子どもの「やる気」のコーチング “自分から学習する子"に変わる方法 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569762142

作品紹介・あらすじ

ガミガミ言うのではなく、「もっとできるようになりたい」という子どものやる気を引き出す言葉がけとは? セルフコーチングシート付。

感想・レビュー・書評

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  • 自然の力を信じる

  •  エニアグラム(性格診断的なもの)は、大まかな分類だけど、少し参考になりそう。
     いろいろ書いてあるけど、自分に気持ちを置き換えて、気持ちに寄り添いつつ、でもいい方向に導くために具体的にアドバイスやコミュニケーションをとっていくのが大事、といったところでしょうか。
     「親は子供を支えて応援し支えていこうと思っていると日々伝え、その代わり子どもは親にちゃんとどうしてほしいのかを伝える責任がある」、というのは、自分の子供にも伝えていきたいところである。
     「きみのそういうところ、いいよね」「●●なところ、好きだよ」と、基本は子どもであっても対:人であり、親であるからこそ、(普通の人間関係を築く)+伸ばす声かけをしましょう、ということかな。

  • 【子育て・教育】子供の「やる気」コーチング/菅原裕子/20160525(67/493)<285/43119>
    ◆きっかけ
    ・最近、あれこれ指示して子供達に「やらせている」ことが多く、本人たちの自主性を引き出すヒントが欲しかった。

    ◆感想
    ・先般読んで大いに考えさせれれた「【子育て・教育】子育てのパラドックス/ジェニファー・シニア/20160512(62/488)<387/41868>」で警鐘しているように、本著でも「がんばれ、がんばれ、とやる気を求め、様々な活動に駆り立ててる」ことに対して疑問を呈し、競争の危うさを指摘している点で一機に引き込まれた。
    ・人間は元来、やる気を持っている。親はヘルプするのではなく、サポートする側に徹する。その際、親は子供を信じることと忍耐力を持つことが重要。やらされ感満載では自主性は育たない。失敗から学べない。レジリエンスが生まれない。毒にもなりかねない。
    ・やれ、ではなく、気付かせる。それを忍耐強く待つ。
    ・外的動機付け(=やらせる)から内的動機付けに変化することもある。その為には、small winを重ねることが大切。
    ・一方的にあれこれやれ、と言うだけではなく、まずは親ががんばっている姿を見せ、手本となることが大切。

    ◆引用
    ・これだけ:人の役に立つ喜びを知る人間に育てる
    ・親の生活観や生き方が子供に大きな影響を与える=今子育てをしている親:経済的な成長を優先する、目標を目指して合理的なやり方を追求し、効率よく仕事を進め、生産量を増やすことが大切な時代に育った。子供はそうした影響を受ける。やればできる、という考え方が根底にある。
    ・何かと子供をその流れに乗せようと、或いは遅れを取ることを恐れ、周囲に押されて、がんばれ、がんばれ、とやる気を求め、様々な活動に駆り立ててるとしてら、子供にとっていいことなのか?
    ・競争の危うさがある=すぐに諦める、本番に弱い、落ち込む、常に他人との比較で自分の価値を決める心穏やかでない状態が続く。やる気が必要な時代。
    ・自分で考え、選ぶ基礎力や姿勢を身につけてないと、大きくなってもその力を発揮できず、自立も危うい。
    ・外発動機づけながら、やっているうちに楽しくなって好きになる場合もある。外発的理由で嫌々弾いていたピアノが、彼女が本来持つものを刺激し、次第に内発的なやる気へと変化した。外発的におこしたやる気を子供の中で内在化して、子供が何か成し遂げるような仕組みを作ること。
    ・やる気を支える3要素:
     -有能さへの欲求:欲求が高まるにつれやってみよう、できそう、なんとかなるとやる気をもって踏み出す。成長に沿って任せれば子供は伸びる。
     -自律への欲求:自分のことは自分で決めたい。NG:宿題やったの?定着させないと、外発的動機づけを自分の中で定着させることが難しくなる。任されて自分でやっている瞬間にやる気を発揮する。やる気を横取りされ、努力だけ求められる子供は、自分がやりたくてやっているものでさえ、まるで親のためにやっていることになってしまっている。自律への欲求が満たされない。
     -関係性への欲求:必要な人だと思われたい。
    ・自己肯定感、自発性はやる気の土台。親になることは、子供の自己肯定感を育てる過程で、再度自分の自己肯定感を育てることができる機会を与えられているということ。
    ・やる気を育てる為に
    ―子供自身に親の喜びを十分感じさせること。
     -親から愛されていると感じられること。親の期待通りに動かそうとするやり方では、それが愛情から来ているものだとしても、自分はだめかもしれない、自分は十分ではないかもしれないという子へのメッセージになる可能性が。
    ・ヘルプからサポートへ:出来るを信じて見守る。やる気が育つ。親が必要なのは忍耐。
    ・NG:できるのに手を出す干渉、できないのに手を出さない放棄
    ・OK:●点だ。よかったね、毎日復習がんばったもんね。喜びを十分感じさせる。NG:●●点だ。よかったね、次回も頑張ろう。
    ・問題行動は自己肯定感を育てるチャンス。親が叱りたくなる瞬間こそが良い機会。怒りを律して、子供に一歩近づくとき。
    ・親の感情コントロール法
     -感情のコントロールが必要と認める
     -自分の固定観念を点検する
     -自分の感情に気付く
     -普段から素直に自分の考えを伝える
    ・子供が自分から進んで学習しようとしないときは習慣づけの参考になるが、愛情に基づく正しい使いかたができるよう配慮が必要。基本的にアメはいらない。
    ・聴くというこは、話を引き出すことではなく、子供の心の言葉に耳を傾けること。子供が求めるときに、子供の心に寄り添うこと。
    ・親との会話の中で子供は自分の声を聴き、やる気を高めて行く。子供も自分の声を聴く必要がある。
    ・子供の問題となる行動を子供の問題と捉えるのではなく、親という環境から影響を受けた子供の反応として捉える。
    ・小学校3-4年生は思春期の入り口にあって、子供の中にはこれまで体験したことのない様々な感情がうごめくようになる。自分が持て余してしまうような感情に寄り添ってくれる人がいるのは、子供にとっては大きな力になる。
    ・その気持ちよくわかる。じゃー、ちょっと聞かせて。たからないからもうやめちゃうのと、わかってできるようになるのとどっちがいい?
    ・子どもが望んでいるのは、否定的な感情を受け止めてくれて、自分をそこから肯定的なところへ導きだしてくれるサポート。
    ・そうだよね、じゃー、どうやったらわかるようにあるかを、お父さんと一緒に考えて見ようか。あくまで子供の出来る可能性をリードする。
    ・自分の感情にふたをしていると、子供の感情も受け取りにくくなる。感情をゆたかに感じ取り、表現することが、相手の感情を感じ取る第一歩になる。
    ・親が子供の信頼を得る為には、親が自分の人生や子育てにはっきりとした軸(信念や考え方)を持ち、ぶれることなく、その軸にそって子供と接することが必要。
    ・コーチングはまずこの子は何が好きで、どんな力を持っており、何ができるかをよく観察することから始まる。
    ★日曜日をノー勉強デーにする。
    ・親の仕事は子供が育つのを邪魔しないようにして、できることを支援することだから、何を支援してほしいかを伝えるのは子供の責任。
    ★小学校低学年:勉強するよりも、今日は学校でどんなことしたの?というところから始める。勉強嫌いにさせないことが大重要。
    ★やる気を持続させる方法
     -楽しい気分で声かけし、楽しい時間を演出する
     -時間を短く区切り、意識させる。キッチンタイマーも手
     -音読はお芝居気分で
     -子供に考えさせる
     -できる、ではなく、やるを認める
     -長くやらせない
     -続けられることを見えるかする(シール、カレンダーに○)
     -学習に関係ない好奇心も大切に
    ・強化したいところだけをしっかりとほめる。例)辞書をうまく使えるようになったね。
    ・学習しているときと嬉しい気持ちを連結した状態で子供の脳に記憶させることで、子供は学習に向かうようになる。
    ★人間はモデルから学ぶ。親が日々の生活でやる気を見せることで、その姿を見て子供は自分もやる気を発揮する。がんばれ、勉強しろ、よりも、強力にしっかり自然に子供の後押しをしてくれる。
    ★文中にある質問を通して、親は無意識のうちに子供に様々な期待を押しつけている、ことを認識。親の方針がクリアでないから、あれもこれもになってないか?

  • 著者
    菅原裕子
    1977年から人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。2006年に設立したNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。1999年に設立した有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。主な著書に『子どもの心のコーチング』、『思いを「伝える」技術』などがある。

    要旨
    本書は5章からなっており、親として子どものやる気を育てるための接し方を解説している。第1章では本書でのやる気の説明、第2章から第4章までは子どものやる気を引き出すために親として出来ること、すべきこと、第5章では簡易テストをし、読者(親)のタイプとその判定による子どものタイプに合わせた接し方を参考として述べている。

    感想
    本書全体を通して、親は子どものやる気の引き出すために直接何かをするのではなく、環境を整えて子どもの自律性を育てることが大切なのだと読み取りました。
    私は本書を、子ども目線になったり、大人目線になったり、自分の過去を思い出しながら読んでいました。私には実際子どもはいませんが、塾の生徒たちとの交流があるので勉強方面についてのやる気の引き出し方は参考になりました。

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著者プロフィール

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事

「2015年 『子どもの心のコーチング【しつけ編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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