東大物理学者が教える「伝える力」の鍛え方 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768199

作品紹介・あらすじ

表面的ではなく、本当の意味での「伝える力」とは何か? 伝言、プレゼン、交渉など、あらゆるシーンに活用できる力を3ステップで伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 伝える力について、3つのレベルに分けて解説している書です。

    先の考える力は一人称で、伝える力は二人称、相手があることで、難しく、レベルを分けて解説をしている。

    単に伝える(アクション期待せず)⇒相手が考えさせるように伝える⇒相手に行動を起こさせる伝える

    1 用事を伝える伝え方 マニュアル通りに伝える 事実・用件・伝言を正確かつ簡潔に伝える
    2 聞く気にさせる伝え方 相手に考えさせる プレゼン、意志表示 
    3 人を動かす伝え方 相手に行動を起こさせる、創造力が必要。交渉など

    レベルを上がることによって難易度は飛躍的に上がっていく

    4 人を育てる伝え方 3つの伝えるを総合的に活用する伝え方

    ■用事を伝える
    ・伝えるの基礎
     ①事実を伝える もっとも簡単、時事をそのまま伝える
     ②用件を伝える 解釈の余地があるので、適切に伝えないと相手が誤解してしまう
     ③伝言を伝える 何を伝えるのか、結論から先にいう、余計なことを言わない
    ・用件を伝えるに大事なのは、重要なことと重要でないことを混在して伝えないこと、そして、大切なことから簡潔に伝えること
    ・用件の要点をあらかじめメモして、頭を整理ておくこと
    ・最優先に伝えるべきことは何かを考えておく
    ・結論から話す(幹)、次に関連情報を付け加える(枝)
    ・相手によって、幹は変わっていく
    ・伝言力に必要なのは、聞く力、すなわち、相手の言っていることを理解する力
    ・幹で間違いがないかを確認する、~でよろしいでしょうか。
    ・事実と、意見(=私感、所感)を峻別して話す

    ■聞く気にさせる
    ・プレゼンにおいて重要なのは、メッセージを伝える
    ・プレゼンを聞いてもらうためには、聞くことに集中できる環境を用意する
    ・メッセージの伝え方 ①最短距離で、②論理的に、③わかりやすく 
    ・話の順序を1枚にまとめる 全体を俯瞰する、手を使って紙に書く
    ・プレゼンは、1枚1分
    ・何を言うかを決めることは、何を言わないを決めることでもある。言わないことはスライドには書いてはいけない。
    ・プレゼン 大きな声で話すこと はっきり発音すること
    ・聞き手に思いやることで、伝える力が大きく向上できる
    ・プレゼン最初の30秒で人を惹きつけること 聞き手が面白そうだ、この人の話をもっと聞きたいと思わせる
    ・考えをしっかり伝えるには、プレゼンよりも、黒板を書きながら話すことのほうが適している
    ・聞き手の多くは、分からないことがあっても、あえて質問をしてこない
    ・ぼんやりとした質問の中で、その人が本当に知りたいことを聞き取り、「~ということでしょうか」とまとめてあげれば、答える前から質問者にとって満足感がある
    ・「言います」と「言っていいですか」、問いかけ⇒合意 というプロセスをはさむことで相手の心をひらくことができる
    ・事前にいいたいことをメモで整理する
    ・解決すべき問題がそこにあるということを、相手に納得してもらわなければならない

    ■人を動かす
    ・人が自分の利益や成長のために、大切なもおのために、自らすすんで行動するようになる「心を動かす伝え方」
    ・交渉は、相手と目的が明確であることが特長です。「誰から、何を欲しいのかが、はっきりしている」ともいえる
    ・交渉の本来のあり方は、双方が納得づくで受け入れる解決法を探ること
    ・交渉とは相手をコントロールして自分の目標を達成することではない。お互いの知恵を出し合って、共通の利益を見出し、創造的に問題解決を図る行為です。
    ・交渉を成立させるための3つの極意
     ①双方向の行為 自分の望みを伝えるとともに、相手が何を望んでいるのかを見極める
     ②交渉の判断基準は多元的 1つの基準ではなく、複数の基準を総合的に判断する 双方の幹と枝を意識する
     ③時間軸を意識する 行き詰まったら、別の観点を導入して、転換を図る 
    ・交渉の誠意とは論理性、客観性に裏付けられた誠実。
    ・雄弁でなくても、よい交渉はできる
    ・交渉のプロセス
     ①自分の望みを明確に相手に伝える
     ②相手が何を望んているのか見極める
     ③双方が納得できる受け入れ可能な妥協点を探る
     ④それを伝える
     ⑤相手の考えを聞く
    ・たくみな言葉を用いなくても、ずば抜けて条件を持ち出さなくても、本当に相手の立場に立って考え、相手の言葉を受け止める。そして、なによりも、相手のつらさや悲しみを共有することで真心は伝わる。

    ■人を育てる
    ・何をどうがんばればよいか、その理由と方法が具体的に伝わるような「がんばれ」なら効果がある
    ・育ってほしい、伸びてほしいという面を、さらに、伸ばしてあげたい。教育とは相手の可能性を引き出すこと
    ・怒ると、叱るは違う。
     ①怒るは、自分が腹を立てていること
     ②叱るは、相手のためにおもっていること
    ・叱るはむずかしく、たいていはうまくいかない。伝わったとおもっても、後で、ぜんぜん伝わっていなかったと愕然する
    ・指示を出すのではなく、認めて任せる
    ・相手を伝えるためには、自分自身がそれをできるように成長しなければなりません。

    目次

    文庫版まえがき
    はじめに
    予講 「伝える力」とは何か
    レベル1 「用事が足りる伝え方」を鍛える
    レベル2 「聞く気にさせる伝え方」を鍛える
    レベル3 「人を動かす伝え方」を鍛える
    補講 「人を育てる伝え方」を鍛える
    おわりに

    ISBN:9784569768199
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:221ページ
    定価:640円(本体)
    発行年月日:2018年03月

  • 伝え方が上達する本です。

    本書には、伝え方で悩んでいる人のための解決策が書かれています。効果的なプレゼンのやり方、交渉の仕方、電話でのコミュニケーションなど、伝え方が上達するノウハウが満載。

    もちろんビジネスだけでなくてプライベートでも応用ができます。他者に物事を伝える際、役に立つでしょう!

    他者に物事を伝える機会が多い方(先生、コンサルなど)には、伝達力は不可欠のスキルです。

  • 大学で教鞭を取る筆者が、伝え方について解説した本。
    学生はもちろん社会人の方にも参考になる事が多くありました。
    事例もわかりやすかったです。
    相手に伝える話し方とは、話の内容の枝と葉がはっきり分けられていること。
    話す内容は事前にまとめておき、話していきます。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25886138

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    予講 「伝える力」とは何か(誰もが「伝わらない」と悩んでいる/プレゼンの天才、ジョブズをマネれば伝わるのか ほか)/レベル1 「用事が足りる伝え方」を鍛えるー伝言力アップの3原則をマスターする(事実と用件の違いとは?/伝言力アップの3原則 ほか)/レベル2 「聞く気にさせる伝え方」を鍛えるー伝えたいメッセージを聞き手の力を借りて伝える(プレゼンテーション/意志表示ー言いづらいことを伝える)/レベル3 「人を動かす伝え方」を鍛えるーゼロサムではなくウイン・ウインであるために(交渉ごとが苦手な人が多いのはなぜか/すぐれた交渉とは、双方がウイン・ウインになる方策を見出すこと ほか)/補講 「人を育てる伝え方」を鍛えるー「教育」と「子育て」を通して「生きる力」を養う(「人を育てる伝え方」は総合力/励ます、ほめる、叱る ほか)

  • 『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』の続編。伝えることも重要です。理論物理学者らしく、細やかに、且つ、わかりやすく記されていて、非常に勉強になります。

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著者プロフィール

上田 正仁
東京大学教授 博士(理学)

「2022年 『量子測定と量子制御 [第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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