌の本質について、問題提起と仮説提起をする。「金融資本主義」の罪と罰。
◇金融のある特定の分野に詳しい人はいても、すべての分野をトータルに理解している人は数少ない
◇法的にも論理構成上にも問題がない商品が、実は大問題だったのである。
◇CDSはなんと6千兆円もの巨大市場であり、極論だが、もしCDSで保証している企業のすべてが倒産したら、保証を引き受けている人たちに対し、トータルで6千兆円の支払い義務が発生することになる。
◇そもそも金融資本主義には産業資本に血液(資金)を供給するという大事な役割があり、「実」と「虚」の見分けが当事者たちにも難しくなってしまったことが、金融資本主義の抱えているアキレス腱といっていい。
◇集めてきた個々の金融商品自体は、いくら切ろうが貼ろうがリスクも利回りも変わらないのに、それらを組み合わせてできたCDOは、リスクが低減されているから信用度がアップする。
◇日本の金融庁は英語が苦手だし、そのうえ外国人に弱いから、ヘッジファンドの取り締りなどほとんどできていない。そのせいもあって、彼らはやりたい放題なのである。
◇不況は、金持ちをさらに金持ちにし、強い会社をさらに強くする。景気のよいときに格差が広がるというのは、まったくの誤解、錯覚なのである。 -
サブプライムローンなどで、世界を金融恐慌に陥れた、インベストメントバンクやヘッジファンド。
本書は、それらがいかに非人間的なことをしてきたかを暴露する。
法外な報酬を得ていたが、あまりのあくどさに嫌気がさして辞めた人の証言がある。
著者の会社が狙われ、身をもって体験したヤクザまがいのやり口の紹介もある。
今回の原因を作ったデリバティブは、金融工学なるもののマジックで、不良商品の理論上のリスクを低減させた。
このことで格付けが上がり、その道の玄人さえ危険性を見破ることができないものだったらしい。
しかし、地価が上がり続けることが前提条件となっており、結果破綻する羽目に。
産業が心臓や肝臓などの臓器だとすれば、あいだを駆け巡る血がお金といえる。
本来、金融はその血液を効率よく循環させることが仕事である。
しかし、金融資本主義の変質は、金を自己目的として肥大化し、必要のないところに血を集めている。
金融資本主義のしてきたことは、儲かりそうな会社を見つけて出資し、自らは不労所得を得ること。
これに変えて、著者は産業資本主義を提唱する。
出資者は「参加者」として一緒に手を携え、相手の会社を成長させる。
お金の増えそうな所への投資ではなく、お金をどこに入れればいちばん人の役に立つかが基準だ。
著者の堀氏はすでにベトナムに子会社を立ち上げ、動き始めているという。
これは、最後に提言している、「たとえ小さくても見本を示すこと」の実践だ。
「実」が「虚」に食い荒らされないよな中であって欲しいと思った。 -
堀さんについては、賛否両論のようですが、私は賛成です。別の本でも同じように「CDSが破綻するときはもっとひどい!」とありましたが、先日、CDSを上場しようとしていたので、少し寒気がしました。
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2010年2月
堀サンの本。サブプライム問題の解説が分かりやすい。
投資銀行やヘッジファンドの悪についてアツく語っている。