田中角栄とその時代 駕籠(かご)に乗る人 担(かつ)ぐ人 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569766300

作品紹介・あらすじ

田中角栄のもとで23年間、敏腕秘書として名を馳せた筆者が、田中をはじめとする政治家達の生き様を活写する第一級ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 田中角榮の秘書というポジションだからこそ見える"田中角榮"という人物の姿、当時の永田町の景色が存分に盛り込まれています。

    また、本書の中で語られる田中角榮流の考え方や価値観は、政治家としての在り方は当然として、人としての在り方も考えさせられるものでした。

    一度民主党政権に交代はしましたが、今なお続く自民一強の日本の政治における"リアル"は、本書が書かれて30年近く経った今でも変わらぬものがあると思います。

    政治に興味関心がある方だけでなく、いろんな方に読んでいただきたい一冊です。

  • 選挙の神様と呼ばれた田中角栄。こう呼ばれたのは誰よりも努力した結果だった。田中角栄は勤勉で、ひたすらに目標に向かって歩き続ける人だった。
    田中角栄が言うには、「人生はマラソンレースである。100メートル競走ではない。最後に勝負を決めるのは、知恵と人柄、それにエネルギーだ。とくに、エネルギーが決め球だ。常に現役であり続けることが、勝敗を分ける。」どんなに歳を取ろうが、役職があがろうが、そういう気持ちで行動していたからこそ、勝ち続けることができたのだと思う。
    田中角栄のような優れた人は、人間を好き嫌いしない。能力を見分けて、要所要所に配置する。進むべき方向を明確に示し、後は裁量に任せる。肝心なのは、大事を任せられる人を見つけることだ。また、どんな人とも対等の立場で接する。どんな質問も、まともに答える。そうすれば、親近感を持たれ、敬意と信頼感を抱かれるようになる。
    人は、誰でも一生のうちに三度、チャンスがある。あるいはツキが回ってくる。運が向いてくる。と言われるが、大事なのはそのチャンスをつかみとれるかどうか。目的を必ず果たすという、この不退転の意思が本物であれば、目的を果たすためにあらゆることに目配りをし、万全の用意をする。そのとき、たまたまチャンス到来したときに、自分で掴み取り、持続させることができる。

  • 角栄のエピソードを通じて、政治家の考え方、もっと言えば人心掌握術がうかがえる本。政界ではどういう人物が生き残るのか、のし上がるのかがよく分かります。
    たとえば、田舎の老婆に声をかけて~からの、隣にいた奥様はきっとこう思ってたろう・・・っていう推測は、もはや小説家の想像力だな、って思いました笑(私も女として、正直当たらずとも遠からずな推測と思ってる)。

  • 田中角栄、竹下登が何故、首相の座につけたか?そして、何故、福田や宮沢は、首相の座に乗り遅れたのか?こうしたことの理由が、田中角栄秘書の早坂氏ならではの視点から述懐されている。

  • 早坂氏を通じて、角栄の言葉が蘇る。
    深い人間洞察力と、部下に対する具体的で細かい指示、勉強になる。
    角栄の人間性が浮き彫りになっている。

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著者プロフィール

早坂 茂三(ハヤサカ シゲゾウ)
政治評論家
1930年北海道函館市生まれ。1955年早稲田大学政治経済学部卒業後、東京タイムズ社に入社。政治部記者時代に田中角栄氏と出会い、以後23年間、敏腕秘書として勇名をはせた。「日本列島改造論」の名づけ親でもある。田中氏の病気療養を境にフリーとなり、政治評論家として活躍。『オヤジと私』を皮切りに、『田中角栄回想録』『政治家 田中角栄』『駕籠に乗る人担ぐ人――自民党裏面史に学ぶ』『宰相の器』『鈍牛にも角がある』『意志あれば道あり』(以上、集英社文庫)など多数の著作を出版する。2004年、肺がんのため逝去。

「2016年 『田中角栄と河井継之助、山本五十六』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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